「キレイの先生」編集部です。
上の写真は、当たり前ですが、人を踏みつぶしているわけではありませんよ。
マッサージは手で行うものとお思いになっていませんか?
私も、「フーレセラピー」という技術を知るまで、そう思っていました。
フーレセラピーは、簡単にいうと、足の裏でマッサージすることをいいます。
でも、どうして、足の裏でマッサージするのでしょうか?
今回のテーマは、そんな「フーレセラピー」についてです。
フーレセラピーサロン fossette の市川 さちえ 先生に、取材させていただきました。
市川 先生のサロンは、フーレセラピーサロンです。
フーレセラピーとは、何なのでしょうか?
そして、どのような効果が期待できるのでしょうか?
市川 先生に教えていただきました。
市川 先生の記事
目次
本日のキレイの先生
フーレセラピーサロン fossette
市川 さちえ 先生
「キレイの先生」編集部
フーレセラピーとは
市川 先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「フーレセラピー」です。
フーレセラピーは、トリートメント(マッサージ)の技術のひとつだと思います。
どんな技術なのでしょうか?
寝そべった状態のお身体を、足の裏でリズミカルに踏んだりなでたりして、短時間で効率よく筋肉のコリをほぐし、血行を良くする技術です。
取材前に、先生のブログで、フーレセラピーの写真を拝見させていただきました。
横になったお客様を足裏で施術しているところは、表現が適切か分かりませんが、インパクトがありました。
フーレセラピーは、どこで生まれた技術なのですか?
フーレセラピーは、日本で生まれた技術です。
1994年に誕生し、23年の歴史があります。
開発者の先生は、色々な施術を研究し、西洋と東洋の理論を融合させて、「フーレセラピー」というオリジナルの技術が作られたといいます。
「西洋と東洋の理論の融合」とは、どういうことですか?
「サイエンス(科学)」は西洋的、「メンタル(精神)」は東洋的と解釈することができると思います。
つまり、フーレセラピーは「科学的な側面と、精神的な側面の両方からアプローチできる」ということですか?
はい、そうですね。
また、東洋的な「ツボ」、西洋的な「リフレクソロジー」の考え方も取り入れられ、それを足裏で行います。
「ツボ」と「リフレクソロジー」
「ツボ」は、東洋医学の考え方です。
詳しくは、下の記事をご覧いただきたいのですが、人の身体には「気(き)・血(けつ)・水(すい)」という3つのエネルギーが流れていて、その通り道を「経絡(けいらく)」といいます。その経絡が表面に表れているポイントが、「ツボ」です。ツボを刺激することで、そこにつながっている器官や臓器にアプローチすることができます。
「リフレクソロジー」は、西洋的な考え方です。考え方は「ツボ」と近く、身体には、全身の器官や臓器とつながっている「反射区(はんしゃく)」があるとされています。例えば、足裏などには、下の写真のように、全身の反射区が集まっていると考えられています。
ツボと同じように、反射区を刺激することで、そこにつながっている器官や臓器にアプローチすることができます。リフレクソロジーについては、下の記事で紹介しています。
フーレセラピーは、どのように行うのですか?
足裏で踏んでマッサージするのでしょうか?
足裏は、使う場所がいくつかあります。
例えば、「母指球(ぼしきゅう・親指の付け根にあるふくらみ)」は、トントンと叩いたり、ゴリゴリと押し流したりするのに使います。
母指球は、「面」というほど広くありませんが、「指」ほどピンポイントではありません。
例えると、お相撲さんの太い指のような感じでしょうか。
お客様の足裏の老廃物を流すときや、肩甲骨(けんこうこつ・背中から肩にかけてある三角形の骨)のきわをグリグリとほぐすときなどに使います。
「土踏まず(足裏のくぼんだところ)」は、腕や足をトリートメントするときに、ぴったりと密着するようにくっつけて、滑らせるようにして血液やリンパの流れを促します。
リンパとは
リンパは、血管と同じように全身を張り巡らされている器官で、体内の老廃物を回収して排出する役割があります。
「指」は、お客様の足の指を丁寧に刺激するときや、ピンポイントでほぐしたいところに使います。
他にも、プッシュしたり表面だけをなでるようにしたり、お身体を左右に大きく揺らす技術もあります。
フーレセラピーは、ただ踏むだけではなく、細かい技術がたくさんあるのですね…。
フーレセラピーは、どんな場所に行うことができるのですか?
