今回のテーマは、「ひまし油」です。
Satya Ayurveda(サティヤ・アーユルヴェーダ) の小澤 一美 先生にインタビューさせていただきました。
ひまし油は、粘性があって保湿力に優れていて、デトックス作用が高いのも特徴です。
そのためスキンケアでの保湿ケアにも優秀ですし、エイジングケアなどにも向いているといいます。
そんなひまし油の効果・効能や使い方について、小澤先生に話をお聞きしました。
目次
ひまし油の効果・効能
・ひまし油はデトックス作用が高いのが特徴
・保湿力が高いのに加えて毛穴や美白ケアにも
・ひまし油は美髪にもおすすめ
ひまし油の使い方
・お風呂場でひまし油のオイルパックを行う
・美容液代わりにもなりスキンケアにも使用できるなど
・アーユルヴェーダでは薬として用いられることもある
ひまし油とは
小澤先生、よろしくお願いします、今回のテーマは「ひまし油」です。
ひまし油は、何から抽出されるオイルなんですか?
ひまし油は、トウゴマという植物の丸い種子から抽出されるオイルです。
トウゴマの種子には、80%くらいオイルが含まされています。
基本的には、その種子をコールドプレス(低温圧搾)で粉砕して熱を加えずにそのまま搾(しぼ)って抽出されます。
ちなみにトウゴマの種子には、「リシン」という毒物が含まれています。
え、そうなんですか!? そうすると、ひまし油は毒性があるんですか…?
いえ、そういうわけではありませんよ(笑)。
オイルを圧搾したときは、毒は搾りかすのほうに残りますので、オイルには毒性は含まれません。
それをお聞きして安心しました(笑)。
ひまし油は、どんなテクスチャーのオイルなんですか?
ひまし油は、粘性の高いオイルです。
ただ透過性も高いので、お肌に付けるとスッとなじんでいくのを感じられると思います。
キャリアオイル(植物オイル)は、酸化に気を付ける必要があります。
ひまし油は、酸化の早いオイルですか? それとも酸化しづらいオイルですか?
ひまし油は、キャリアオイルの中では酸化が早いオイルといえます。
その点は、使用するときや保管するときに気を付けていただきたいです。
ちなみにひまし油は、どこが主な産地なんですか?
トウゴマの原産地はアフリカですが、いまは世界中でも採れて、日本でも庭に生えていたりもします。
そうなんですね、ひまし油が抽出されるトウゴマは、意外と身近なところにあるんですね(笑)。
ひまし油とは
・植物:トウゴマ
・抽出部位:種子
・抽出方法:圧搾法
・テクスチャー:粘度が高い
・酸化:酸化が早い
ひまし油の効果・効能
ひまし油はデトックス作用が高いのが特徴
ひまし油には、どんな栄養が含まれているんですか?
ひまし油の主な成分は、不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)の「リシノール酸」で、90%弱含まれています。
リシノール酸は、どんな効果・効能があるんですか?
リシノール酸はまず、保湿作用がとても高いです。
それに、抗炎症作用や抗菌作用などもあります。
それからリシノール酸は、免疫力を高めてくれる作用も期待できます。
それによって、デトックス(体内の老廃物を排出する作用)の促進にもつながります。
そうすると、ひまし油は身体に良さそうです(笑)。
はい(笑)、ひまし油は、デトックス作用がとても高いのが特徴のひとつです。
ですので昔から、アトピーや傷の修復などに使われてきたりしました。
ひまし油は塗り薬みたいですね(笑)。
そういった使われ方はしてきましたが、ひまし油が薬に分類されるわけではありませんよ(笑)。
ただ世界的にも、ひまし油が薬として用いられてきた歴史はあります。
保湿力が高いのに加えて毛穴や美白ケアにも
ひまし油は、顔のお手入れにも使えるんですよね?
はい、もちろん大丈夫です。
それは、どんな効果・効能を期待できますか?
ひまし油は保湿力がとても高いですので、お肌をしっとりとうるおしてくれて、乾燥から来るシワのケアなどにもいいです。
それで先程もお話しましたが、ひまし油は、粘性が高いですが透過性もあるため、お肌になじませたとき毛穴を詰まらせることはほとんどありません。
ですので、例えばひまし油で毛穴のオイルマッサージなどを行ってあげて、毛穴をきれいにするのにも向いています。
それからひまし油は、デトックス作用が高いですのでシミのケアなどにもいいです。
後は、日焼け後のケアにもお使いいただけます。
ひまし油のデトックス作用で、色素沈着(色素が沈着することで起こる黒ずみ)を薄くしてくれるような効果も期待できます。
ひまし油の効果・効能
【顔への効果】
・保湿力が高くて乾燥ジワのケアにもいい
・毛穴ケアにも向いている
・シミや日焼け跡の色素沈着のケアにも使用できる
など
ひまし油は美髪にもおすすめ
ひまし油は、髪にも使えるんですか?
