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正しい座り方の姿勢とは?フランクリンメソッドに学ぶ作り方

本日のキレイの先生

矢島 有里子 先生

正しい座り方の姿勢とは?フランクリンメソッドに学ぶ作り方

「キレイの先生」編集部です。

小さい頃からの悩みのひとつが、姿勢の悪さでした。「直そう、直そう」とは思っているのですが、ついそのままで…。

仕事柄、パソコンに向かっている時間も多いので、気付くとひどい猫背になっているときもあります。

そんなときはいちど背筋をピンと伸ばして、姿勢を正そうと意識します。

ただ、それが正しい座り方だとは限らないようなんです。

それを教えていただいたいのが、ピラティスインストラクターの矢島 有里子 先生です。矢島 先生は、フランクリンメソッドのエデュケーター(教育者)でもいらっしゃいます。

フランクリンメソッドは、身体の動かし方を知る方法です。エクササイズもあります。

それは、正しい座り方の姿勢を見つけるのにも、いかすことができます。

矢島 先生には、そんなフランクリンメソッドについて話をお聞きしました。正しい座り方の方法もご紹介いただきました。

本当に簡単ですので、特にデスクワークの多い方は必見です。

* 矢島 先生にはフランクリンメソッドの説明からお話しいただきました。正しい座り方の方法をすぐご覧になられたい方は、下の目次の「座骨(骨盤)で座る方法」をクリックしてください。

目次

フランクリンメソッドとは
・固有受容覚
・イメージ(マインド)
・フランクリンメソッドの効果

座骨(骨盤)で座る方法
・座骨の場所
・座骨のブラシ
・座骨のプッシュアップ

正しい座り方の姿勢の見つけ方
・正しい座り方とは
・正しい座り方の見つけ方1
・正しい座り方の見つけ方2

まとめ

フランクリンメソッドとは

フランクリンメソッドは、エリック・フランクリンというスイス生まれの元ダンサーが、振付師を経て25年以上前からこのメソッドを開発しました。

「身体の動きや仕組みを知った上で、身体を動かすと効果が早い」ということに気付き、フランクリンメソッドを開発したそうです。

現在、創始者のエリック・フランクリンは、ニューヨーク大学やバレエ団などでも、このメソッドを教えています。

日本でも最近、エデュケーター(教育者)が増えてきました。私もその資格を持つひとりです。

フランクリンメソッドは、「自分には自分を変化させる力がある」という考えをとても大切にしています。

私たちは何かをするときに、常に頭の中で何かを考えていたり、思い浮かべていたり、どこかに注意が向いていたりします。

では、エクササイズをするときに、何を思い浮かべてエクササイズしていますか? そもそも、頭の中で起こっていることとエクササイズとは関係があるのでしょうか?

