今回のテーマは、「クレンジング選びのポイント」です。
Natural Forest organic beauty salon の山村 真紀 先生にインタビューさせていただきました。
クレンジングは、スキンケアの工程の中でもお肌に負担が大きく、クレンジング料選びから大切です。
クレンジング料は、洗浄力の強いものが良いわけではなく、むしろ、お肌にうるおいを残してくれるようなものが好ましいです。
それは、クレンジングのタイプをひとつの目安にすることもできるといいます。
クレンジング選びのポイントについて、山村先生に教えていただきました。
目次
クレンジング選びのポイント
・界面活性剤によってメイク汚れを落とすことができる
・合成界面活性剤は肌バリアにダメージを与えやすい
・クレンジング選びは界面活性がポイントに
合成界面活性不使用のクレンジングの見分け方
・合成界面活性剤は成分表示名が異なるので事前確認する
・無添加化粧品も合成界面活性剤不使用とは限らない
・オーガニック認証はひとつの目安に
クレンジングのタイプで選ぶ
・洗浄力の優しいクリームタイプやミルクタイプがおすすめ
・サロンで使用しているクレンジングとは
肌に優しいクレンジング方法
・クレンジングは短時間で行う
・クレンジングは摩擦を与えないように優しく行う
・クレンジングは30度前後のぬるま湯で行う
・朝のクレンジングは行わなくて大丈夫
クレンジング選びのポイント
クレンジングの役割は、「メイク汚れを落とす」ことです。
そして、スキンケアの工程の中でも、クレンジングはお肌への負担がいちばん大きくなりやすいです。
ですので、特にクレンジング料は慎重に選んでいただきたいです。
そのときのポイントになるのが「合成界面活性剤」です。
界面活性剤によってメイク汚れを落とすことができる
メイク化粧品には、油分が多く含まれています。
特にファンデーションは、油分の量が多いアイテムです。
そうしたメイク化粧品の油分の汚れは、油分で落とす必要があります。
ただ、オイルだけでメイクの汚れを取ろうとしても、水分と油分は混ざり合わない性質のため、そのままでは水で洗い流すことができません。
そこで、界面活性剤という成分が、水分と油分を乳化させて混ぜ合わせる役割をします。
クレンジング料には、基本的にその界面活性剤が配合されています。
クレンジングでは、界面活性剤によって水分と油分を混ざり合わせることで、メイク汚れの油分を浮き上がらせて落とすことができます。
クレンジングの仕組み
1. メイク汚れの油分を、油分で浮き上がらせる
2. 界面活性剤によって水分と油分が混ざり合う
3. メイク汚れを水で洗い流せる
合成界面活性剤は肌バリアにダメージを与えやすい
肌表面にはバリアゾーンがあり、外部の刺激から皮膚を守ったり、皮膚の水分が蒸発するのを防いだりする働きがあります。
そのお肌のバリアゾーンは、ふたつあります。
ひとつは、「皮脂膜(ひしまく)」です。
もうひとつは、「角質層(かくしつそう)の外壁/顆粒層(かりゅうそう)の内壁」です。
肌のバリアゾーン
・皮脂膜(毛穴から分泌された油分の皮脂と、汗などの水分が肌表面で混ざり合った天然の保護膜)
・角質層の外壁/顆粒層の内壁
作用の強い界面活性剤は、そうしたバリアゾーンを壊してしまう原因になります。
特に注意していただきたいのが、「合成界面活性剤」です。
合成界面活性剤とは、界面活性剤の中でも、化学的に合成して作られたもののことをいいます。
それらは、作用的にも強いものもが多く、お肌に必要な皮脂まで取りすぎてしまいやすいですし、角質(肌表面の古い肌細胞)にもダメージを与える原因にもなります。
そうすると、お肌のバリアゾーンも薄くなりますから、外部からの刺激に弱くなり、皮膚の水分も蒸発しやすくなります。
それによって、お肌の乾燥やハリの低下にもつながります。
その状態がさらに悪化すると、お肌は敏感傾向になって、スキンケア化粧品を付けると赤みが出るようになる可能性もあります。
合成界面活性による影響
(作用が強くて肌のバリアゾーンがダメージを受けることで)
・肌の乾燥やハリの低下につながる
・敏感肌の原因になる可能性も(例えば化粧品で赤みが出るなど)
クレンジング選びは界面活性がポイントに
クレンジングは、メイク汚れを落としつつも、お肌のバリアゾーンを壊さないことが大切です。
そのため、クレンジング料を選ぶときは、合成海面活性の入っていないものや、界面活性剤の量ができるだけ少ないものがおすすめです。
おすすめのクレンジング料
・合成界面活性が入っていない
・界面活性剤の量が少ない
合成界面活性不使用のクレンジングの見分け方
合成界面活性剤は成分表示名が異なるので事前確認する
スキンケア化粧品の全成分表示は、基本的に配合量の多い成分から並べられています。