はい、ヘアケアにもお使いいただけますよ。
先程、ひまし油はお顔の毛穴をきれいにするのにも向いているとお話しました。
それと同じように、ひまし油で頭皮のマッサージを行うことで、頭皮の毛穴をきれいにすることもできます。
そうして頭皮のオイルマッサージを行うことで、若白髪のケアにもつながりますね。
後は、ひまし油は枝毛の修復作用もあります。
ひまし油の効果・効能
【髪への効果】
・頭皮マッサージで毛穴をきれいにして若白髪のケアにも
・枝毛の修復にも役立つ
など
ひまし油の使い方
お風呂場でひまし油のオイルパックを行う
ひまし油は、ホームケアではどんな使い方ができますか?
おすすめなのが、ひまし油でお顔のオイルパックを行うことです。
実際サロンでも、ひまし油の保湿効果をいかして、パックに使用しています。
オイルパックはまず、お風呂に入る前に、ひまし油を10円玉くらい手に取って、お顔全体になじませます。
ひまし油は、唇の乾燥や荒れにもいいので、唇まで一緒に塗ってあげましょう。
それから、そのままお風呂に入って身体を温めながら、ひまし油をお肌に浸透させていきます。
そうして5~10分くらいお顔にひまし油を置いておき、最後にオイルを洗い流します。
ちなみに、当サロンはアーユルヴェーダ(インドの伝統医学)のサロンなのですが、そのアーユルヴェーダの知恵をオイルパックにいかすこともできます。
例えば、ひまし油にターメリック(ウコン)の粉末を一緒に混ぜ込んでお顔のパックを行うことで、美白効果がアップします。
また、ひまし油でオイルパックを行っているところに、ひよこ豆を水でペース状にしたものをなじませるケアもできます。
それによって、お顔の必要な油分は残しつつ不必要な油分を取ることができて、お肌がプルプルになりますよ。
食材をそんな使い方ができるんですね(笑)。
はい(笑)、アーユルヴェーダのケアでは、口に入れても大丈夫なものしか使いませんので、そういった方法もあります。
ひまし油の使い方
【顔のオイルパックの方法】
1. お風呂に入る前に、10円玉くらいのひまし油を顔全体になじませる
2. そのままお風呂に入って身体を温めてひまし油を肌に浸透させる
3. そのまま5~10分くらい置いておく
4. 最後にひまし油を洗い流す
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美容液代わりにもなりスキンケアにも使用できるなど
ひまし油は、他にどんな使い方ができますか?
ひまし油を美容液やクリーム代わりに、お顔に1~2滴を塗るだけでもいいですよ。
それからひまし油は、クレンジングにもお使いいただけます。
ひまし油は粘性があって毛穴までなじむので、クレンジングでの洗浄効果もあります。
ですので極端なことをいうと、お顔のお手入れをひまし油だけで済ませることもできます。
まずはひまし油でクレンジングを行い、お顔の汚れを落とします。
その後にひまし油でオイルパックを行って、最後にまたひまし油を1~2滴お顔になじませます。
かなり極端ですが、そうやってひまし油を重ねて使うだけで、ひと通りのお顔のお手入れができてしまいます(笑)。
すごい、ひまし油だけのまさにシンプルスキンケアですね(笑)。
後は、ひまし油はヘアケアなどにも使えるんですよね?
はい、もちろん大丈夫ですよ。
例えばシャンプー前に、ひまし油で頭皮のオイルマッサージを行うのもいいですね。
後は、ひまし油は、手荒れしたときのケアにもいいですよ。
そのときは、ひまし油を手になじませた後、上から手袋をしてあげるのもおすすめです。
夜、そのまま寝てもいいですね。
それによって、傷の修復にもつながりますよ。
ちなみに、ひまし油を使うときの注意点はありますか?
先程もお話しましたが、ひまし油は酸化が早いです。
ですので、例えばお顔のオイルパックを行うときでも、お肌の上にずっと乗せておくことは控えていただきたいです。
ひまし油で頭皮マッサージを行ったときも、最後はきちんと落とすようにしましょう。
それにひまし油は粘性がありますので、そのときは、シャンプーで落としてあげるといいですよ。
ひまし油の使い方
・美容オイルとして顔に1~2滴を塗る
・クレンジングを行う
・シャンプー前に頭皮のオイルマッサージを行う
・手荒れのケアにもおすすめ
など
アーユルヴェーダでは薬として用いられることもある
先生のサロンは、アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)のサロンです。
ひまし油は、アーユルヴェーダでも使われているんですか?
