美容のスペシャリストが教えるキレイ

美容鍼とは?肌トラブルのケアには「鍼」という選択肢もある

本日のキレイの先生

小林 まき 先生

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「ヴィクトワール」では、鍼の技術のひとつで、美容に特化した「美容鍼」を行っています。鍼というと、背中いっぱいに鍼(はり)を刺すような、健康法を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。鍼で美しくなるイメージは、あまりつきにくいかもしれません。実際、まだまだメディアに取り上げられる機会も少ないです。ただ、鍼の概念・思想は、美容にも役立てることができます。

鍼を刺すことによる作用

まずは、前回の記事でご紹介しましたが、鍼を刺すことで、身体にどんな作用があるのか、復習します。

A) ツボへの刺激
東洋医学では、体内の臓器につながっている「ツボ」があると考えられています。そのツボを鍼で刺すことによって、臓器の働きを活性化させます。

B) 免疫反応
体内に異物が入ると、身体を守ろうとします。血液には免疫機能が含まれているため、鍼の刺さっている場所に血液を流そうとして、血流が良くなります。

鍼を刺すことによる身体への作用は、上記の二つ以外にもありますが、これらが主な作用といえます(鍼の作用の詳細は、「体に「鍼」を刺すのは痛そうだけど、どうして健康に良いの?」をご覧ください)。

今回、ご紹介するのは、主にお顔に働きかける技術で、B) の「免疫反応」をいかしたものが中心です。

「むくみ」や「くすみ」のケアに

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まず、鍼を打って、比較的すぐに体感いただきやすいのが、「むくみ」や「くすみ」の改善です。

免疫反応で血行促進して老廃物の排出に

むくみやくすみの原因は、お顔に老廃物がたまっていることです。

鍼を刺すことによる作用を思い出してみてください。B) の「免疫反応」で、鍼の刺さっているところに、血液が集まってこようとして、血流が良くなります。

血流が良くなれば、お顔にたまっていた老廃物も排出されやすくなります。

すると、むくやみくすみも改善され、お顔のラインもきれいになり、リフトアップ(お顔を持ち上げること)にもつながります。

「ヴィクトワール」では、最低でも15~20分間は、お顔に鍼を刺しますが、その時間だけでも施術中から、「顔色が良くなった」、「顔が小さくなった」、「目がぱっちりした」と多くのお客様に実感いただいています。

「潤い」や「ハリ」のケアに

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むくみやくすみの改善は、鍼を打ってから比較的すぐに体感いただきやすいのに対し、施術から2~3日後に体感いただけるのが、「潤い」や「ハリ」です。

真皮に傷をつけてコラーゲンの再生に

皮膚は、下記のように、3つの層から構成されており、コラーゲンが生成されているのが、「真皮」という層です。

・表皮(もっとも表面)
・真皮
・皮下組織

コラーゲンは、弾力成分として知られているように、お肌のハリのもとになっています。

鍼を刺すと、お肌は傷つきます。

B) の「免疫反応」の考え方と近いのですが、人間の身体は傷つくと、修復しようとする力が働きます。例えば、怪我したときのことを考えると分かりやすいかもしれません。

それは、お肌の中の組織も同じです。あえてお肌の中に微細な傷をつけることで、修復力が働くように促すのです。

真皮にも傷がつき、コラーゲンにもダメージが与えられると、コラーゲンの生成が促されると考えられます。

鍼を刺してから2~3日後には、お肌に潤いやハリが出て、化粧乗りが良くなることを体感いただけるかと思います。

また、お肌に潤いがあれば、しわも目立たなくなりますから、二次的な作用にも期待できます。

「ニキビ」や「しわ」の改善にも

このように、B) の「免疫反応」の作用をいかすことで、ほかの肌トラブルにも、鍼でケアを行うことができます。

ニキビ

ニキビの場合は、ニキビに鍼を直接打つわけにもいきませんから、その周囲に鍼を打っていきます。

ニキビは、毛穴が炎症を起こしている状態です。

血液には免疫機能を含んでおり、人間の身体は、傷ついた部分に血液を流そうとする働きがあります。ニキビの周りに鍼を打っておけば、そこに血液がよく流れるようになり、ニキビの改善にも期待できます。

実際、ニキビでお悩みのお客様は、「鍼を打って薄くなった」とお喜びの声をよくいただきます。

しわ

しわは、しわのラインに沿って、鍼を打っていきます(しわの中に直接、鍼を打ちます)。

しわの部分を傷つけることによって、修復力を働かせて、改善につなげます。

まとめ

意外に思えるかもしれませんが、鍼を刺すことによる「免疫反応」をいかすことによって、鍼で肌トラブルをケアすることは可能です。

「ラ・ヴィクトワール」でも、お肌で特に気になる部分や、肌トラブルが出てしまっている部分には、多めに鍼を打つようにしています。

鍼が健康だけではなく、美容にも期待できることが、感じていただけたら嬉しいです。

(取材:「キレイの先生」編集部 文:美容鍼灸サロン ヴィクトワール 小林 まき 先生、「キレイの先生」編集部)