「キレイの先生」編集部です。
今回は、Well+(ウエルプラス)表参道 ナチュラル美肌鍼灸 の鍼灸師の細井 敦子 先生に取材させていただきました。
細井 先生は、美容鍼灸(鍼灸)の先生で、鍼やお灸を行っていらっしゃいます。
今回のテーマは、「自宅でのセルフお灸」です。
お灸はセルフで行うにはハードルの高いイメージがあるかもしれませんが、自宅でも簡単に行えるといいます。
セルフで安全にお灸を行えるアイテムも市販されています。
細井 先生に、セルフお灸のやり方を教えていただきました。
目次
お灸の効果
・お灸とは
・効果
セルフでお灸をするには
・火を使わないお灸「太陽」
セルフお灸でおすすめのツボ
・合谷
・三陰交
・次りょう
本日のキレイの先生
Well+(ウエルプラス)表参道 ナチュラル美肌鍼灸
細井 敦子 先生
「キレイの先生」編集部
お灸の効果
お灸とは
細井 先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「自宅でのセルフお灸」です。
まずは、お灸とは何か、ということから教えていただけますか?
お灸は、もぐさの葉っぱの裏にある柔毛(じゅうもう)を取って乾燥させたものを、(身体に乗せて)燃やす療法のことをいいます。
お灸は中国で生まれ、中国の2,200年以上前の書物には、お灸のことが記されていて、その頃から健康管理に役立つ療法として用いられていたようです。
日本には、奈良時代に(中国から)伝わってきたといわれています。
お灸は、健康目的で用いられてきた療法なのですね。
はい、後は、イボ取りや外科的治療にも用いられたという話も残っています。
それから、『奥の細道』の松尾 芭蕉は、足の「三里(さんり)」というツボにお灸をすえ、胃の健康を維持して旅を回ったというのは、有名な話です。
松尾 芭蕉も、お灸を愛用していたのですね。
お灸は、どんな場所に置くのですか?
ちなみに、お灸は「すえる」と言います(笑)。
失礼しました(笑)。
では、質問し直させていただきます。お灸はどんな場所にすえるのですか?
ひと言でいうと、(お灸をすえるのは)「ツボ」です。
ツボといっても、各所にありますので、例えば、押して痛いところ、凹んでいるところ、冷たいところ、しこりのあるところとお考えください。
効果
お灸は、(柔毛を乾燥させた)もぐさを燃やす療法とのことでしたが、それによって、どんな効果が期待できるのでしょうか?
まずは、西洋医学的なところでいうと、(お灸をすえることで)白血球が増えて、身体の免疫力や自然治癒力が上がります。
以前、「鍼」について取材したとき、鍼で皮膚に微細な傷を付けると、傷を修復するために、血液がその場所に白血球を集めるという話をお聞きしました。
お灸も、鍼と同じようなイメージで、白血球が増えるということですか?
はい、そうです。
それから、(お灸は)筋肉の疲れを取ったり、温めて血行を良くしたりする効果もあります。
血流が滞っていると、(血液が全身の細胞に栄養を運んでいるため)栄養が身体に行き渡りません。
血のめぐりを良くすることで、色々な症状をやわらげることにもつながります。
後は、(お灸は)胃腸の働きを活発にします。
それは、(お灸をツボにすえて)ツボを刺激することによる効果ですか?
それもありますが、身体が温かい方が胃腸の働きも良くなるので、(お灸で)全身がポカポカと温まると(胃腸も)活発になるといわれています。
お灸は、具体的には、どんな症状に良いですか?
温める効果が高いので冷え性にも良いですし、筋肉を温めてゆるめるので肩こりなどにも良いです。
後は、リンパの流れを良くすることにもつながるので、むくみなどの改善にもなりますし、コツコツとお灸を続けることで生理痛の改善も期待できます。
(お灸は)美容面での効果はありますか?