イメージトレーニングという言葉があるように、プロのアスリートなどが実際に動く直前に、頭の中でその動きをイメージする練習方法があります。

これは実は、科学的にも実証されていて、実際にその動きを行ったときに起こる神経伝達の10%は、脳の動きに影響されるといわれています。

つまり、エクササイズを行うときにも、頭の中でイメージを用いながら生き生きと動いていく方が効果的だといえます。

フランクリンメソッドも、ただポーズを真似するだけでOKというものではありません。

言われるままではなく、身体の仕組みや使い方を知り、マインドを使いながら自分で「こうなんだな」と理解した上で行っていきます。

固有受容覚

自分の身体の作りや仕組み、使い方を知る上でポイントになるのが、「固有受容覚」です。

固有受容覚とは、それぞれの身体の部分の位置確認と動きを確認できる能力で、筋肉や関節などを動かすときの感覚です。「身体がどう動くか」という感覚とお考えください。

この固有受容覚は、意外と脳は理解していません。

例えば、自分の足に引っかかって転んでしまうのは、足の固有受容覚が鈍っていて、コントロールできていないとも考えられます。

身体の動きを理解するには、この感覚を高めて、脳に「身体はこう動くんだよ」と教えてあげる必要があります。

フランクリンメソッドでは、筋肉を叩いたりさすったりすることで、固有受容覚を高めていきます。

簡単にその変化を実感することができるので、皆さまもご自分の身体で下記を試してみてください。

1)
まずは何もせずに前屈します。手がどのくらいまで下がるか覚えておきましょう。

2)
次に、両手でお尻か膝裏のあたりまで、さすります(ブラッシング)。それを30回程繰り返します。

3)
そして、先程と同じように前屈してみてください。手の下りる位置は、1) のときと比べてどうでしょうか?

おそらく、3) のときの方が、手が下がったのではないかと思います。

手でさすって関節・皮膚・筋肉に刺激を与えることで、身体の中にあるセンサーが活性化し、柔軟性が高まります。

すると、固有受容覚が高まり、脳が身体の動きを理解して、身体に「こう動くんだよ」と指示が出せるようになるのです。

編集部のコメント

実際、私も1) ~3) を試させてもらいました。私はとにかく身体が固くて、前屈しても膝くらいまでしか手が下りないのですが、2) の後は脛の上部まで手を下ろすことができました。腰あたりをさするだけで、変化を実感できるので驚きです。皆さまも是非、ご自分でお試しになってみてください。

イメージ(マインド)

フランクリンメソッドは、解剖学の知識を元にしています。

ただ、解剖学と聞くと、難しくて取っつきにくいイメージがありますよね。

それを、イメジュリー(比喩)を使い、日常身近にあるものに置き換えたりすることで、イメージしやすい状態にします。そして、そのマインドを効果的に使って、身体を動かしていきます。

これを、フランクリンメソッドの「ダイナミックイメジュリー」といいます。

例えば、エクササイズをするときでも、背骨が、
a) 固い
b) しなやか
とイメージするのでは、b) の方が効果的です。

ですので、私も背骨を「長い柔らかいスポンジ」に見立てて、生徒の皆さんにはそれをイメージしてもらいながら、身体を動かしてもらったりします。

このようにフランクリンメソッドでは、身体の動きのイメージ(マインド)も大切にしています。そのために、レクチャーするときは色々な道具を使います。

例えば、肩を動かすときは、下記のように「スポンジ」をイメージしてもらいます。人の身体は約70%が水分ですから、水の染み込んだスポンジですね。

1)
肩が、水の染み込んでいるスポンジだとイメージします。
そして、肩に手を置き、スポンジをギュッと小さく絞るように、握ります。

フランクリンメソッドのイメージ1

2)
そして、またスポンジに水を染み込ませ広がっていくイメージで、手を広げます。

フランクリンメソッドのイメージ2

3)
それを何回か行ったら今度は、1) のときに肩を上げ、2) のときに肩を下げる動きを入れてみましょう。

4)
そして最後に水を払うように、肩から手の方に払ってあげます。また、肩から手までパチパチと叩いてあげましょう。このとき、叩いているとこを見ながら行ってください。
さらに、好きな色で腕全体をペインティングしているイメージを持って行ったりすると、より効果的です。
これは先程お話した、固有受容覚を高めることにもつながります。

フランクリンメソッドのイメージ3

これらを終えた後、両手を伸ばして、その長さを見比べてみください。

行なった手の方が、少し長くなっていると思います。また、両手を上下したときの感覚やバランスも、左右差を感じられると思います。

フランクリンメソッドは、このようにただ無意識に叩いたり揉んだりするだけではなく、マインドを効果的に使いながら、自分で変化しようと思って動くことで、効果がさらに高まるメソッドといえます。

編集部のコメント

この肩の動きは、矢島 先生に実演してもらいました。左肩で行っていただいたのですが、終えた後に両手の長さを比べてみると、左手の方が長くなっているんですよね。矢島 先生もおっしゃっていましたが、こうして左右で身体の変化を実感できるのも、フランクリンメソッドの魅力です。