全身です。頭の先から、足先まで行うことができます。
ただ、胸やお腹は上からは踏みません。横になっていただき、側面を流します。
顔も、横から圧をかけますね。
ちなみに顔は、施術をしているとお客様がいちばん寝てしまうところなのですよ。
そうなのですか? とても気持ちが良いのですね。
ちなみに、フーレセラピーは、素人でもできるものなのですか?
いいえ、フーレセラピーを行うには、資格が必要です。
協会で座学と実技のテストを行い、試験に合格して、初めて「フーレセラピー」と名乗ることができます。
フーレセラピーの効果
トリートメント(マッサージ)は、手で行うのが一般的だと思います。
フーレセラピーは、それを足裏で行います。
手で行うのと、何が違うのでしょうか?
フーレセラピーは、手でトリートメントするよりも、短時間で広範囲をほぐすことができ、効率が良いです。
例えば、指で圧をかけるよりも、「面」で流すことができます。
たしかに、指は「ポイント」で押すようなイメージがあります。
それに対して、足裏は面積が広いです。
面で踏むことによって、筋肉をまんべんなくほぐすことができ、全体の血流を良くする効果が高いです。
それによって、素早く体温が上がり、免疫力のアップなどにもつながります。
また、ピンポイントで刺激するよりも、もみ返し(マッサージをした後に痛みが出ること)が少ないです。
サロンのお客様には、フーレセラピーが癖になって、リピートいただく方が多いです。
お客様も、効果を実感されていらっしゃるのですね。
はい!
足裏のやさしい圧の感覚は、あまり想像できないと思いますが、とても気持ち良いですよ。
そうですね、想像できません。
フーレセラピーは、何ともいえない不思議なほぐされ感があって、初めての方は「いま、足裏でやっているの?」とお聞きになられます。
それは、興味があります。私も、体験してみたいです。
フーレセラピーは、具体的に、どのような効果が期待できるのでしょうか?
短時間でむくみを解消できることが多いです。
サロンでは、足のふくらはぎの太さを施術前後で計るようにしているのですが、1回で平均8mmは細くなります。中には、12mmくらい細くなる人もいます。
老廃物を流すのを、促すことができるのですね。
どうしてむくみが解消できる?
体内の老廃物は、血液やリンパを通じて排出されています。そのため、血液(やリンパ)の流れが滞ると、老廃物がたまってしまい、むくみにつながります。フーレセラピーは、血行促進の効果が高いとのことでしたので、それによって老廃物を流すことができ、むくみの解消につながります。
また、フーレセラピーで、普段使えていない筋肉に気付くこともできます。
頭や顔のフーレは、噛みしめや食いしばりから来る顎関節症(がくかんせつしょう・顎の関節や筋肉の疾患)の方にも人気です。
それは、顔の筋肉をほぐせるからですか?
はい、そうです。
耳の手前や、こめかみがほぐれると、気持ち良いですよ。
フーレセラピーで小顔効果も?
咀嚼(そしゃく)するときに使う筋肉を、「咀嚼筋」といいます。咀嚼筋はとても力の強い筋肉で、噛みしめなどの癖があると凝り固まりやすく、たるみなどの原因にもなります。そのため、下の記事でも紹介していますが、咀嚼筋をほぐすことで、リフトアップや小顔の効果もあります。筋肉をほぐすフーレセラピーは、小顔にも良いといえそうです。
他には、首のあたりもほぐすと、呼吸がしやすくなります。
フーレセラピーは、全体的に緊張を取ることができ、究極の「全身ほぐし」といえると思います。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
フーレセラピーは、ただ足裏で踏んでマッサージするだけではありませんでした。
市川 先生の話をお聞きして、フーレセラピーの技術の細かさに驚きました。
今回お話しいただいた技術は、ほんの一部で、他にもたくさんの技術があります。
足裏でも、使う場所によって、押したりさすったりするなど、技術が違います。
奥深いですよね。
短時間で全体を効率的にほぐすことができるのは、足裏の「面」でトリートメント(マッサージ)するフーレセラピーならではの効果といえるのではないでしょうか。
フーレセラピーは「本当に足でマッサージしているの?」といったような不思議な感覚があるとのことでした。
どんな感覚のものか、興味がありませんか?
いちど体験されてみるのも、良いと思いますよ。