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便秘でニキビ?吹き出物?むくみ?便秘で肌荒れが生じるワケ

本日のキレイの先生

清水 絵美 先生

便秘でニキビ?吹き出物?むくみ?便秘で肌荒れが生じるワケ

「キレイの先生」編集部です。

肌は腸の鏡。

そんな言葉を聞いたことはありませんか?

以前、腸マッサージサロン オプロミ の清水 絵美 先生に話をお聞きしたときのことです。

腸の状態によってお肌の調子も左右されること、人の身体で腸がとても大切な働きをしていることを知りました。

例えば便秘は、ニキビにつながります。吹き出物につながります。むくみにつながります。便秘が、肌荒れの原因になる場合もあるんです。

もし、お肌のトラブルに悩まれている方がいらっしゃったら、それは腸の不調から来ているのかもしれません。

今回、お肌と腸の関係について、清水 先生に改めて話をお聞きしました。

どうして便秘が、肌荒れにつながってしまうのでしょうか?

そこから見えてきたのは、きれいな美肌を作るには、腸の健康も欠かせないということでした。

* 清水 先生の前回の記事は、「腸が弱まっていると肌荒れの原因になると知っていますか?」をご覧ください。

目次

腸と便秘
・腸の働き

便秘がニキビや肌荒れにつながる理由
・ニキビ・吹き出物・肌荒れ
・むくみ
・その他の影響

便秘になる原因

便秘を改善・予防するには
・食べ物
・軽い運動や腸マッサージ

まとめ

腸と便秘

腸と便秘

便秘は、「便が出ていない状態」とお思いになられている方が多いのではないかと思います。

それは間違いではありませんが、例えば毎日便が出ていても、宿便*がたまっていたりして、便をきれいに排出できていないと、その状態もやはり便秘といえます。逆に、2~3日にいちどの便でも、お腹に張った感じがなければ、便秘とはいえません。

便秘は、腸の動きが悪くなって、蠕動(ぜんどう)運動が低下している状態です。

便は、腸の蠕動運動で排出されているため、それが低下すると、排出されづらくなります。

そして、腸はお肌とも関係があります。便秘になると、お肌にトラブルが出やすくなります。

その理由をご理解いただくためにも、まずは腸がどんな働きをしているのか、ということからお話しします。

* 編集部:宿便とは、腸の中で長くとどまっている便のことをいいます。

腸の働き

腸の働き

腸には下のように、大きく3つの役割があります。

1. 消化・吸収
食べたものはまず、胃で溶かして消化されます。その後、腸でさらに消化され、栄養や水分を吸収します(小腸で「栄養」が、大腸で「水分」が吸収されます)。
腸で吸収された栄養や水分は、腸の壁に張り巡らされた毛細血管から血液を通じて、全身に送られます。
そして、腸で消化されなかった残りのカスが、便として排出されます。

2. 免疫・防御
外部から有害物質(例えばウイルスなど)が体内に入ると、腸が戦ってくれます。そして、その死んだものが、便になって排出されます。
そのため腸が健康であれば、免疫力があるため、病気になりづらいです。しかし、腸が弱っていると、免疫力が低下し、病気になりやすくなります。

* 免疫・防御は、主に小腸の働きになります。

3. 解毒
肝臓は、解毒の働きがあることで知られています。
この肝臓に運ばれるのは、腸で解毒できなかったものです。
そのため腸の働きが低下していると、解毒が行えず、肝臓に運ばれる量が増えてしまいます。すると、肝臓に負担がかかって、肝機能の障害につながる場合もあります。
つまり腸の状態によって、肝臓の負担を軽減できるといえます。

