「キレイの先生」編集部です。
「あ、このハーブティー、いい香り…。何が使われているんですか?」
「エルダーフラワーです」
あるエステサロンに取材し、ハーブティーをいただいたときのことです。
アロマリンパサロン Cocologne の大塚 みな 先生への取材中、そのときのことをふと思い出しました。
今回のテーマは、ハーブの「エルダーフラワー」です。大塚 先生の「ハーブ」に関する記事の後編です。
ちなみに前編では、「ハーブコーディアル(ハーブのシロップ)」についてまとめさせていただきました。
エルダーフラワーは、代表的なハーブのひとつで、健康維持に優れているそうです。ハーブティーやハーブコーディアルにも使うことができます。
エルダーフラワーとは、どんな効果・効能のあるハーブなのでしょうか?
大塚 先生に教えていただきました。
* 大塚 先生の前編の記事は、「美味ハーブコーディアルの作り方!シロップで使い方たくさん」からご覧いただけます。
目次
エルダーフラワーの使い方
・ハーブティー
・ハーブコーディアル
・チンキ剤
・芳香浴
エルダーフラワーとは
エルダーフラワーは、スイカズラ科の植物で、和名を「セイヨウニワトコ」といいます。
編集部のコメント
大塚 先生には、「ハーブ」の定義についても教えていただきました。前編の記事*にまとめていますが、こちらでも簡単にご紹介させていただきます。
ハーブは、西洋の「薬用植物」のことをいいます。
私はそれまで、ハーブが「香りのある植物」だと思っていたので驚きました(ただ、ほとんどのハーブには、アロマほど強くはありませんが、香りがあるそうです)。
この後、大塚 先生には、エルダーフラワーの効果・効能をお話しいただきますが、それは「薬草」と呼ぶにふさわしいものでした。
* 大塚 先生の前編の記事は、「美味ハーブコーディアルの作り方!シロップで使い方たくさん」からご覧いただけます。
エルダーフラワーは、小さな白い「花」のハーブです。ヨーロッパでは一般的で、オーガニックスーパーなどで販売されていたりします。
シロップ(コーディアル)にしても、味はそれほど強くありません。また、香りもほんのりするくらいです。色もあまり出ず、少し黄色くなる感じです。
ちなみにヨーロッパでは、エルダーフラワーの「実(エルダーベリー)」も、ハーブとしてよく使われます。エルダーベリーは、レーズンよりも小さな実で、乾燥させると黒くなり、シロップにすると濃い赤色になります。
日本では、エルダーフラワーは(ハーブの中では)比較的多く出回っていますが、エルダーベリーはハーブ専門店でもあまりみたことがありません。
エルダーフラワーの効果・効能
エルダーフラワーは、健康維持におすすめのハーブです。
特に優れているのが、抗カタル作用です。「カタル症状」とは、呼吸器系(鼻やのどなど)の炎症・不調のことをいいます。
そのためエルダーフラワーは、風邪や熱の症状、花粉症などに良く用いられます。
また、薬ではないものの免疫力を高めることが期待されるため、感染症にかかりにくくしたり、「インフルエンザの特効薬」などと言われ、風邪の初期症状に使われたりしています。
編集部のコメント
先程、ハーブが西洋の「薬用植物」であることをお話しました。
エルダーフラワーは、下のような症状に良いといいます。
・呼吸器系の炎症や不調
・風邪や熱の症状
・感染症
・インフルエンザ
・花粉症
など
まさに「薬」とも呼べるような効果・効能ですね。
大塚 先生も、エルダーフラーは、健康維持におすすめのハーブとおっしゃっていました。
エルダーフラワーの使い方
ハーブティー
エルダーフラワーでハーブティーを作ると、香りの良いお茶になります。
下が、ハーブティーの材料と作り方です。
■ 材料
・エルダーフラワー(乾燥ハーブ) 大さじ1
・お湯 カップ1杯分
■ 作り方