フランクリンメソッドの効果

フランクリンメソッドは、何かを「治す」こともそうですが、それよりも「予防」におすすめの方法です。

主に、下記のようなことに効果的です。

・怪我の予防
・姿勢の改善
・呼吸の改善
・首こりや肩こり、腰痛の改善
・自分の心地良い状態(楽な立ち方や座り方など)を知る
・ダンスなどパフォーマンスの向上
など

ピラティスやヨガの前に、フランクリンメソッドを行って、身体の準備をするのも良いですね。実際、ピラティスやヨガ、ダンスのインストラクターで、フランクリンメソッドを学ばれている方も多くいらっしゃいます。

また、エクササイズをするときに緊張して力が入ってしまう方にも、フランクリンメソッドはおすすめです。余計な力が抜けて楽にエクササイズできる、その助けになると思います。

座骨(骨盤)で座る方法

正しい座り方を見つけるには、まずは「座骨」で座っていることを感じることが大切です。

これからご紹介するのは、それを感じやすくなる方法です。まずはこれを行ってから、正しい座り方を見つけていただくのがおすすめです。

用意するのは、小さめのボールひとつです。

できるだけ柔らかめのボールが良いですね。100円ショップのカラーボールでも大丈夫です。テニスボールなどでしたら、タオルで巻いてあげましょう。

もしボールがなければ、タオルを丸めたものでもOKです。

座骨の場所

座骨の場所

まずは、座骨の場所を知りましょう。

両手をお尻の下に置き、身体を左右に振ってみてください。手にコリコリとした骨の感触があると思います。

それが、座骨の場所です。

1) 座骨のブラシ

ボールの上に座ります。そのとき、座骨の場所にボールが当たるようにしましょう。そして、座骨でボールを乗り越えるように前後します。

脚は腰幅で床につけ、少し踏ん張るようにすると、やりやすくなります。また、肩・首・あごの筋肉はリラックスし、背中も丸めたり反ったりせずにゆったりとします。

これを10~20回ほど行います。

座骨(骨盤)で座る方法1

それを10~20回繰り返します。

2) 座骨のプッシュアップ

次は、片方のお尻(座骨)を持ち上げるようにして、もう片方のお尻(座骨)でボールを押しつぶすようにします。

このときポイントなのは、ボールをつぶすとき身体が左右に振れるのではなく、上下するように意識することです。

大きく動かそうとしなくても良いので、座骨にフォーカスしながら上下に動かしましょう。

座骨(骨盤)で座る方法2

それを10~20回繰り返した後に、ボールを外すと、座骨で座っているのが感じられると思います。

編集部のコメント

この「座骨のプッシュアップ」も体験させていただきました。これを終えた後にボールを外すと、それまでは感じなかった座骨の感触が分かるようになりました。たしかに「今、座骨で椅子に座っているな」と感じられるんですよね。

正しい座り方の姿勢の見つけ方

正しい座り方とは

では、フランクリンメソッドをいかし、正しい座り方の姿勢の見つけ方をご紹介します。どれも簡単な方法で、デスクワークの方でもその場で出来る方法です。

ただその前に、まずは正しい座り方とはどんな姿勢なのか、考えてみたいと思います。

胸をピンと張って座るのが、正しい姿勢でしょうか? それは、正しい姿勢とは言い切れません。

意識して胸を張るということは、筋肉が緊張したまま、その状態で居続けようとするということです。

少なくとも楽な姿勢ではありませんね。長時間その姿勢を保ち続けるのは、難しいでしょう。そして、胸を張っていては呼吸も浅くなりがちです。

フランクリンメソッドは、自分の身体の動きや仕組みを知ることです。

つまり、心地良いと感じる姿勢が、正しい座り方といえます。

その姿勢を見つける2種類の方法をご紹介します。

これらのエクササイズの目的は、だらけた姿勢でいるよりも、良い姿勢でいることの方が、楽で心地良いと感じ取れるようになることにもあります。

正しい座り方の見つけ方1

1)
まずは下の写真のように、お尻と背中、頭が一直線になるように意識して、椅子に座ります。
膝の真下にかかとが来るようにして、ほぼ直角の状態を作り、足はしっかりと地面につけておきましょう。