便秘がニキビや肌荒れにつながる理由

便秘がニキビや肌荒れにつながる理由

では、腸の働きを踏まえ、便秘でお肌にトラブルが出やすくなる理由をみていきたいと思います。

ニキビ・吹き出物・肌荒れ

腸には、「善玉菌」と「悪玉菌」、そして「日和菌(ひよりみきん)」という腸内細菌がいます。

日和見菌は、善玉菌と悪玉菌のどちらにも転ぶ腸内細菌です。腸内環境が良ければ善玉菌の味方をし、悪ければ悪玉菌の味方になります。

これらの腸内細菌は、下の比率が理想です。

■ 腸内細菌の理想の比率
善玉菌:悪玉菌:日和見菌 = 2:1:7

しかし、腸内環境が悪ければ、そのバランスが崩れてしまい、悪玉菌が腸内で優位になってしまいます。

■ 腸内環境が悪いときの腸内細菌のイメージ
善玉菌:悪玉菌:日和見菌 = 1(↓):2(↑):7

* 日和見菌が、悪玉菌を援護して、悪玉菌が活発になるイメージです。

便秘になると、腸の蠕動運動が低下し、食べ物を消化・吸収して残ったカスが腸内にたまりやすくなります。それは、身体には必要のないものです。

その老廃物が腸内に長く居座っている状態は、腸内環境が良いとはいえません。

すると、日和見菌が悪玉菌を援護するようになって、悪玉菌が増えてしまいます。

悪玉菌が増えて活発になると、有害物質やガスなどの毒素が腸内で発生します。それが、腸壁の毛細血管から、血液を通じて全身をめぐります。

身体は、毒素を体外に出す排出口を探します。その出口のひとつが、汗や皮脂が分泌されている*毛穴なのです。

そして、毛穴から毒素が排出されることで、ニキビや吹き出物の原因になります。

本来、毛穴は汗や皮脂が分泌される場所です。しかし、毒素の排出に手間を取られてしまうことで、お肌の代謝の悪化にもつながります(毒素の排出に人手を回すことで、人手不足になるイメージです)。

それが、肌荒れの原因にもなります。

編集部のコメント

便秘から(ニキビなどの)肌荒れにつながる流れを並べると、下のようになります。

1. 便秘になる。
2. 腸内に老廃物がたまる。
3. 腸内環境の悪化により、悪玉菌が増え、毒素(有害物質・ガスなど)が発生する。
4. 毒素が血液を通じて全身にめぐる。
5. 毛穴から毒素が排出され、それがニキビなどの肌荒れの原因になる。

* 編集部:皮脂は毛穴の中の「皮脂腺」から、汗は「汗腺」から分泌されています。

むくみ

便秘がむくみの原因にも

大腸は、水分を吸収する働きがありますが、便秘になるとその働きも低下してしまいます。

そして、その水分がうまく排出されないと腸管がむくんで、顔や足がむくみやすくなります。

また腸の動きが悪いと、熱が発せられず体温が低下し、むくみにつながりやすくなります。

その他の影響

「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、小腸で約90%が分泌されています。

腸の働きが低下し、セロトニンの分泌が減少すると、精神的に不安定になりやすいです。それが、うつにつながる場合もあります。

また、免疫力も低下するため、病気になりやすくなります。

そして、毒素(有害物質・ガスなど)が血液に混じることで、血行不良になり、肩こり・腰痛・痔などの原因にもなります。

便秘になる原因

便秘になる原因

腸の蠕動運動が低下して便秘になるのには、いくつかの原因があります。

■ 食物繊維の不足
食物繊維は、便のかさを増やす働きがあります。
そのため食物繊維が不足していると、便が出づらくなって、便秘につながりやすいです。

■ 水分不足
大腸では、食べたものの水分を吸収しています。
体内の水分が不足していると、(大腸で水分を吸収された)食べ物の残りカスはコロコロとした便になり、排出されづらくなります。
そのため「むくみが嫌だから」と、水分をあまり取らなかったりすると、便秘につながりやすくなります。

■ 運動不足
運動不足で腹筋が弱まっていると、排便で力んだときの腹圧も弱くなります。
女性に便秘でお悩みの方が多いのは、男性と比べて筋肉量が少ないことも関係しています。

