美容のスペシャリストが教えるキレイ

知っている? 美肌とも深い関わりがある「リンパ」のこと

本日のキレイの先生

佐々木 亜也子 先生

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aruruでは、リンパトリートメント(手技)を行っています。サロンにお越しになられるお客様は、美容の意識が高い方が多いと思いますが、中には「リンパ」についてご存じないない方もいらっしゃいます。リンパは美容に深い関わりがあるのですが、あまりご存じない方が多いのではないでしょうか? 化粧品だけではなく、リンパのことを知ることで、美容の幅も広がります。

リンパとは

リンパの詳細については、医学の範ちゅうになってしまうので、ここでは簡単にご紹介させていただきます。

リンパ管とリンパ液で「リンパ系」

血管は全身をめぐっていますね。それと同じように、「リンパ管」という管も、全身に張りめぐらされています。

そして、リンパ管の中を「リンパ液」という液体が流れています。リンパ液の90%は水分です。少し医学的に解説すると、毛細血管から出た結晶が、リンパ管にしみ出し、それがリンパ液となります。

これらのリンパ管やリンパ液を総じて、「リンパ系」といいます。ここまで出てきたリンパという言葉は、このリンパ系のこととお考えください。

リンパは「老廃物」を運ぶ

ポンプの役割をしている心臓がドクドクと鼓動を打つように、血液はとても早く全身を流れていきます。そして、酸素や栄養を全身に運んでいます。

それに対して、リンパの流れは、ゆっくりとしています。そして、運んでいるのは、体内で不要になった「老廃物(古い細胞、細胞の死がいなど)」です。

後述しますが、リンパの流れがつまって、この老廃物がたまってしまうと、お肌や体のトラブルの原因となってしまいます。

この老廃物を運ぶ働きが、リンパと美容を深く関わりづけています。

老廃物のゴミ置き場「リンパ節」

リンパと美容の関係性を考える上で、「リンパ節」についても、知っておく必要があります。

リンパ節とは、全身に張りめぐらされたリンパ管が、合流する場所です。リンパ節には、フィルターのような働きがあり、リンパ液がそこを通るとき、老廃物をろ過するようなイメージをしてください。例えれば、ゴミ置き場ですね。

リンパ節は、体内に何ヶ所かあります。

■ リンパ節がある代表的な部位
・耳の下
・脇の下
・そけい部(足の付け根)
・ひざ裏

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そして、このリンパ節が、もっとも老廃物がつまりやすい場所です。そして、リンパ節がつまってしまうと当然、リンパの流れも悪くなってしまいます。

リンパの流れが悪化すると

例えば、脇の下を押すと、コリコリとしたところが感じられませんか? それが、リンパ節です。そして、コリコリとしているということは、押したときに痛みも感じる方が多いのではないかと思います。

痛みを感じるということは、リンパ節で老廃物がつまっているということです。

リンパ節がつまると体内が汚くなる

先程、リンパ節はゴミ置き場に例えました。リンパ節がつまっているということは、収集車がゴミを取りに来てくれなくて、ゴミ置き場にどんどんゴミがたまっていく状態です。すると、ゴミの腐敗も進み、汚くなりますね。

体内でも、それと同じことが起きていると考えれば、分かりやすいかもしれません。少なくとも、体内がきれいとはいえない状態です。

リンパの流れの悪化であらゆる肌トラブルに

体内が汚くなると、お肌や体には下記のような影響が出ます。

・肌荒れ
・たるみ
・肩こり
・足のむくみ
・汗疹(あせも)

例えば、脇の下を押したときに痛みを感じる人は、肩をこっていたり、耳の下を押したときに痛みを感じる人は、お顔がむくんでいたりすることが多いです。

また、リンパは血流とも関係がありますから、リンパの流れが悪化すると、血流も悪くなる場合があります。すると、約一ヶ月間という周期で回っているターンオーバー(お肌の生まれ変わり)が、乱れてしまう原因にもつながります。

リンパの流れが悪いと、極端にいうと、お肌のあらゆるトラブルにつながる可能性もあるのです。

未来のために日々のケアをしっかり行う

リンパ節の部位を押して痛みを感じても、そのときには肌トラブルや、体にも異常が出ていないこともありますが、注意が必要です。

例えば、ファーストフードをよく食べても、そのときは体にあまり影響は出ないかもしれませんが、何年後に影響が出ることもあるでしょう。

お肌も同じです。リンパに限ったことではありませんが、毎日の積み重ねが、あるとき表に出てくることもあるのです。それは一週間後かもしれませんし、もしかすると十年後かもしれません。

だからこそ、日々のケアが大切になります。

リンパの流れを良くするためにできること

リンパの流れを良くするためには、ゴミ置き場であるリンパ節に、老廃物をためずに、しっかりと流してあげることが大切です。

何も、特別なことを行う必要はありません。毎日の生活の中で、ちょっとしたことを加えれば、ストレスなく、リンパの流れを良くしてあげることができます。

化粧水をつけるときに、耳の下を押す

普段のスキンケアで、化粧水をお顔につけたあと、耳の下あたりも軽く押してあげましょう。耳の下のリンパ節には、お顔のリンパが合流しているので、肌荒れやたるみなどの予防になります。

お風呂で体を洗うときに、脇の下を押す

お風呂で体を洗うついでに、脇の下をくるくると軽く押してあげれば、肩こりの予防になります。また、ひざの裏を軽く押してあげれば、足のむくみの予防になります。

小さな心がけで習慣化

上記であれば、普段行っていることにちょっとしたことを加えるだけですから、負担なく始められるではないでしょうか。

例えば、運動などもそうですが、本格的に始めようとすると大変です。かえって、それがストレスに感じてしまうこともあるかもしれません。そうなると、逆効果です。

簡単にできることであれば、無理なく続けられることができます。毎日続けていけば、それが生活の一部となって、習慣化します。ポイントは、生活の中の「小さな心がけ」です。

まとめ

リンパについて、少しは理解が深まったでしょうか?

化粧品でお肌に不足しているものを補給してあげることも大切ですが、体内の不要になった老廃物をしっかり流してあげることも大切なことです。小さな心がけで、ちょっとしたことを加えるだけで、リンパの流れを良くすることはできます。

皆さんも、リンパのことも少し意識して、ご自分のお肌と向き合ってみてください。