「キレイの先生」編集部です。
「お肌が乾燥していると、アレルギーにも反応しやしくなるし、紫外線にも弱くなるんですよ」
リラクゼーションエステ Soin の行木 亮子 先生先生への取材時、そんな話がありました。
いつだってお肌の潤いは大切ですが、これから紫外線の強くなるシーズン、お肌の乾燥にはますます要注意ですね。
お肌を潤す保湿には、化粧水です。そして化粧水は、手でつけるよりもシートパックがおすすめです。
今回は、そんな乾燥肌におすすめのシートパックについて、行木 先生に話をお聞きしました。そして、スキンケア以前に、お肌の潤いに大切なことも教えていただきましたので、そちらも美肌のヒントになると思います。
目次
乾燥肌について
・1) 細胞間脂質(セラミドなど)の働き
・2) 皮脂膜の働き
・乾燥肌が肌トラブルの原因に
肌が乾燥する原因
・睡眠不足
・運動不足
・その他
シートパックの保湿効果
・保湿効果
・ODT効果
シートパックの使い方
・シートパックの方法・時間・頻度
・応用1. コットンパックと組み合わせ
・応用2. シートパックの上からラップをかける
乾燥肌におすすめのシートパック
・サロンのシートパック
乾燥肌について
乾燥肌とは、お肌の潤いを保つために大切な下記の2つの要素が損なわれ、潤い成分が逃げていっているという状態です。
1) 細胞間脂質(セラミドなど)
2) 皮脂膜
まずは、これらがお肌の潤いを保つ上で、どんな働きをしているのか、みていきたいと思います。
1) 細胞間脂質(セラミドなど)の働き
セラミドをはじめとする細胞間脂質は、その名の通り、細胞と細胞の間にあります。
これは、水分保持力があり、お肌の中の水分が蒸発しないように防いでいます。また、外部からの細菌や、アレルギーなどの刺激を防ぐバリア機能の働きがあります。
そのため、細胞間脂質が損なわれると、お肌の水分保持力が弱まり乾燥肌につながってしまいます。
2) 皮脂膜の働き
皮脂膜は、お肌の表面を覆っている膜のことをいいます。
これは、毛穴から分泌される皮脂(油分)、汗(水分)、そして天然保湿因子が混ざり合って出来たものです。
こちらも、お肌の中の水分が蒸発しないようにカバーする役割や、外部からの刺激を守るバリア機能の働きがあります。
そのため、皮脂膜が損なわれても、やはり乾燥肌につながります。
乾燥肌が肌トラブルの原因に
このように、細胞間脂質と皮脂膜のどちらも、お肌のバリア機能の働きがあります。
それらが損なわれて乾燥肌になるということは、お肌のバリア機能自体も弱まっているということです。
すると、お肌がアレルギーに反応しやすくなったり、紫外線など外部の刺激にも弱くなったりします。
つまり、乾燥肌が別の肌トラブルにつながることもあるのです。お肌の潤いは、肌トラブルの予防という点でも大切ですね。
肌が乾燥する原因
サロンにお越しになられるお客様のお肌をみていて感じるのは、お肌の潤いには「血流」がとても大切ということです。
血液は、身体に必要な栄養や酸素などを運んでいます。お肌の潤い成分もそうです。美肌に良い栄養を取っていても、血流が悪ければ、お肌まで届きづらくなってしまいます。
つまり血流が悪いと、お肌も乾燥します。血のめぐりが、お肌の潤いともいえるのです。
そのため、血流が悪化してしまうような生活習慣は、お肌の乾燥の原因になるといえます。
睡眠不足
サロンに定期的にお越しになられているお客様の話なのですが、あるときお肌がとても潤っていたことがありました。
どんなケアをされたのかお聞きすると、「特に何かをしたわけではない」というご回答が返ってきました。ただ、睡眠時間をしっかり取るようにされたそうです。
睡眠がお肌の潤いにつながったのですが、それにはいくつかの理由が考えられます。
まずは、血流です。
人は緊張している状態では、血流が悪くなります。皆さまも緊張していると、自然と力が入りませんか? すると、筋肉もキュッとしまり血管をしめるような形になるので、血流が悪くなってしまいます。
それが、睡眠中は神経が休まり緊張も緩和されます。すると、血流も良くなりますから、お肌の潤いにつながります。
また、寝入りの3時間は、成長ホルモンが分泌される時間といわれています。成長ホルモンはお肌の再生を促す働きもあるので、それもお肌が潤ったひとつの理由でしょう。
