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顎下のリンパも滞るほうれい線!簡単リンパマッサージで解消

本日のキレイの先生

矢澤 ともみ 先生

顎下のリンパも滞るほうれい線!簡単リンパマッサージで解消

「キレイの先生」編集部です。

「あれ、ちょっと年をとった…」

ほうれい線があると、どうしても老けて見えてしまいますよね。あまり有り難くない悩みです。

エステサロンの先生方に話をお聞きしていても、「ほうれい線が気になって…」というお客様は多いといいます。

今回は、そんなほうれい線にフォーカスした内容です。

ほうれい線を改善するのにおすすめのリンパドレナージュ(リンパマッサージ)があるということで、リンパドレナージュ&腸セラピー サロン結香 の矢澤 ともみ 先生に話をお聞きしてきました。

ほうれい線でお悩みの方には、ホームケアのいいヒントになると思います。

目次

ほうれい線について
・ほうれい線とは

ほうれい線とリンパの関係
・顎の下のリンパ

ほうれい線の原因
・生活習慣
・スキンケア

ほうれい線改善のリンパマッサージ
・準備のリンパマッサージ
・顔のリンパマッサージ
・仕上げのリンパマッサージ

まとめ

ほうれい線について

ほうれい線について

サロンのお客様にも、ほうれい線にお悩みの方は少なくありません。

女性は35歳くらいから、ホルモンのバランスが変化する関係で、疲れがとれにくくなったり、肌もなんだか調子がイマイチだったり、そんなお悩みを感じやすくなるのではないでしょうか?

今回は、肌の悩みにある「ほうれい線」について、お伝えしていきます。

ほうれい線とは

ほうれい線とは、肌の弾力が低下して起こる「たるみ」による現象です。

では、ここで肌の構造について触れていきます。

皮膚の3層構造

上の図のように、肌は大きく分けると3層の構造になっています。まるで、ケーキのミルフィーユのような感じですね。

いちばん上の表面から、「表皮」・「真皮」・「皮下組織」と呼びます。

そして、ほうれい線と関係が深いのが真皮層です。なぜならここには、肌の弾力を作る弾性繊維があるためです。

弾性繊維には、ゴムのように伸び縮みして弾力を与える「エラスチン」、そしてハリ(形)を作る「コラーゲン」があります。どちらも、肌の弾力を内側から支えてくれる縁の下の力持ち的な役割をしています。

ただ、エラスチンやコラーゲンは、年齢とともに減少傾向になります。

そのため、この弾性繊維を作る材料となる「タンパク質」や「ビタミン」を含んだバランスの良い栄養を、お食事から摂ることが大切です。

それが、肌のたるみによって起こる「ほうれい線」ケアにつながります。

ほうれい線とリンパの関係

ほうれい線は、顔の筋肉量がボリュームダウンしても、出来てしまいます。

それは、肌の老廃物排出に関わる「リンパ(間質液)」にも影響があります。

例えば血管は、心臓のポンプ機能を使って血液を循環し栄養を運んでいます。

しかしリンパ(毛細リンパ)には、心臓のようなポンプ機能がありませんので、筋肉運動・呼吸・マッサージなどで排出を手助けすることが必要です。

そのため、顔の筋肉量が減ることで、老廃物排泄に関わるリンパが停滞し、肌トラブルの要因にもなります。

顎の下のリンパ

では次に、ほうれい線と関係が深い、顎の下のリンパ節についてご紹介いたします。

「リンパ節」といっても、ピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。

身体の中のリンパの流れを、高速道路にて例えてみますね。

・高速道路 → リンパ管

・トラック → リンパ液

・料金所 → リンパ節

この高速道路を走るトラックの荷台には、老廃物などが積まれています。

つまりリンパ節の働きとは、次の料金所(リンパ節)に向けて、運ばれてきたリンパ液に含まれる老廃物や細菌をろ過し、リンパ液を浄化することなのです。

老廃物などをスムーズに身体の外に排出するには、高速道路が渋滞しないようにすることが必要です。例えば、道路が空いていても、料金所が混んでいたら渋滞しますよね。ですので、まずは料金所の整備から始めます。

そのためリンパマッサージでは、リンパ節のケアから始めます。

そして顎の下にあるリンパ節が、「オトガイ下リンパ節」や「顎下(がっか)リンパ節」です。

オトガイ下リンパ節と顎下リンパ節の場所

顎下のリンパが停滞していていると、老廃物がそこで溜まりますので、フェイスラインがぼやけ、たるみやすくなります。

ほうれい線が気になるときは、顎下のリンパケアすることで、老廃物を効率よく促せるようになるのです。

ほうれい線の原因

先程お話したように、ほうれい線のお悩みは、肌弾力の低下によって起こります。それは年をとるにつれ、コラーゲン・エラスチンの量、筋肉量が減ってくるためです。

それ以外にも、毎日の生活習慣やスキンケアによっても、ほうれい線につながってしまいます。

生活習慣

ほうれい線の原因(生活習慣)

生活習慣では、下記のようなことが、ほうれい線の原因になります。

■ バランスの悪い食事
最近の方を見ていると、「肌を作る材料がきちんと取れているのかな?」と感じることがあります。
例えば子供の頃、おばあちゃんの家に遊びに行くと、お米にみそ汁、それに何品か、といったような食事が出てきたと思います。
しかし最近は、「サラダだけ」、「パスタだけ」、という方もいらっしゃるのではないでしょうか? ダイエットでも、「これしか食べない」というような方法もありますね。また、「忙しくて作れない」という方もいらっしゃるでしょう。
お肌は、化粧品で外からケアしてあげることも大切ですが、それを作る材料を中から摂ることも、とても大切です。
食事のバランスが悪くて、肌を作る材料が不足していると、それによって肌の弾力が低下し、たるみの原因にもなります。

