表情の癖(例えば、眉間にしわを寄せるなど)があると、お顔の一部の筋肉ばかりが使われてしまいます。「筋肉の使い過ぎ」=「筋肉が鍛えられている」というのがお顔にマイナスなのは、なんとなくイメージがつくと思います。ただ、それと同じくらい「使えていない筋肉」を意識することも大切です。
「使えている筋肉」と「使えていない筋肉」
これまでの記事では、どちらかというと、「使われ過ぎ」の筋肉にフォーカスを当ててきました。
(詳細は「上目使いがおでこのしわの原因に?表情の使い癖でトラブルに」、「表情癖で固くなりがちな筋肉をほぐす「うなずき」セルフケア」をご覧ください)
それに対して、「使えていない筋肉」とは、どんな筋肉なのでしょうか?
それは、「腕」で考えると分かりやすいです。
上腕二頭筋は使われやすい筋肉です。
上腕二頭筋というと、力こぶを作る筋肉で、写真のように、男性がダンベルで鍛えるイメージがあるかもしれません。
女性もダンベルを持たなくても、バックやお買い物袋を、腕にかけて持つことが多いでしょう。
それは、まさに上腕二頭筋を使っている状態です。
その一方で、腕の裏側にある上腕三頭筋は、あまり使われていません。
上腕二頭筋が使われて縮こまっているときは、裏の筋肉は伸びています。
■ 上腕二頭筋を使っているとき
・上腕三頭筋:縮まっている
・下の筋肉:伸びている
筋肉は使うと固くなります(筋トレをすると、筋肉が固くなるのが実感できると思います)。
ただ、使わなくても、固くなります。
そのため、上腕三頭筋は、使われていないと、伸びたままで固まってしまいます。
いうなれば、パンツのゴムが伸びてしまった状態と同じです。
筋肉の伸縮性がなくなると血流も悪くなる
そうして筋肉の伸び縮みがなくなってしまうと、血流も悪くなります。
すると、代謝も下がり、脂肪もつきやすくなってしまいます。
これがいわゆる「振袖肉」と呼ばれる、二の腕がたるんだ状態です。
そのため、二の腕が気になるときは、固くなった「上腕二頭筋」を緩めるだけでは足りません。
使われていない「上腕三頭筋」を鍛えてあげると、スッキリと引き締まった二の腕が手に入れられます。
口周りの筋肉は使えていない
「使えている筋肉」と「使えていない筋肉」があるのは、お顔も同じです。
特に日本人は、海外の方のように表情が豊かではありません。
口角を大きく上げて大笑いすることも、お口を膨らませて怒ることも、あまりないでしょう。
その分、お顔の中で「あまり使われない筋肉」が多い印象があります。
口角が上がらない = 筋肉が使えていない
お顔で使えていない筋肉のひとつが「口周り」です。
例えば、口角を上げて、鏡をのぞいてみてください。
もし、口角を上げたご自分の顔に違和感があれば、それは口周りの筋肉を使っていない表れです。
モデルさんやタレントさんは、きれいに口角が上がり、同時にフェイスラインもスッと引き上がります。
それは普段から美しい笑顔を作るために口角を上げることも多く、口周りの筋肉を使っているからでしょう。鍛えられているのです。
芸能人は「見られてきれいになる」と言われますが、日常的に口周りの筋肉を使っているというのも、きれいでいる理由のひとつなのだと思います。
ほうれい線やしわが出づらい
そして、口角を自然と上げられる人は、口周りの筋肉が鍛えられているからでしょう。
そのため、ほうれい線やしわも出づらいです。
割りばしでお顔の筋肉をトレーニング
口周りの筋肉を鍛えるのに、簡単な方法があります。
割りばしを前歯で軽く噛むのです。
すると、自然に口角も上がります。
もし、これが辛く感じたら、口周りの筋肉を使えていないということです。
筋トレを始めたばかりのときに辛いのと同じです。
お顔の筋肉を全体的に使える
おそらく、割りばしを噛んでいると、目も開けやすくなります。
口周りは、お顔の色々な筋肉が交わる「交差点」のような場所です。
そこを使うと、お顔の筋肉を全体的に使うことになります。
そのため、口周りの筋肉を鍛えるのは、お顔全体にも効果的です。
最初はしわが出ることも
もしかすると、このエクササイズを始めた当初は、口元にしわが出たり、ツッパリ感があったりするかもしれません。
ただ、代謝(細胞の生まれ変わり)によって、しばらくすると、口角の上がったきれいなフェイスラインが形作られるはずです。
エクササイズを始めて、しわができるからとやめてしまうのではなく、しばらく続けてみてください。
まとめ
マッサージでも「筋肉を緩める・ほぐす」と言うように、固くなった筋肉を柔らかくすることは大切です。
ただ、それと同じくらい「使えていない筋肉」を鍛えることも、大切なことです。
理想は、筋肉をバランスよく使うことです。
使えていない筋肉を鍛えれば、いくつになってもお顔は変化します。
筋肉を緩ませるだけではなく、使えていない筋肉にも意識を向けてみてください。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:美育サロン folium 桜堂 真子 先生、「キレイの先生」編集部)
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