はい、使いますよ。
それは、トリートメント(マッサージ)オイルとして使われているんでしょうか?
いえ、ひまし油は、粘性の強いオイルで全身に塗っていくには重いので、トリートメントにはあまり向いていません。
それよりも、ひまし油はアーユルヴェーダの現地では、ひまし油の抗炎症作用や抗菌作用をいかして傷の修復に使われたりしています。
アーユルヴェーダでは、ひまし油は薬のような使われ方がしているんですね…。
そうですね、例えばひまし油を湿布として患部に貼るようなこともありますし、便秘のケアにお腹に塗ったりすることもあります。
後は、ひまし油はデトックス作用があるので、飲まれることもありますね。
え、ひまし油を飲むんですか(笑)!?
はい(笑)、ただそれはアーユルヴェーダに限ったことではありませんよ。
例えばヨーロッパでも、下剤(げざい)の薬にひまし油が入っていたりします。
すごい、ひまし油は世界的には薬としても使われているんですね(笑)。
ちなみに先生のサロンでは、ひまし油を何にお使いになっているんですか?
先程お顔のオイルパックの方法をご紹介させていただきましたが、サロンでも、ひまし油の保湿効果をいかしてフェイシャルのパックに使用したりしています。
後は、例えば身体に傷のあるお客様には、全身のトリートメントに入る前に、その場所にひまし油を塗るようなこともあります。
アーユルヴェーダでは基本的に、身体の上でオイルを混ぜることはしません。
ただひまし油だけでは例外で、身体の上で他のオイルと混ぜてもいいといわれています。
ですので、そうした部分部分にひまし油を塗ってから、全身のオイルトリートメントに入っていく場合もあります。
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ひまし油好きにおすすめの化粧品
「キレイの先生」編集部です、ここまでが小澤先生の取材記事です(先生、ありがとうございました!)。
ここからは、ひまし油にご興味のある方におすすめの化粧品をご紹介します。
ヴァーチェ マルラオイル
南アフリカで「神の木」とも呼ばれるマルラの木の実から採れる希少なエイジングケアオイルです。マルラの木が乾燥の厳しい環境で育つだけに高保湿で、アルガンオイルの約3.6倍の抗酸化力を備え、「ビタミンC・E」や「オメガ6・9」などの年齢肌に大切な成分を豊富に含んでいます。オイルとは思えないサラサラした質感が特徴で、肌にすっと浸透して油浮きの不快感もなく、オイル独特の匂いもほとんどありません。
●内容量:18mL
●通常価格:税別3,680円
美容家の感想
オイル苦手女子にもすすめられるサラサラ感!保湿力も高くて肌がふっくら!
オイルだけどサラサラで浸透がいいから肌にスッとなじんで、オイルのべたつきな苦手な方にもすすめられる使いやすさです。それでいて、オイルならではの保湿感は高くて、夜のお手入れの仕上げに使うと翌朝までうるおいが保てましたし、肌に弾力が出てふっくらして乾燥小じわも改善されました!
* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
キレイの先生 ブースターミルク
うるおいが肌奥までギュッ!美容家も驚いた洗顔後すぐのミルク!
この『キレイの先生』に登場した美容のスペシャリストの先生方と開発した、洗顔後の最初のミルクです。
みずみずしいミルクがうるおいを肌の奥までギュッと引き込み、肌の水分保持成分の「セラミド」と「天然保湿因子」がそのうるおいを抱き込み、乾燥肌や年齢肌にはもちろん、肌がふっくら引き締まり毛穴ケアにもおすすめです。
●内容量:30mL
●通常価格:税別2,980円
開発協力者の声
みずみずしいミルクがうるおいを肌奥までギュッと引っ張りフワフワ肌の毛穴レスに!
まずは、ミルクのイメージを裏切るようなみずみずしさにびっくりしました。まるで乾いたスポンジに水分がギューッと入っていくみたいに、うるおいが肌の奥にギュッと引っ張られて、肌がフワフワにやわらかくなりました(笑)。それに、肌に透明感も出て、毛穴もキュッと引き締まって目立ちにくくなりました!
* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
まとめ
ひまし油は、粘性が高く保湿力に優れています。
そして世界的には薬に用いられているほど、デトックス効果も高いです。
ひまし油の使い方としては、普段のスキンケアやヘアケアに取り入れるのもひとつですが、小澤先生がご紹介されたように、保湿効果をいかして顔のオイルパックを行うのもおすすめですよ。
* 2018年2月15日に公開した『ひまし油の効果効能は?顔にも使える?セラピストの教える使い方』を再編集しました。