美容のスペシャリストが教えるキレイ

当たり前だけど何で? 「ストレスはお肌に悪い」理由を解説

本日のキレイの先生

丸山 美雪 先生

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昨今、ストレスをお抱えになっている方が、多いように見受けられます。よくお聞きになると思いますが、ストレスは美容にも良くありません。時には、肌荒れになって、お肌に影響が表れてしまうこともあります。では、なぜストレスを感じると、お肌にも悪い影響が出てしまうのか、考えてみたいと思います。

ストレスでホルモンが分泌

ストレスを感じるということは、その人が「攻撃を受けている」ということと同じことです。すると、身体を守るための防御反応で、ホルモンの分泌を促します。

例えば、皆さまがご存知のホルモンでいうと、アドレナリンも、攻撃を受けたときに分泌されるホルモンの一種です。男性が喧嘩しているところを想像いただくと分かりやすいのですが、分泌されたアドレナリンの働きで筋肉が収縮し、殴り返したり、その場から逃げ出したりするパワーの元になります。

ストレスを受けたときも、同じようにアドレナリンをはじめとするホルモンが分泌されるとお考えください。

それはいわば、生き残るための「生存反射」といえます。

防御反応のホルモン分泌が悪影響を与える

そして、この防御反応で分泌されたホルモンの影響で、お肌や身体に悪い影響が出てしまいます。

ただ、ホルモンにはたくさんの種類があり、分泌されたバランスもあるため、その影響をパターン化することは難しいです。そのため、ストレスを受けたら、こんな肌トラブルが起こる、というような法則をご紹介することはできません。

「アロマ&ヒーリングサロン Neo」でも、決まった流れで施術やカウンセリングを行うのではなく、おひとりおひとりの状態をみながら、その方に適した対処をさせていただいています。

マイナス感情とプラス感情

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今回は、ストレスという切り口から考えていますが、防御反応でホルモンが分泌されるのは、なにもストレスだけではありません。

心の状態や感情は、大きくふたつに分けることができ、それが「ネガティブエネルギー」と「ポジティブエネルギー」です。

ネガティブエネルギーとは

ネガティブエネルギーとは、その名の通り、下記のような「マイナスの感情や思考」のことをいいます。当然、ストレスもここに含まれます。

■ 主なネガティブエネルギー
・怒り
・悲しみ
・ストレス
など

そして、ネガティブエネルギーを抱えると、身体が防御反応でホルモンを分泌して、お肌や身体に悪い影響が出てしまいます。

つまり、ストレスだけではなく、怒りや悲しみといったマイナスの感情も、お肌には良くないのです。

ポジティブエネルギーとは

一方で、ポジティブエネルギーとは、下記のような「プラスの感情や思考」のことをいいます。

■ 主なポジティブエネルギー
・嬉しい
・楽しい
・気持ちが良い
など

ネガティブエネルギーによってホルモンは分泌されますが、ポジティブエネルギーを抱くことによっても、ホルモンは分泌されます。

ただ、ネガティブエネルギーと違うのは、こちらのホルモンは、身体を健康に促す働きがあることです。例えば、毎日を楽しく過ごしている人は、病気知らずの人が多いです。それも、このホルモンによるところもあるのだと思います。

自律神経の乱れが肌荒れの原因に

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ネガティブエネルギーによって分泌されたホルモンは、身体のさまざまな部位に影響を与えますが、その中のひとつに「自律神経」があります。

交感神経と副交感神経

自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」という、正反対の働きがある神経があります。

それぞれの特徴をみていきましょう。

■ 交感神経
交感神経が働いているときは、「緊張モード」とお考えください。
身体を動かす日中に強く働きます。

■ 副交感神経
副交感神経が働いているときは、「リラックスモード」とお考えください。
身体を休める夜に強く働きます。

自律神経は、この交感神経と副交感神経が交互に循環しているのですが、もっとも望ましい循環は、日中は交感神経が強く(緊張し)、夜は副交感神経が強い(リラックスする)ことです。

ホルモンによって自律神経が乱れる

しかし、ネガティブエネルギーによって分泌されたホルモンは、この自律神経の働きを乱してしまいます。

本来は、夜には、交感神経から副交感神経に循環しなければならないところ、循環されずに交感神経が強いままになってしまい、緊張モードがずっと続くようになってしまいます。

■ 通常の循環
日中:交感神経(緊張モード)が強い
夜:副交感神経(リラックスモード)が強い

■ 自律神経が乱れてしまったとき
日中:交感神経(緊張モード)が強い
夜:交感神経(緊張モード)が強いまま

すると、夜も眠れなかったり、眠りが浅くて眠った気になれなかったりして、身体を休めることができず、「目が疲れた」、「肩が痛い」、「身体が重い」など、身体の不調につながってしまいます。

身体の健康なくして、きれいなお肌は作られません。身体の調子が悪いということは、お肌にも肌荒れなどが出やすくなってしまいます。

心と身体とお肌はつながっている

このように、ネガティブエネルギーによって分泌されたホルモンが、直接的に肌荒れにつながるというよりも、身体の不調も含めて連鎖的に影響を受けるとお考えください。

心も、身体も、お肌も、すべてがつながっているのです。

ストレスを感じると、お肌にも肌荒れの原因になってしまうのは、そのためです。

まとめ

ここまで読んでいただくと、「お肌も身体もきれいでいるためには、ネガティブエネルギーを抱かず、ポジティブエネルギーを抱けば良い」とお考えになるでしょう。それは、その通りかもしれませんが、そう単純なものでもありません。

ストレスを感じないようにする、と言って、感じなくすることはできますか? 毎日を楽しく過ごす、と言って、いつも楽しくいることはできますか?

私は本当に大切なのは、さらに深いところにあると考えています。ただ、それは、また別の記事でご紹介させていただきたいと思います。

(取材・文:「キレイの先生」編集部)