美容のスペシャリストが教えるキレイ

腸が弱まっていると肌荒れの原因になると知っていますか?

本日のキレイの先生

清水 絵美 先生

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腸が弱っていると、体にどんな影響が出るでしょうか? 便秘を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。ただ実は、便秘だけではなく、肌荒れになってしまう場合もあります。昔から、腸のきれいなひとは、お肌がきれい、といわれています。腸とお肌は深い関わりがあるのです。みなさんも、腸の働きをご理解した上で、腸がお肌にどう関係しているのか、知っていただければと思います。

腸とはどんな働きをしているのか?

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腸には、大きく分けて「小腸」と「大腸」があります。管がぐるぐると折り重ねるようにして、お腹の部分に収まっています。胃から小腸、大腸とつながっていて、食べたものはここを通り、最終的には排便として排出されます。

そして、腸には、毛細血管の膜がびっしりと張りつめられています。この毛細血管は全身の隅々まで巡っています。それが、お肌の状態とも関係しています。

腸で栄養を吸収し全身に送る

腸は、胃から送られた食べ物から、体に必要なものを吸収し、不要なものを排出します。小腸と大腸では、吸収するものが異なります。

・小腸:「栄養」を吸収する

・大腸:「水分」を吸収する

例えば、腸を通る時間が短いと、大腸で水分がしっかりと吸収されないため、ゆるい排便となります。逆に、コロコロとした便のときは、腸を通る時間が長く、大腸で水分を吸収しすぎている状態です。どちらも腸の働きは、健全といえません。

そして、腸で吸収された栄養や水分は、張り巡らされた毛細血管を通じて、全身に送られます。お肌に必要な栄養も、この毛細血管から届けられています。

では、腸の働きが弱まると、どのようにお肌に影響が出るのか、みていきましょう。

有害物質(毒素)で肌荒れの原因に

腸が弱まると、体に不要なもの(老廃物)を排出できなくなり、腸の中にたまってしまいます。便秘の状態ですね。すると、老廃物が腐敗してきて、悪玉菌といわれるものが増加します。悪玉菌は有害物質(毒素)が発生する原因となります。

そこで発生した毒素は、排便で体の外に排出されず、毛細血管を通じて、全身に巡ってしまいます。そして、体臭としてお肌から出るなど、体にさまざまな影響を与えます。もちろんお肌にも良くなく、肌荒れの原因にもなります。

■ 毒素が原因となる肌荒れの例
・ツヤやハリがなくなる
・吹き出物
・シミ、しわ

血流が悪くなってクマやむくみの原因に

また、腸の働きが弱まることで、血流が悪くなります。すると、お肌に必要な栄養を十分に届けられなくなってしまい、クマやむくみの原因になってしまいます。

では、なぜ腸が弱まると血流が悪くなるのでしょうか? ポイントは、腸には、全身に栄養を送り届けるための毛細血管が、張りつめられていることです。

  1. 腸が働かないため、あまり熱を発しなくなる。
  2. 腸に張りつめられた毛細血管も冷え込む。
  3. 血液の流れ(血流)が悪くなる。

私も多くのお客様と接していて、冷え性には、腸が固くなって弱まっているひとが多いです。また、腸マッサージで、腸の働きを活性化させてあげると、全身が温かくなります。それは、全身を巡っている毛細血管が、腸とつながっているからです。

まとめ

このように、一見するとお肌と腸はなにも関係がないようですが、深いつながりがあります。美肌のためには、腸の働きはとても大切です。

これからは、スキンケアのひとつとして、腸にも注意してみてください。

[補足]腸が弱まると体にも心にも影響がある

腸は全身に栄養を送り届ける働きがあるため、腸の働きが弱まることで影響が出るのは、お肌だけではありません。お肌以外では、どんな影響が出やすいか、その一例を簡単にご紹介します。

太りやすくなる

腸が弱まると、血流が悪くなります。すると、体内に栄養を送り届けたり、体内で不要なものをもどしたりする働きが、鈍くなります。代謝が下がるということです。その結果、太りやすい体質になってしまいます。

また、脂肪は冷たいところにつきやすい性質を持っています。腸が弱まり冷えていると、お腹周りに脂肪がつきやすくなってしまいます。お腹周りが気になる方は、腸が冷えていることが、原因のひとつかもしれません。

気持ちが沈んでしまう

心の安らぎに関与するとされている、セロトニンという体内物質があります。その働きから「幸せホルモン」とも呼ばれています。このセロトニンは、小腸で90%が作られています。

小腸はストレスの影響を受けやすい臓器です。ストレスを受け、小腸の働きが弱まると、セロトニンも作られづらくなります。すると、気持ちも沈み気味になります。うつ病の方のお腹を触ると、腸が固くなって、働きが弱まっていることが多いです。