私はフェイシャルのお客様にも、「よもぎ蒸し(漢方を蒸して、蒸気を下半身に当てる健康法)」から始められることをお勧めしています。それは、冷えが美容の大敵だからです。お肌の老化の原因にもなってしまいます。
「血流」が悪くなる
私たちの身体は、血液が酸素や栄養を運んでいます。
しかし、身体が冷えると、血流が悪くなります。
すると、身体の末端まで、酸素や栄養を運べなくなってしまいます。
内臓を守るために、血液が末端を端折って、Uターンしてしまうイメージです。
例えば、足のかかとのひび割れは、そこまで栄養や酸素が行き届いておらず、ターンオーバーがうまくいっていない表れです。
つまり、身体が冷えているということですね。
お肌まで酸素や栄養が行き届かない
頭部には、首を通じて、血液が送られています。
そして、血管が、首から「頭」と「お顔」に分かれていくとお考えください。
血流が悪くなると、私たちの身体は、頭に優先的に血液を送るようになります。
それは、頭に脳があり、脳は生命維持のために必要なためです。
すると、結果的に、お顔は後回しにされてしまいます。
お顔には、必要な酸素や栄養が行き届かなくなりますから、肌荒れも出やすくなってしまいます。
「酵素」の働きも低下する
また、身体が冷えると、「酵素」の働きも低下します。
酵素とは
酵素のことは、ご存知の方も多いでしょう。
少なくとも、目にしたり耳にしたりするのではないでしょうか。
酵素は、食べるものを分解してエネルギーにする働きがあります。
つまり、食べ物の栄養を吸収するのには、欠かせないものです。
体温が1度違うと酵素の働きは50%に
身体が冷えると、この酵素の働きも低下します。
酵素がもっとも働く体温は、36.5度とされています。
それ以下に体温が下がると、エネルギーの生産力が落ちます。
せっかく栄養のある食べ物を食べても、それが「実」になっていない状態です。
例えば、ビタミンCが豊富な食べ物を食べても、酵素の働きが十分でなければ、その栄養をしっかり吸収できません。
ちなみに、体温が1度違うと、酵素の働きは50%に落ちるといわれています。
すると、体温が35.5度では、酵素は本来の半分しか働かないことになります。
当然、食べたものから吸収できる栄養の量も少なくなります。
体温が違えば、吸収できる栄養の量にも差が出てきてしまうのです。
血流の悪化と合わせて悪循環
その上、身体の冷えは、先述の通り、血流を悪くします。
・酵素の働きの低下で、食べたものからの栄養を十分に吸収できない
↓
・その栄養を血液で全身に運ぶが、その血流も悪い
まさに悪循環です。
「ターンオーバー」の働きも悪くなる
酸素や栄養が足りなければ、身体の新陳代謝もうまく働きません。
先程の酵素ではありませんが、体温が1度下がると、基礎代謝も12%下がるといわれています。
それは、お肌も同じです。
お肌はターンオーバーが働いており、古い肌細胞がはがれ落ちて、新しいお肌に生まれて変わっています。
お肌の新陳代謝ですね。
しかし、身体が冷えていると、そのターンオーバーの働きも悪くなってしまいます。
古い肌細胞(角質)がはがれ落ちずに、残りやすくなっていますから、カサカサしたお肌になりがちです。
冷えが肌荒れの原因になる
このように、身体の冷えによって、
・血流が悪くなり
・吸収できる栄養の量も少なくなり
・ターンオーバーの働きも悪くなり
ます。
すると、お肌にも影響が表れます。
「お肌の老化」といわれるトラブルです。
乾燥・しわ
血流が悪くなると、酸素や栄養がお肌まで行き届かなくなります。
すると、お肌のバリア機能も低下しますから、紫外線のダメージも受けやすく、お肌は乾燥しがちです。
そして、お肌が乾燥すると、しわも表れやすいです。
シミ
ターンオーバーがうまく働かないと、シミも長期間、お肌に残ってしまいます。
また、バリア機能の低下で紫外線のダメージを受けやすくなっているのも、マイナスです(ご存知のように、シミのいちばんの原因は、紫外線です)。
くすみ
血流が悪くなると、くすみになります。
また、目の下のクマも出やすいです。
ちなみに、目の下のクマは、血流の悪化と、血液が汚れている表れです。
目の周りの皮膚はとても薄いですから、血液の色がうっすらと見えているのです。
老廃物が排出されていないと、血液は汚れてしまいますから、それも血流に深く関係しています。
身体を温めることはアンチエイジング
冷えは美容の大敵です。
お客様でも、お肌を見ると、身体が冷えていらっしゃるか分かります。
身体が冷えている方は、お肌にもツヤがありません。
シミやそばかすが目につき、ターンオーバーの働きの低下が見受けられます。
お肌を化粧品でケアしてあげることは、大切です。
ただ、それと同じくらい(それ以上に)、身体を温めてあげることも大切になります。
それも、アンチエイジングです。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:La Chance 堀 友賀 先生、「キレイの先生」編集部)
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