正しい座り方の姿勢の見つけ方1

これは骨盤の上に背骨が乗っている状態です。ポイントは、座骨(つまり骨盤)で座っていると感じることです。

2)
背中側が一直線の状態を保ったまま、骨盤を支点にして身体を前倒しします。
頭は背骨の上に乗っている状態をなるべく保ち、首から先が前に突き出ないように注意します。

正しい座り方の姿勢の見つけ方2

3)
次に、身体を後ろに倒していきます。このときも、背中側は一直線の状態を保つようにしましょう。身体がなるべく反らないように注意します。
飛行機でリクライニングシートを後ろに倒すようなイメージです。

正しい座り方の姿勢の見つけ方3

4)
それを繰り返し、「あ、ここが自分の真ん中かな」と感じる位置で止まってください。
そして、深呼吸をしながら、今の状態を確認しましょう。

その姿勢では、お腹は脱力していないはずです。軽くグッと力が入っているのが感じられると思います。それが、お腹にコアが出来ているということです。

そして、腕や肩がリラックスしていることを感じましょう。

良い姿勢というのは、固めてそこにとどまるのではなく、必要最低限の筋肉が働き、効率的に座っている状態というものです。

この姿勢であれば、長時間でもそれほど無理なく、保つことができると思います。

正しい座り方の見つけ方2

1)
下の写真のように、最初は猫背になるように背中を丸め、横から上半身を見たときに「C」の字を作るように、背中を丸めます。

正しい座り方の姿勢の見つけ方4

2)
今度は、背中のラインで逆の「C」の字を作るように、背中を反ります。
このとき、腰だけではなく背骨全体を動かすようにして、頭は背骨の延長線上にあるイメージをしましょう。

正しい座り方の姿勢の見つけ方5

3)
頭は背中を丸めるときに少し下を向き、背中を反らせるときに少し上を向きますが、極端に首が折れないように気をつけます。
それを繰り返して、先程と同じように「あ、ここが自分の真ん中かな」と感じる位置で止まります。
それも、あなた自身にとっての正しい座り方の姿勢です。

この背骨の動かし方で見つけられるのが、座位の骨盤のニュートラルな状態です。

もともと反り身の傾向にある人は、パソコンに向かっているときなど、腰をかなり反らせたまま固めてしまい、腰が痛くなってしまうことがあります。

逆に、骨盤自体が後ろに傾く癖のある人は、どんどん頭が前に突き出ていき、その頭を支え続けるために首や肩の君肉が慢性的に緊張しやすいです。その結果、こりや痛み、頭痛などが起こることがあります。

まずは、ニュートラルな骨盤の位置を自分で見つけ、感じられることが必要です。

まとめ

「キレイの先生」編集部です。

取材から帰社後、正しい座り方の見つけ方を早速、試してみました。この記事をまとめている現在も、その姿勢を保っています。

お腹には軽く力が入っているんですが、無理して背筋を伸ばしているわけじゃありません。そのせいか、長時間その姿勢でもあまり苦しくないんですよね。

矢島 先生にご紹介いただいたこの方法は、とても簡単ですし、すぐにでも出来ることです。

特にデスクワークが多い方は、座り方が良くないと腰などを痛めちゃいます。

(私も含め)正しい座り方の姿勢を見つけるのは、とても大切なので、是非参考にしていただければと思います。

(取材:「キレイの先生」編集部 文:ピラティスインストラクター 矢島 有里子 先生、「キレイの先生」編集部)

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