そこをみると、その化粧品にどんな成分が多く配合されているのかがわかります。
ただ、合成界面活性剤は「合成界面活性剤」とは表示されていません。
そして、合成界面活性剤に分類される成分は、そのすべてが化粧品に使用できるわけではありませんが、1万種類以上あるといわれています。
化粧品によく使用される合成界面活性剤としては、例えば「ラウリル硫酸~」・「ラウリル酸PEG~」・「ステアリン酸~」と表示される成分などがありますが、それをすべて覚えるのは難しいでしょう。
私自身も、全種類の合成界面活性剤を把握しているわけではありません。
どの成分が合成界面活性剤に当たるかは、書籍やインターネットで調べることができますので、クレンジング料を購入する前に成分チェックをするのも、ひとつの方法です。
無添加化粧品も合成界面活性剤不使用とは限らない
それから、化粧品のパッケージに「無添加」と書かれていても、合成界面活性剤が入っていないというわけではありません。
例えば、「香料が無添加」という場合もあります。
ですので、クレンジング料で「無添加」と書かれている場合は、何が無添加なのかを確認してみることをおすすめします。
オーガニック認証はひとつの目安に
ちなみに、当サロンでは、オーガニックの化粧品を使用しています。
オーガニック認証を受けるには規制があって、界面活性剤でも使用できる成分が決められています。
ですので、安全性には一定の信頼ができます。
クレンジング料を選ぶときは、オーガニックの認証が付いているかということも、安全性の参考になると思います。
クレンジングのタイプで選ぶ
洗浄力の優しいクリームタイプやミルクタイプがおすすめ
クレンジング料には、いくつかのタイプがあって、洗浄力も異なります。
洗浄力が強いほど、汚れを落とす成分である界面活性剤の量が多く、お肌への負担が大きいと考えられます。
商品によっての違いはありますが、一般的には、「オイルタイプ」は洗浄力が強く、「ジェルタイプ」はそれよりも洗浄力が優しめで、「クリームタイプ」や「ミルクタイプ」は洗浄力が優しいです。
クレンジングの種類
(一般的に洗浄力の強い順に)
・オイルタイプ
・ジェルタイプ
・クリームタイプ
・ミルクタイプ
そのため、私は、お肌への負担の大きくない「クリームタイプ」や「ミルクタイプ」のクレンジング料をおすすめしています。
では、それぞれのタイプにはどんな特徴があるのかをご紹介させていただきます。
オイルタイプ
オイルクレンジングは、界面活性剤の量が多めでもっとも洗浄力の強いタイプのクレンジング料で、お肌への負担が大きいものが多いです。
また、粘性が少なくサラッとしているので、クレンジングの際に肌摩擦も起きやすいです。
ジェルタイプ
ジェルクレンジングは、オイルクレンジングよりも界面活性剤の量は少なめで、洗浄力も優しいです。
また、質感も粘性があっては優しいので肌摩擦も起きにくく、比較的さっぱりとした使用感のものが多いです。
クリームタイプ
クリームクレンジングは、クリームの厚みがクッションとなって肌摩擦が起きにくく、優しく汚れを落とすことができます。
お肌に必要な皮脂まで取りすぎてしまう心配も少ないので、お肌にうるおいを残してしっとりとした洗い上がりのものが多いです。
ミルクタイプ
ミルククレンジングは、クレンジングの種類の中でも界面活性剤の量が少なく、洗浄力も優しいです。
水分の量が多くて伸びが良いので肌摩擦も起きにくく、お肌にうるおいを残してくれる優しい洗い上がりのものが多いです。
サロンで使用しているクレンジングとは
当サロンで使用している化粧品はすべて、オーガニックにこだわっていて、クレンジングには主に2種類を使用しています。
そのひとつは、クリームクレンジングです。
界面活性剤も配合されていますが、植物由来のものでお肌に優しい成分が使用されています。
そして、メニューによっては、クレンジング料は使用せずに、専用のローションとオイルを使って、メイクを拭き取るようにして落としていきます。
こちらは、敏感肌の方にもおすすめです。
肌に優しいクレンジング方法
クレンジングは、クレンジング料選びも大切ですが、お肌にできるだけ負担をかけないように行うことも大切です。
そのためのポイントをいくつかご紹介します。
クレンジングは短時間で行う
クレンジングを行うとき、お肌がキュッキュッとなるまできれいにしないと気になるという方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、クレンジングは長く行えば行うほど、お肌のバリアゾーンを薄くしてしまいます。
ですので、できるだけ短時間で行うことをおすすめします。
お肌がキュッキュッとならなるまでクレンジングを行うのは、洗いすぎです。