■ ストレス
ストレスは、脳をごまかせても、腸はごまかすことはできません。
例えば緊張すると、下痢につながることがあると思います。このようにストレスは、腸にダイレクトにかかってきます。
便秘で「(便が)出ない、出ない」とストレスを感じると、それによって、さらに腸の蠕動運動が低下して悪循環になる可能性もあります。

■ 冷え
身体が冷えていると、腸は動きにくいです。
すると、蠕動運動によるエネルギーが発生せず、腸はさらに動きづらくなる悪循環に陥りやすいです。
また、冷たい食べ物(や飲み物)をたくさん摂ると、腸が過剰に反応して動き、下痢の原因になります。

便秘を改善・予防するには

便秘を改善・予防するには、食生活などの生活習慣を見直して、腸が自然に動くようにするのが理想です。

食べ物

便秘を改善・予防するには(食べ物)

■ 善玉菌を活発にさせる「ヨーグルト」
ヨーグルトは、腸に良い食べ物として知られています。それは、ヨーグルトが善玉菌のエサになるためです。
善玉菌が活発になると、腸内環境を整えることができます。

■ 植物繊維を摂る「わかめと豆腐の味噌汁」
食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類があります。
水溶性の食物繊維は、溶けて腸まで届き、便のかさを増します。一方で、不溶性の食物繊維は、腸を詰まらせる原因になることもあります。
水溶性の食物繊維が多く含まれているのは、海草や大豆類です。そのため、わかめと豆腐のお味噌汁はおすすめです。
他には、キウイやバナナなどのフルーツも、水溶性の食物繊維を多く含んでいます。

■ 水分を摂る「ノンカフェインの飲み物」
水分は、ノンカフェインの飲み物を摂ることをおすすめします。例えば、白湯や麦茶、ハーブティーなども良いですね。
カフェインは、利尿作用があるため、水分が身体の外に出ていきやすいです。また、身体を冷やす作用もあります。

軽い運動や腸マッサージ

ジョギングやウォーキングなどの軽い運動も、便秘の改善・予防に効果的です(便秘に限らず、身体にも良いことですね)。

もしそれが難しいときは、テレビをみながら腹筋したり、身体をひねるようなストレッチをしたりすることも、腸の働きには良いです。

また、腸マッサージも、ご自宅で腸を簡単にケアできる方法です。

お腹が固くなっている場所や、触ると少し痛みがある場所を押してあげるだけでも、腸のマッサージになります。

編集部のコメント

清水 先生には以前の記事で、腸マッサージの方法をご紹介いただきました*。

ここでも、その方法を簡単にご紹介させていただきます。

下の写真のように、両手の指先を合わせてハート型にします。

便秘を改善・予防するには(腸マッサージ1)

そして、お腹を全体的に指先で軽く押します。お腹が固くなっていたり、少し痛みがあったりする場所は、便がたまっていると考えられます。その場所は、さすってあげたり、回してあげたりしましょう。

そして下の写真のように、膝を立てて横になると、お腹の筋肉に力が入らないため、腸マッサージを行いやすいそうです。

便秘を改善・予防するには(腸マッサージ1)

* 腸マッサージの方法については、清水 先生の「お腹をほぐす腸マッサージの簡単やり方!便秘改善にも効果有」もご覧になってみください。

まとめ

「キレイの先生」編集部です。

取材後、清水 先生と「どのくらいの方が、腸とお肌が関係していることを知っているんだろう?」というお話になりました。

私は恥ずかしい話、清水 先生に話をお聞きするまで、便秘でお肌の調子が崩れることは何となく分かっていましたが、その理由までは知りませんでした。

「肌は腸の鏡」という言葉があるように、腸は美容にも関係しています。

便秘は、ニキビにつながります。吹き出物につながります。肌荒れにつながります。むくみにつながります。

この記事をご覧になって、ひとりでも多くの方が「腸を大切にしなきゃな」と思っていただけたら嬉しいです。

(取材:「キレイの先生」編集部 文:腸マッサージサロン オプロミ 清水 絵美 先生、「キレイの先生」編集部)