美容のスペシャリストが教えるキレイ

肌荒れにも?良し悪しの物差しが美肌の敵「ストレス」を生む

本日のキレイの先生

丸山 美雪 先生

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ストレスを感じると、肌荒れの原因になってしまうことがあります。もちろん健康にも良くありません。ストレスは美容にとって敵といえます(詳細は「当たり前だけど何で? 「ストレスはお肌に悪い」理由を解説」をご覧ください)。それなら、「ストレスを感じないようにすれば良い」といっても、そう簡単なものではありません。今回は、ストレスについて、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。

自分の物差しから生まれる「ストレス」

おそらく多くの方は、ストレスとは、周りの環境から「被る」ものだと考えているのではないかと思います。しかし、それは本当なのでしょうか?

例えば、同じ環境にあっても(同じ問題やトラブルが起きても)、ストレスを感じる人もいれば、特になにも感じない人もいます。ストレスに強い、弱い、といってしまえば、それまでですが、感じ方はそれぞれです。

決まったストレス解消法はない

また、ストレス解消には運動が良いとお聞きになると思いますが、中には身体を動かすことが嫌いで、運動をすることで身体に負荷がかかり、かえってストレスになる人もいるかもしれません。運動してストレスを解消できるのは、身体を動かすことが心地良いと感じる人でしょう。

他にも、リラックス法としてヨガや瞑想などもありますが、本当に強くストレスを抱えていると、ヨガや瞑想を行っても、とても心を落ち着かせるには至らないこともあるでしょう(仮にストレスを抱いているときでもヨガや瞑想でリラックスできるようになるには、訓練に相応の年月がかかるものだと思います)。

ストレスの解消法として、運動やヨガ、瞑想を否定しているわけでは、決してありません。

ただ、万人に共通のストレス解消法はないことをご理解いただきたいと思います。

ストレスとは

つまり、ストレスとは、こう言ってしまうと元も子もないかもしれませんが、その人自身によるところが大きいものなのです。

ストレスは、周りの環境から「被る」ものではありません。ご自分の「物差し」によって「生じる」ものです。

ストレスの本質は「価値観」にある

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ストレスの物差し「考え方」

ストレスを感じるということは、それに対してご自分がNGを出しているということです。

私たちの中には、「これはこういうものだ!」と、無意識の内にも「考え方」があります。その考え方を物差しにして、「これは良い」、「これは悪い」と判断しています。

そして、そこで「悪い」と判断したものに対して、私たちは往々にストレスを感じてしまいます。

考え方の物差し「価値観」

そして、その良し悪しを判断する「考え方」を導き出すのが、ご自分の「価値観」です。

価値観は、その人が生きてきた時代や文化、生活環境、経験によって作られているもので、その人にもっとも深く根ざしているものです。

例えば、性格が合わない人と話をしていて、ストレスを感じたことはありませんか? それは、その人がご自分の価値観と合わず、「これはこういうものだ!」という考え方から外れるため、ストレスを感じるのでしょう。

そして、ストレスを感じやすい人は、少し乱暴な言い方をすると、その価値観が、がんじがらめになっている人が多いように感じます。

ストレスの本質とは

このように、ストレスを掘り下げて考えていくと、「考え方」がストレスの物差しになっており、そして「価値観」が考え方の物差しになっています。

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つまり、ストレスの根っこの部分は、「価値観」にあるといえます。

ストレスを感じなくするヒント

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ストレスを感じないようにするには、そもそも、この「価値観」を変えていかなければなりません。

しかし、価値観はその人にもっとも深く根ざしているものですから、簡単に変えることはできません。

価値観を変えるためには、ご自分を冷静に観察して、客観的に把握し、現実をしっかりと受け入れることが必要です。

ただ、ご自分で自身のことを理解するのは、簡単なようで、難しいことです。第三者の視点で見て、改めて気付くことも多いでしょう。そのために、私たちのようなプロがいます。

良し悪しの物差しをなくす

ご自分の力だだけで価値観を即座に変えることは難しいですが、最後に、私が普段、お客様にアドバイスしていることをご紹介したいと思います。

先述の通り、私たちは価値観に基づいた「良い」「悪い」を物差しにして考えています。

ストレスはそこで「悪い」と判別されたときに感じるのですから、ストレスを感じないようにするには、その良し悪しをなくすことです。

お客様の中には、「それなら、悪い、だけをなくせば良いのでは?」とお聞きになられる方もいらっしゃいます。たしかに、「良い」はポジティブな感情です。しかし、「良い」があるということは、その反対の「悪い」も必ずあるということです。

そのため、「良い」も、「悪い」も、なくすことが大切です。

あまりストレスを感じない人には、鷹揚で寛容な人が多いです。それは、ご自分の良し悪しで物事をあまり測っていないこともあるのだと思います。

まとめ

ここまで、お肌と直接的には関係ありませんが、深く結びついている心について、考えてみました。

強い価値観をお持ちの方は、ストレスを感じやすいです。しかし、それが決して悪いわけではありません。ご自分を厳しく律している方で、「それで良い」という方もいらっしゃるでしょう。

どちらが、良い、悪い、ではないのです。

ただ、ストレスでお悩みの方は、ストレスの本質が価値観にあることをご理解いただき、どうすれば価値観を変えることができるのか、ご参考にしてもらえればと思います。

(取材・文:「キレイの先生」編集部)