うるおい感がちょっと残っているくらいがちょうどいいですので、その感覚を意識してみてください。
クレンジングは摩擦を与えないように優しく行う
クレンジングでゴシゴシと洗うと、お肌を傷つける原因にもなります。
ですので、クレンジングは、お肌に摩擦を与えないように優しく洗うようにしましょう。
また、クレンジングのときにマッサージを行うのも、お肌のバリアゾーンを薄くする原因になりますから、あまりおすすめしません。
クレンジングは30度前後のぬるま湯で行う
お皿洗いは、熱いお湯で洗ったほうが、お皿の油汚れも落ちやすいです。
それは、クレンジングにも同じことがいえます。
ただ、だからといって、40度前後のお湯でクレンジングを行うと、お肌に必要な皮脂まで取りすぎてしまう原因になります。
ですので、クレンジングは、30度前後のぬるま湯で行うのが基本です。
また、敏感肌の方は、お水で行っていただいても大丈夫です。
朝のクレンジングは行わなくて大丈夫
基本的に、朝はクレンジングを行わなくても大丈夫です。
特に乾燥肌の方は、朝もクレンジングを行うと、必要な皮脂まで取りすぎてしまうので、しないほうがいいでしょう。
もし朝にメイクを落とす必要があるときは、できるだけ手早くクレンジングすることを心がけましょう。
編集部の選ぶおすすめのクレンジング
「キレイの先生」編集部です。
ここまでが、山村先生の取材記事です(先生、ありがとうございました!)。
ここからは、編集部の選んだおすすめのクレンジングをご紹介します。
ノブⅢ クレンジングクリーム
臨床皮膚医学に基づいた敏感肌のための高保湿スキンケア化粧品ブランド「ノブⅢ」のクレンジングです。
有効成分のグリチルリチン酸2Kが肌荒れを予防しながら、肌への負担なく汚れをきれいに落として、うるおいを保ったなめらかな肌に整えます。
クレンジングクリームをお試しになるには、「ノブⅢ トライアルセット」がお得です。
●内容量:120g
●通常価格:税別3,500円
●トライアルセット価格:税別1,500円
美容家の感想

富田 恵 先生
肌摩擦なく落とすべき汚れだけ落としてくれる!低刺激で洗い上がりはしっとり!
やわらかいクリームですが、顔に乗せても垂れることもなく、肌摩擦なくクレンジングを行うことができます。肌の上に乗っている汚れだけを落として、落としてはいけないものは取り去っていないことが感じられて、洗い上がりはしっとり感が残ります。敏感肌のラインだけに、低刺激で使用時の違和感もありません。
* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
つつむ ジェントル クレンジング
敏感肌のバリア機能を徹底サポートするポーラ・オルビスグループの高保湿スキンケア化粧品ブランド「ディセンシア つつむ」のクレンジングです。
コシと弾力のあるクリームが乾燥性敏感肌への大きな刺激となる摩擦を避けて、うるおいを与えながらメイクを落とします。
ジェントル クレンジングをお試しになるには、「つつむ 14日間トライアルセット」がお得です。
●内容量:100g
●通常価格:税別2,200円
●トライアルセット価格:税込1,470円
美容家の感想

高橋 美穂子 先生
美容クリームのようになめらか!べたつきが残ることなく洗い上がりはしっとり!
美容クリームのようになめらかな質感でストレスなく使うことができ、肌への優しさがとても感じられます。正直、クリームタイプのクレンジングは「残り感」のある商品もあったりして期待値が低かったですが、そういったこともまったくなく、クレンジングの役割を果たしながらしっとりした洗い上がりが心地いいです。
* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
まとめ
クレンジングは、スキンケアの工程の中でもお肌への負担が大きいため、クレンジング料選びから大切になってきます。
それには、界面活性剤がポイントになります。
できるだけ合成界面活性剤が入っているものは避けて、界面活性剤の量自体も少ないものがおすすめです。
それには、商品の全成分表示をチェックするのも良いですが、クレンジング料のタイプから選ぶのも、ひとつの方法です。
商品によって違いはありますが、一般的に、クリームタイプやミルクタイプは洗浄力の優しいものが多いです。
クレンジング料を選ぶときは、山村先生のアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか?
(取材:「キレイの先生」編集部 文:Natural Forest organic beauty salon 山村 真紀 先生、「キレイの先生」編集部)
* 2016年4月11日に公開した『クレンジングの種類と選び方!合成界面活性剤には注意しよう』を再編集しました。