ハーブを入れたポットにお湯を注ぎ、3~5分置いておいたら、ハーブティーの出来上がりです。
エルダーフラワーを他のハーブとブレンドして、ハーブティーを作るときは、「リンデン」や「ペパーミント」などと(香りや味の)相性が良いです。
ハーブコーディアル(シロップ)
エルダーフラワーは、ハーブコーディアルに使うこともできます。
編集部のコメント
ハーブコーディアルについては、大塚 先生の前編の記事でまとめさせていただきました。
ここでも、簡単に作り方などをご紹介させていただきます。
ハーブコーディアルは、ハーブを濃く煮出して、砂糖を加えたシロップのようなものです。
水やお湯に薄めてハーブティーにしたり、料理の調味料にも使えたりします。
ハーブティーに比べると苦味・酸味が緩和され、甘くて飲みやすいのが特徴です。
作り方は、下の通りです。
■ 材料
・水 200mL
・エルダーフラワー(乾燥ハーブ) 20g
・砂糖 100g
・レモン汁 レモン1個分
■ 作り方
お湯を沸かして、沸騰したらハーブを投入します。ハーブを約5~10分、グツグツさせる感じで煮出したら、火を止めてハーブを漉(こ)します。
そこに砂糖を加えて、溶かします。余熱がとれたら、最後にレモン汁を加えれば、ハーブコーディアルの出来上がりです。
■ 保存方法
密封ビンに入れて、冷蔵庫で保存するのが理想です。
* 大塚 先生の前編の記事は、「美味ハーブコーディアルの作り方!シロップで使い方たくさん」からご覧いただけます。
チンキ剤
エルダーフラワーで「チンキ剤」を作ると、薄めて飲んだり、うがいに使えたりします。
編集部のコメント
チンキ剤は、ハーブの成分をアルコールで浸出したもののことをいいます。
アルコールには、ウォッカなどのアルコール度数の高いお酒を使うのが、一般的です。
エルダーフラワーのチンキ剤の作り方は、アルコール度数の高いお酒(ウォッカなど)に、ハーブをひたひたになるまで浸けます。
そして、夜などに1日1回にかき混ぜ、1~2週間置いて、ハーブのエキスがしっかり出たら、ハーブを漉(こ)して出来上がりです。
芳香浴
ボールなどにエルダーフラワーを入れ、お湯をかけると香りが立ち、「芳香浴」になります。
アロマほど香りは強くありませんが、風邪対策になります。
編集部のコメント
アロマディフューザーなどでアロマを焚くのは、ただ香りを楽しむことだけが目的ではありません。
アロマの成分を空中に拡散させ、呼吸からそれを体内に取り込むことができます。
それを「芳香浴」といいます。
そのため、風邪の流行する季節には、抗菌作用のあるアロマ(例えば、ティートゥリーなど)を焚くことで、風邪予防になります。
エルダーフラワーは、風邪や熱の症状にも良いハーブです。
お湯をかけて、その成分を空中に拡散させることで、風邪の予防にもなるということですね。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
もういちど、エルダーフラワーがどんな症状に良いのか、おさらいしてみます。
・呼吸器系の炎症や不調
・風邪や熱の症状
・感染症
・インフルエンザ
・花粉症
本当に「薬草」といえるような効果・効能ですね。
エルダーフラワーは、ハーブの本場のヨーロッパでは、スーパーで普通に販売されているといいます。日本でいうと、昔から民間療法に使われてきた「よもぎ」が近いのでしょうか(ちなみに、よもぎについては「女性に嬉しいよもぎの効果効能!よもぎ風呂などの使い方+α」でも取り上げています)。
大塚 先生の前編の記事では、「ハーブコーディアル」についてまとめました。
エルダーフラワーも、ハーブコーディアル(シロップ)に使うことができます。
この記事とセットでご覧いただき、エルダーフラワーでハーブコーディアルを作るのもおすすめですよ。
* 大塚 先生の前編の記事は、下からご覧ください。
(取材・文:「キレイの先生」編集部)