(22:00~02:00までを「美容のゴールデンタイム」というように、睡眠はお肌の潤いにもとても大切です。このゴールデンタイムの考え方は昔からあり、アーユルヴェーダにもあります*)
* 編集部:「美容のゴールデンタイム」とアーユルヴェーダについては、「「肌のゴールデンタイム」はアーユルヴェーダでも証明済み?」でもご紹介しています。こちらも合わせてご覧になってみてください。
運動不足
お肌とは一見関係がなさそうですが、足が弱っている方は、お肌も乾燥しがちです。
その理由も、血流にあります。運動不足では血流が悪くなってしまいますから、それがお肌の乾燥につながってしまうのです。
そのためウォーキングなども、お肌の潤いには効果的です。そのときは、ゆっくりとテクテク歩くのではなく、足早に歩くようにするのがおすすめです。足の内側が伸びる感じくらいに負荷をかけるのが良いでしょう。
その他
「血流」の関係以外でも、クレンジング・洗顔での洗い過ぎは、お肌が乾燥する原因になります。それは、本来お肌の潤いに必要な細胞間脂質・皮脂膜までもが、洗い過ぎによって落ちてしまうからです。
もし、キュッキュッとなるまで顔を洗っている方がいらっしゃれば、気をつけるようにしましょう。
また、加齢とともに、セラミドなどの細胞間脂質の量は減っていきます。そのため、年をとるにつれ、お肌は乾燥しやすくなります。
シートパックの保湿効果
ここまで、乾燥肌と血流の関係を中心にお話してきました。
乾燥肌のケアでまず心がけていただきたいのが、血流を良くすることです。血流が悪いと、スキンケアで保湿しても、お肌にはそれを維持する力がありません。
血流を良くした上で、化粧水でしっかり保湿するのが大切です。
そして、化粧水は手よりも、シートパックでつけてあげるのがおすすめです。
保湿効果
手で化粧水をつけたとき、化粧水を吸収するのは、顔だけではありません。手も化粧水を吸収してしまいます。
そこで、シートパックです。シートパックで化粧水をつけることで、保湿力はアップします。
(中には、シートパックが「時間がかかるから少し面倒…」という方もいらっしゃるかもしれません。そのときは、化粧水をコットンでパタパタとお肌につけるのがおすすめです。手でつけるよりも、保湿効果も高いです。ただ、後程お話しますが、シートパックも顔につけているのは3分くらいで、それほど時間はかかりませんよ)
ODT効果
また、シートパックにはODT効果があります。ODTとは、「Occlusive Dressing Therapy(閉鎖密封法)」という意味です。
シートパックでお肌を覆うことで、化粧水を封じ込めるイメージです。
そのODT効果もあり、化粧水のなじみも良くなります。
シートパックの使い方
シートパックは、クレンジング・洗顔でお肌をきれいにした後に行うのが基本です。
スキンケアの順番にすると、下記の通りです。
1) 洗顔・クレンジング
2) 【シートパック】
3) 美容液
4) 乳液・クリーム
シートパックでしっかり保湿した後は、乳液・クリームで「ふた」をするのを忘れないようにしましょう。
せっかく保湿してあげた分も、すぐ蒸発してしまってはもったいないですから、お肌のお手入れの仕上げには大切なことです。
シートパックの方法・時間・頻度
シートパックの作り方はとても簡単です。
シートマスクを用意して、それに化粧水をつけるだけです。おそらく、手で化粧水をつけるよりも、その量は多くなると思います。
そして、シートパックを顔につける時間は、おおよそ「3分」が目安です。
それ以上の時間つけていると、かえってお肌の中の水分が持っていかれ、お肌の乾燥につながる場合もあります。
そしてシートパックを終え、それをすぐ捨ててしまうのは少しもったいないです。
絞れば、まだ化粧水が出ます。それをデコルテや手などにつけてあげると良いでしょう。
このシートパックの頻度は、毎日でもOKです。
応用1. コットンパックと組み合わせ
シートマスクは基本的に、下の画像のように、
・目元
・鼻
・口元
の部分が空いています。
そして、その空いている部分が、乾燥しやすい場所でもあります。
そこでおすすめなのが、シートマスクの空いている部分に、化粧水を染み込ませたコットンでふさいであげることです。
