美容のスペシャリストが教えるキレイ

基本の「き」! スキンケアの正しい順番を復習する

本日のキレイの先生

島田 佳苗 先生

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スキンケアは基本的に、「クレンジング → 洗顔 → 化粧水 → 美容液 → 乳液 → クリーム」の順番で行っていきます。当然、それには、きちんと意味があります。化粧品の効果を最大限に感じるには、正しい順番で行うことが必要です。ご存知の方も多いと思いますが、それぞれの工程にどんな役割があるのか、改めて復習してみたいと思います。

スキンケアの順番の意味

詳細は後程ご紹介しますが、スキンケアのそれぞれの工程には、簡単にいうと、下記のような役割があります。

1. クレンジング → 洗顔

お肌の汚れをしっかりと落として、そのあとに水分や有効成分を与える準備を整える。

2. 化粧水 → 美容液

お肌に水分を与えて保湿したり、お肌の悩みに働きかける有効成分を与えたりする。

3. 乳液 → クリーム

お肌に油分を与えていく。2. でお肌に与えた水分と有効成分を閉じ込める「ふた」の役割をする。

水溶性のものから油分のものを入れていく

市販されている商品には、「洗顔の後、化粧水の前」につける乳液もあります。その商品に表記されている使用方法に従っていただいて問題ありませんが、基本的に、スキンケアは「水溶性のものから、油分のものを(濃度が高くなる順番で)入れていく」とお考えいただければ、お間違えありません。

では、それぞれの工程について、見ていきましょう。

1. クレンジング → 洗顔

クレンジングと洗顔の目的は、お肌の汚れを落としてきれいにすること、そして、お肌を柔らかくすることです。

よく例え話で挙げさせていただくのですが、畑を想像してみてください。固い畑に水をまいても、水が弾かれてしまいますよね。でも、一生懸命に耕して、ふかふかの土で柔らかい畑には、水はどんどん入ります。そして、ふっくらしてくるとも思います。

お肌も同じです。クレンジング・洗顔で、お肌の汚れを取り柔らかくして、そのあとの水分や有効成分が入りやすいように整えてあげます。

「クレンジング」でお肌の表面をきれいにする

メイクは油性のため、お水(お湯)で落とすことはできません。そこで、クレンジングを行って、メイクを落としてあげます。また、角質(お肌の表面の古い肌細胞)も柔らかくなるので、一緒に落ちます。お肌のざらつきを落とすようなイメージでしょうか。

つまり、お肌の「表面の汚れ」を落とすのが、クレンジングの役割といえます。

「洗顔」で毛穴まできれいにする

お肌の表面をきれいにするのが「クレンジング」に対して、「洗顔」は毛穴まできれいにする役割があります。

毛穴の中には、皮脂や汗、ほこり、排気ガスなどの汚れが詰まってしまいます。汚れを落とさなければ、吹き出物などの肌トラブルにつながることもあります。その「毛穴の汚れ」を落とすのが、洗顔の役割です。

ここでようやく、お肌がきれいになって、水分や有効成分を入れる準備が整ったといえます。

2. 化粧水 → 美容液

化粧水と美容液のそれぞれの役割について、また例え話でご紹介させてください。

人間は食事で体に必要な栄養を摂りますよね。多くは、飲料(お水など)で水分を摂り、食事(野菜やお肉、お魚など)で栄養を摂っていると思います。それをスキンケアで当てはめると、飲料が「化粧水」で、食事が「美容液」となります。下記のように表すと、分かりやすいでしょうか。

・飲料 = 水分を摂取 = 化粧水

・食事 = 栄養を摂取 = 美容液

ただ、食事と違い、スキンケアには、順番があるので、それは守るようにしてください。

「化粧水」で水分を与える

クレンジングと洗顔での例え話を覚えていますか? 畑の土が固いと、いくら水をまいても、弾かれてしまいます。お肌も同じという話でしたね。

お肌に水分がないと、お肌は固くなり、そのあとの有効成分も入りづらくなりってしまいます。

お肌に水分を与えるのが、化粧水の役割です。お肌を潤わせてあげることは、美肌の基本です。私は、スキンケアでつけるもの(クレンジングと洗顔を除いた)の中では、化粧水がもっとも大事だと考えています。

「美容液」で有効成分を与える

化粧水でしっかりと潤ったお肌に、有効成分を与えるのが、美容液の役割です。

例えば、ニキビならお肌の炎症に良い成分を、シワならアンチエイジングの成分を、といったように、肌トラブルに合わせて(目的に合わせて)、必要な成分をお選びください。

3. 乳液 → クリーム

お肌は、水分と油分のバランスで成り立っています。

乳液とクリームで、油分を与えて、水分や有効成分を閉じ込める「ふた」をしてあげましょう。油分の薄いものから始めるので、順番は最初に乳液、最後にクリーム、といった流れになります。

「乳液」で細胞間脂質をサポート

お肌の細胞と細胞の間には、「細胞間脂質」というものがあります。レンガを想像してほしいのですが、レンガを積み上げるのに、セメントを使って固めていきますよね。細胞間脂質は、そのセメントと同じようなものです。細胞と細胞の隙間を埋めて、つなぎ止めています。

細胞間脂質は「脂質」という名の通り、油分です。乳液はその細胞間脂質を補う役割があります。

「クリーム」でふたをする

クリームは、スキンケアの最後に、お肌の水分が蒸発してしまわないように「ふた」をする役割があります。

特に、目元は皮膚が薄く、水分も油分もなくなりやすい部分です。厚めに塗ってあげたりするのも良いと思います。

まとめ

このように、スキンケアのそれぞれの工程には、きちんと意味があって、順番が決まっています。お使いの商品によって順番を変えたり、油性肌の方はクリームを使わずに終えたり、応用していくこともできますが、まずは「正しいスキンケアの順番」を抑えてからにしましょう。