血のめぐりが良くなるので、血色が良くなって、ツヤツヤのお肌にもなりますよ。
顔の細胞にも血液から栄養が運ばれているので、(お灸で)血流が良くなって、美肌効果も高そうです。
はい、そうですね。
セルフでお灸をするには
お灸は、自宅でやるには、少しハードルの高いイメージがあります。
火を使うのも怖いですし…。
鍼灸師が、手でひねったもぐさを(身体に)置いて、直接火をつけるやり方を「直接灸(ちょくせつきゅう)」といいます。
それに対して、(直接灸と同じように)もぐさに火をつけることは変わりませんが、一般の方向けには、「台座灸(だいざきゅう)」というものがあります。
台座灸について
台座灸は、下のように、台座の上にもぐさが乗っているお灸で、ドラッグストアなどでも販売されています。「せんねん灸」が代表的です。
せんねん灸について
直接灸は、熱さでチクッとするよう温熱刺激がありますが、台座灸は、それと比べると温熱感がソフトで、最初はほんのりと温かく次第にチリチリとした温かくなって、熱さを感じるようになったら外します。
火を使わないお灸「太陽」
それから、(セルフお灸で)おすすめしたいのが、火を使わないお灸「太陽」です。
「太陽」も、せんねん灸の製品ですよね。
はい、「太陽」はシールを剥がして貼るだけで使うことができ、温熱効果が3時間くらい続きます。
(お灸で)火を使うことに抵抗感があったり怖いイメージがあったりする方には、こちらをおすすめしたいです。
(「太陽」の)温熱感は、とてもソフトで、ホッカイロのようなイメージが近いかもしれません。
火を使わないお灸でも、お灸と同じような効果は得られるのですか?
はい、(「太陽」は)もぐさのシートが中に挟まっていますので、もぐさの効果も感じられますよ。
セルフお灸でおすすめのツボ
セルフお灸をするときに、おすすめのツボはありますか?
まずおすすめなのが、「合谷(ごうこく)」と「三陰交(さんいんこう)」のツボです。
合谷
「合谷」は、手の甲で、親指と人差し指の骨がぶつかった手前の少しへこんだところにあるツボで、「万能ツボ」とも呼ばれています。
(合谷は)頭痛や肩こりによく効き、頭周りのお悩みにおすすめです。
それから、合谷は大腸経につながっていて、顔の吹き出物は腸から来ている場合も多いので、吹き出物にも効果が期待できます。
他には、急な歯痛などにも良いのですが、(合谷は)万能ツボですので、「ちょっと困ったな…」というときは、そこを刺激してあげると良いですよ。
合谷について
合谷には、「太陽」は(シールの直径が大きいので)少し貼りにくいかもしれませんね。
それに、合谷に「太陽」を貼るのは、ちょっと目立ってしまいますね。
例えば、(合谷にお灸をすえるときは)台座灸で、熱く感じてきたら外すような感じでも良いかもしれません。
手ですので、(台座灸で火を使うとしても)安心感があるのではないでしょうか。
三陰交
三陰交は、足首の内側のいちばん尖ったところから上に、(人差し指から薬指の)指4本分の少しへこんだところにあり、押すと気持ちの良い場所です。
三陰交は、女性ホルモンを整える効果があるといわれ、生理不順や貧血など、女性特有の悩みにおすすめです。
次りょう
「太陽」を貼るのにおすすめなのが、腰のところの「次りょう(じりょう)」というツボです。
次りょうは、腰に仙骨(せんこつ)というボコッと出ている骨があるのですが、その上あたりにあります。
次りょうは、腰痛に良い他、(その場所には)足までつながっている血管が通っているので、そこを(お灸で)温めることで、温まった血液が足の方まで回って、足の冷えの改善にもなります。
生理痛で「腰が痛い」というときにも良いので、女性の方には特におすすめのツボです。
次りょうは、「太陽」を貼ったままでも、お洋服でみえないので、そのまま仕事することもできますね。
触って痛いところ
後は、肩でも腰でも良いですが、身体を触ったり押したりして痛いところや、ふくらんでいるところは、ツボという場合が多いです。
そこに、「太陽」をペタッと貼るような使い方でも良いと思いますよ。
ツボの位置をひとつひとつ覚えるよりも、(押して)痛みを感じる場所に「太陽」を貼る方が、セルフケアとしては手軽かもしれませんね。
火を使わないお灸でしたら、貼った場所がツボではなくても、効果を得られそうです。
はい、(温めることで)筋肉もやわらかくなりますしね。
まとめ
お灸は自宅でやるにはハードルの高いように思われるかもしれませんが、台座灸などを使えば、手軽にセルフで行うことができます。
細井 先生のおすすめされていた、火を使わないお灸「太陽」でしたら、安心感もあります。
私も、今回の取材で先生から「太陽」をプレゼントいただき(先生、本当にありがとうございます!)、早速オフィスで、腰の「次りょう」のツボに貼ってみました。
「太陽」は、ホッカイロのような優しい温かさで、「熱い!」という感じはまったくなく、むしろ心地良いです。
仕事柄、座っていることも多く腰痛や足の冷えが悩みどころだったのですが、とても楽になりました(個人的には、特に足の冷えにかなり効きました)。
お灸は、自宅のセルフケアにもおすすめの療法ですよ。