こめかみや耳のあたりは、シートパックが届かないときもあるので、そこにもコットンパックをつけてあげるのも良いですね。
ちなみにサロンでは、穴の空いていない四角形のパックを使ったりします。
それをお客様の顔の形に合わせて切っていくのです。そうすることで、顔全体にきれいにシートパックをつけることができます。
応用2. シートパックの上からラップをかける
シートパックの上から、ラップをかけるのも効果的です。ODT(密封)効果もさらに高まりますね。
先程、シートパックは約3分が目安とお話しました。ただ、上からラップをかけてあげれば、10分くらいつけていても大丈夫です。
他にも、お風呂に入りながらシートパックするのも、お肌が柔らかくなって化粧水のなじみも良くなるので、おすすめです。
* 編集部の補足:シートパックの上からラップをかけるのは、「化粧水は手よりもローションパック!5段階レベルアップ術」でもご紹介いただきました。こちらも合わせてご覧になってみてください。
化粧水は手よりもローションパック!5段階レベルアップ術
IL SALONE 伊東 晃 先生
乾燥肌におすすめのシートパック
乾燥肌のシートパックにおすすめなのは、「ヒアルロン酸」配合の化粧水です。
ヒアルロン酸は1gあたり、6,000mLの水分を保持できるとされており、代表的な保湿成分です。
お肌の弾力不足でお悩みのときは、お肌のハリに効果的な「コラーゲン」も良いですね。
また、お肌の疲れがきになるときは、「コエンザイム」などの成分もおすすめです。
サロンのパック
最後に、「リラクゼーションエステ Soin」で用意しているパックを簡単にご紹介させていただきます。
下記は、どれも保湿力が高いので乾燥肌にはおすすめなのですが、それぞれプラスαの特長があります。
■ コラーゲンパック
フリーズドライのシートパックを水に戻して使うタイプです。
コラーゲンでお肌の表面をコーディングするイメージで、お肌のハリと潤いにおすすめのパックです。
■ ローズ炭酸パック
炭酸浴の効果があるパックで、CO2で代謝がアップします。
お肌の中から潤いを作るのにも良いですし、代謝が上がることで小顔効果も期待でき、顔色がとても明るくなります。また、お肌のバリア機能回復の作用もあります。
天然ダマスクローズの香りで気分が華やぐのも特徴です。
■ フランキンセンスパック
フランキンセンスは、砂漠のように暑く乾燥した過酷な環境で育つ樹木です。
フランキンセンスパックでは、その樹木が傷から自分を守ろうとして滲み出て来る樹液(「砂漠の真珠」とも呼ばれています)から抽出された成分を使用します。
細胞成長促進作用や抗酸化作用、保湿作用などに優れ、ハリ・潤い・キメを整えてエイジングケアにおすすめのパックです。
また、その香りは精神をクリアにするような作用があり、眉間の力がふっと抜けるような癒し感があるので、特にお忙しい方・考え事の多い方にはおすすめです。
■ チョコレートパック
チョコレートには、恋をしているときに出る物質と似た成分が含まれています。
そのためチョコレートパックをすると、ときめいた気持ちになって、気分転換におすすめです。
また、老化を抑えるポリフェノールや、血行を促して基礎代謝を上げるテオブロミンが含まれるため、血流改善にもなり小顔効果も期待できます。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
行木 先生からシートパックの使い方をお聞きして、「シートパックはたしかに乾燥しやすい場所に穴が空いているな」と改めて気付かされました。
目尻は皮膚が薄いですし、鼻は前に出ているだけ紫外線が当たって乾燥しやすいです。口元も小じわが出やすいです。
これらの場所こそ、コットンパックでふさいで、しっかり保湿してあげたいものですね。
乾燥肌には保湿が大切です。そして、保湿力はシートパックが高いです。お肌の乾燥でお悩みの方は、化粧水をシートパックでおつけになってみてはいかがでしょうか?
(取材:「キレイの先生」編集部 文:リラクゼーションエステ Soin 行木 亮子 先生、「キレイの先生」編集部)
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