海やキャンプ、スポーツ、今年の夏もレジャーをお楽しみになられましたか? 日焼け止めを塗っていても、浴びてしまった紫外線、心配ですよね。しばらくして日焼けにならなかったからと、胸をなでおろすのはまだ早いです。その紫外線の影響でお肌にトラブルが出てしまうのは、この秋かもしれません。
夏の紫外線が秋の肌トラブル(シミなど)に
なぜ、夏に浴びた紫外線が、秋になってお肌に影響が出てしまうのでしょうか?
それをご説明するには、紫外線を受けたとき、お肌の「どこ」にダメージを受けるのか、理解する必要があります。
表皮は層になった構造をしている
お肌は下記のように、「表皮」、「真皮」、「皮下組織」という層に分かれています。
そして、もっとも表面の「表皮」は、下記のように、さらに細かい層に分かれています。
・角質層(もっとも表面側)
・顆粒層
・有棘層
・基底層(もっとも内側)
紫外線によるメラニン生成がシミの正体
紫外線を受けると、まずお肌の表面が乾燥してしまいます。
そして、表皮のもっとも奥にある「基底層」がダメージを受け、「メラニン」を生成します。
それは、メラニンによって、紫外線が基底層よりも奥に入らないように防ごうとする、身体を守るための防御反応です。
そして、このメラニンがシミの正体です。
(編集部:メラニンの働きについては、「シミの原因を知る! 紫外線から日常のスキンケアも」も合わせてご覧ください)
ターンオーバーで秋にトラブルが表面化
私たちのお肌は、古い肌細胞(角質)がはがれ落ち、新しいお肌に生まれ変わる「ターンオーバー」が働いています。
ターンオーバーは表皮の中で行われており、基底層で新しい肌細胞が作られ、それが少しずつ層を上がっていき、最終的には角質層ではがれ落ちていきます。
先述の通り、紫外線はお肌の基底層にもダメージを与え、メラニンが生成されます。しかし、そのとき基底層にある(ダメージを受けた)肌細胞が、ターンオーバーによって表面に上がってくるのには、時間がかかります。
つまり、夏に紫外線を受けて、そのダメージが表面化するのには、時間差がある場合もあるのです。秋に表れる可能性も十分にあります。
40代のターンオーバーのサイクルは2ヶ月?
ターンオーバーの理想のサイクル(基底層から肌細胞が生まれて、角質層からはがれて落ちていくまでの期間)は、28日間といわれています。
ただ、この28日間というサイクルは、子どものときのもので、年をとるにつれサイクルは長くなります(つまり、古い肌細胞がお肌に残っている時間が長くなります)。
ご自分のターンオーバーのサイクルは、おおよそ、28日間に「年齢を加えた日数」とお考えください。
例)40歳のターンオーバーサイクル
28 + 40(歳) = 68日間
そう考えると、40代になると、ターンオーバー(お肌の生まれ変わり)には、「約2ヶ月」かかることになります。
すると、夏に紫外線を浴びたとしても、そのとき基底層に受けたダメージは、どうなるでしょうか? 下記のように、約2ヶ月後に表面に表れます。
8月 紫外線を浴びて、表皮の基底層にダメージ
10月 基底層にあったダメージがターンオーバーによって表面化
このように、8月に受けた紫外線は、10月に肌トラブルとなって表れるかもしれません。
身体の冷えでターンオーバーがさらに遅くなる
さらに、秋や冬になると、気温も冷え込んできます。その中で、足を冷やしたりすると、冷え性になって基礎体温が下がってしまいます。
体温が下がると、代謝も下がります。ターンオーバーも、お肌の新陳代謝です。代謝が下がると、ターンオーバーのサイクルも遅くなってしまいます。
加齢でターンオーバーのサイクルが遅くなっているところ、身体を冷やしてしまうと、そのサイクルはさらに遅くなります。
その分、夏の紫外線で基底層に受けたダメージは、お肌に長くとどまることになり、シミやくすみなどで表れてしまうので、注意が必要です(現在は、夏でも、冷房の影響で冷え性になる方がいらっしゃるので、身体を冷やさないようにすることは大切です)。
お肌の「外から」「中から」保湿する
紫外線でダメージを受けてしまったときは、「保湿」してケアしてあげましょう。
ただ、化粧水や美容液で保湿してあげるだけでは足りません。重要なのは、お肌の「外から」と「中から」、両方から保湿することです。
パックで「外から」、代謝を上げて「中から」
お肌の外からの保湿には、化粧水を使ったパックなどがお勧めです。
そして、お肌の中からの保湿には、代謝を上げてあげることです。代謝が上がると、体内で作られる水分の量が増えます。それが、みずみずしいお肌につながります。
例えば、子どものお肌を想像してみください。ふっくらとしていて、みずみずしいですよね。子どもは代謝が良いですから、それも、ふっくらしたお肌を作るひとつの要因です。
■ 代謝の良さがふっくらしたお肌を作るまで
・代謝が良い
↓
・体内で作られる水分の量も多い
↓
・その分、出ていく水分も多い
↓
・それがお肌を押し上げ、ふっくらとしたお肌を作る
このように、紫外線を受けてしまったときは、代謝を上げることを心がけてください。それによって、体内で作られる水分量が増え、お肌の中からも保湿することができます。
ターンオーバーの活性化
代謝を上げることは、ターンオーバーをしっかり働かせることにもつながります。
紫外線で基底層に受けたダメージは、ターンオーバーによって、早くはがし落としてあげることも大切です。代謝を上げるのは、その点でも改善が期待できます。
まとめ
お客様には、この例え話をよくさせていただくのですが、お洋服に醤油をこぼしてしまったとき、すぐに洗い落とさなければ、シミになって残ってしまいますよね。
夏に受けた紫外線も同じです。その年の内に、ケアするようにしてください。夏に紫外線を浴びてしまったら、9~11月のスキンケアがとても大切です。
(取材・文:「キレイの先生」編集部)