皆さんはご自分の姿勢がきれいだと思いますか? 自信を持って「私は姿勢がきれい」と言える方は少ないのではないでしょうか。「ASヒカレ」では、姿勢矯正レッスンを行っていますが、姿勢がきれいか悪いかは、座り方・歩き方を見れば、すぐに分かります。座り方・歩き方にも、「正しい姿勢」のポイントがあります。
「正しい姿勢」と「正しくない姿勢」
これまでの記事でもご紹介しましたが、正しい姿勢とは、「立っているときに、頭のてっぺんから足まで軸がある」姿勢のことをいいます。
軸を作るのは、インナーマッスル(深くにある骨を動かす筋肉)で、全身のインナーマッスルを使って身体を動かすのが、本来の構造です。
しかし、ある部分のインナーマッスルばかりを使って、ある部分のインナーマッスルをほとんど使わなくなると、身体の軸がなくなってしまい、「正しくない姿勢」につながってしまいます。
つまり、「正しい姿勢」のポイントは、バランスよくインナーマッスルが使われていることです。
(詳細は「きれいな姿勢が理想だが、人の体が簡単に悪い姿勢になる理由」をご覧ください)
それを踏まえた上で、座り方・歩き方の「正しい姿勢」のポイントをみていきましょう。
座るときはお尻を下げる
椅子に座るときは、「寛骨」ではなく、「仙骨」で座るようにしてください。
急に「寛骨」「仙骨」と言われても、専門的で分かりませんね。
では、こう言い直してみましょう。
椅子に座るときのポイントは、「膝から曲げて座らない」ことです。
まだ少し分かりづらいので、写真で解説していきたいと思います。
「膝」から曲げるのはNG
まずは、椅子に座るときのNGなパターンです。
これは、「膝」から曲げて、腰の高さを調整しています。
椅子に座るとき、このように座る方が、多いのではないでしょうか。ただ、これは「正しくない姿勢」です。
イメージとしては、膝の位置が上下するような動きです。
「お尻」から下ろせばOK
では次が、「正しい姿勢」の椅子の座り方です。
まずは、少し上半身を前方に傾けてください。
そして、「お尻」から下ろして、椅子に座ってください。
ぱっと見ると、NGの写真とあまり変わらないように見えるかもしれません。
ポイントなのは、膝の位置です。
先程のNGのパターンでは、膝の位置を上下させ、腰の高さを調整していました。
しかし、こちらは、膝の位置は動いていません。上半身を低く持っていくと、膝は自然と曲がります。お尻を下げることによって、腰の高さを調整しているのです。
NGとOKのパターンを比べてみると、下記のようになります。
■ 椅子に座るときの膝の位置
・NG:下がる
・OK:動かない
つまり、椅子に座るときは、「お尻から下ろして、自然と膝が曲がる」ようにして座ってください。
歩くときは後ろの足を伸ばす
皆さんは立っているとき、足裏のどの部分で立っている感覚がありますか?
かかとの部分で立っている感覚がある方は、次に、足のどの部分に負担がかかっているか、感じてみてください。いかがですか? おそらく、ふくらはぎの前面に負担を感じるのではないかと思います。
「正しい姿勢」とは、バランスよくインナーマッスルを使うことです。しかし、かかとの部分で立つということは、足の「前面」の筋肉ばかり使っていることなり、「正しくない姿勢」といえます。
足裏の全体で立つと、足の「前」と「後ろ」の筋肉両方を使います。これが、「正しい姿勢」です。
・かかとの部分で立つ = 正しくない姿勢
足の「前」の筋肉ばかりを使っている。
・足裏の全体で立つ = 正しい姿勢
足の「前」と「後ろ」の筋肉をバランスよく使っている。
歩くときも同じです。足の「前」と「後ろ」の筋肉を両方とも使うのが、「正しい姿勢」の歩き方です。
後ろの足が「曲がる」のはNG
まずは、NGな歩き方です。
見ていただきたいのは、後ろの足です。このとき、後ろの足は曲がっていますね。
試しに、写真と同じポーズで止まってみてください。前に出している足の前面に負担を感じるはずです。それは、「前面」の筋肉ばかりを使って、後ろの筋肉をほとんど使っていないことを意味します。
つまり、「正しくない姿勢」ということです。
上半身が前面に傾いていると、このような歩き方になってしまいます。足で歩くというよりも、上半身の前方への推進力に、足がついていくイメージでしょうか。
■ 「正しくない姿勢」の歩き方
・後ろの足が曲がっている
・上半身が前面に傾いている
後ろの足が「伸びている」のがOK
では、「正しい姿勢」の歩き方です。
ここでは、後ろの足が伸びていますね。
先程と同じように、写真のポーズで止まってみてください。今度は、後ろの足の「後面」に負担を感じると思います。
それは、足の「前」と「後ろ」の両方の筋肉をバランスよく使っているということです。
そして、上半身も前面に傾くことなく、真っ直ぐ立っています。
これが、「正しい姿勢」の歩き方です。
■ 「正しい姿勢」の歩き方
・後ろの足が伸びている
・上半身も真っ直ぐ立っている
つまり、歩くときは、「後ろの足が伸びている」ことを意識して、歩くようにすれば、姿勢も自然と良くなります。
まとめ
皆さんも写真を参考にしながら、「正しい姿勢」の座り方・歩き方を試してみてください。窮屈な感じがあったり、違和感があったりする方は、「正しくない姿勢」といえます。
おそらく、座り方・歩き方を意識したことがない方がほとんどで、「正しくない姿勢」が多いのではないかと思います。
もし、ご自分が「正しくない姿勢」だったのであれば、この機会に、座り方・歩き方から「正しい姿勢」を心がけてみてください。
(取材・文:「キレイの先生」編集部)