■ 内臓(特に胃腸)の疲れ
胃腸が疲れていたりして調子が悪いと、食べ物を消化し、栄養をうまく吸収することが出来なくなります。
すると、お肌に必要な栄養が不足して、弾力も低下します。そのため、胃腸が疲れている方は、肌もたるみやすいです。
これも実は、肌のたるみの大きな原因のひとつです。

■ 睡眠不足
人の身体は、寝ている間に作られたり、修復されたりしています。
それは、22:00~02:00が「肌のゴールデンタイム」と言われてきたように、肌も同じです。
そのため睡眠不足で、肌を作ったり修復したりすることがうまく出来ないと、肌の弾力が低下してしまう原因になります。
しかも睡眠は、お金をかけずにキレイになれる方法ですよ。

スキンケア

ほうれい線の原因(スキンケア)

スキンケアでも、下記のようなことが、ほうれい線の原因になります。

■ 過度なクレンジング
クレンジングをするとき、顔をごしごしと洗う必要はありません。クレンジング料はメイクの汚れを浮かすため、優しく洗い流すだけで、汚れも落ちます。
特に若いときに、皮脂の分泌が多かった方は、「キュッキュッとなるまでクレンジングしないと気が済まない」という方が見受けられます。
サロンでそういった方にクレンジングすると、「こんなソフトな洗い方で大丈夫なの?」と驚かれます。
過度なクレンジングは、肌に圧がかかり負担が大きく、たるみの原因になります。
また同じ理由で、美顔ローラーを使うときの力の入れ具合にも、気をつけましょう。

■ 化粧品の使用量
化粧品は、メーカーの推奨している量でお使いになることをおすすめします。
例えば、クレンジングを節約して少量にすると、つい力が入ってしまい、肌への摩擦につながります。

ほうれい線改善のリンパマッサージ

ほうれい線は肌弾力が低下して、顎下に老廃物や余計な水分がたまっている状態です。

そのためリンパの流れを促すことで、ほうれい線の改善にもなります。

それにおすすめのリンパドレナージュ(リンパマッサージ)をご紹介します。毎日のスキンケアの最後にできる内容です。

このリンパマッサージの目的は、2つあります。

1) 顔の循環が良くなる

2) お肌の余分な水分を流し、お肌の環境を整える

では早速、その方法をみていきましょう。

準備のリンパマッサージ

リンパは、血管と同じように全身に張りめぐらされていて、流れる方向は決まっています。

リンパドレナージュ(リンパマッサージ)は、リンパ液が排出される出口から始めます。

それが、鎖骨にあるリンパ節(静脈角)*です。そこは、(下の)身体のリンパと、(上の)顔のリンパの出口になっています。

力加減は、皮膚に痛みがない優しい圧で行いましょう。

1)
左右の鎖骨を外側に向けて、軽くさすります。

ほうれい線解消におすすめのリンパマッサージ1

2)
下の写真のように、鎖骨に指を引っかけるようにして置いて、離します。そして、それを鎖骨のラインに沿って何回か繰り返します。
「指を置いて、離して」を繰り返し、ポンプするようなイメージです。

ほうれい線解消におすすめのリンパマッサージ2

3)
リンパマッサージは、出口に近いところからするのが基本です。
そのため鎖骨の次は、首のリンパ節を開いていきます。
マッサージの方法は、首に手を置いて、皮膚を鎖骨方向にむけて、ゆっくり伸ばすよう軽くさすります。

ほうれい線解消におすすめのリンパマッサージ3

これを、何ヶ所かに分けて行います。
両手で左右いちどにマッサージしても良いですが、上の写真のように、片手ずつの方がやりやすいと思います。

4)
次は、耳の前と後のリンパ節を開いていきます。
顔のリンパは、ここのリンパ節を通って、鎖骨へと流れていきます。
マッサージの方法は、人差し指と中指で耳をはさみ、3) と同じように皮膚を伸ばすよう軽くさすります。

ほうれい線解消におすすめのリンパマッサージ4

ここまでが、顔のリンパマッサージの準備ともいえる内容です。

* 編集部:鎖骨のリンパについては、「鎖骨のリンパの流し方!毎日5分マッサージでキレイになろう」でも、ご紹介しています。そちらも合わせてご覧になってみてください。

顔のリンパマッサージ

顔のリンパドレナージュ(リンパマッサージ)をするときは、下のように、顔を高さごとに3分割して行います。

a. 顎(の高さのゾーン)

b. 頬(の高さのゾーン)

c. おでこ(の高さのゾーン)

この3つの高さごとに、順々にマッサージします。

マッサージの方法は、指をマッサージする場所に置き、外側に内側に向け皮膚を軽く伸ばすようにします。

スタートは顔の真ん中部分(例えば、a.であれば顎)から始め、外側の耳の方に向けて移動していきます。

それを、a. からc. まで順々に行います。

ほうれい線解消におすすめのリンパマッサージ6

そして、ほうれい線の場所は、重点的にマッサージします。

ほうれい線に沿うようにして指を置き、内側に向けて半円を描くようにして回します。そこの皮膚を伸ばすようなイメージです。

マッサージする場所は、下から上に移動していきます。

ほうれい線解消におすすめのリンパマッサージ6

ほうれい線を改善するマッサージというと、「上げる」イメージがあるかもしれません。

ただリンパマッサージは、リンパの流れに沿って行いますので、ほうれい線の場所も下にマッサージするのが特徴です。

仕上げのリンパマッサージ

ここまで終わったら仕上げに、リンパを出口に向かって流していきます。

1)
顔のリンパは、耳の下のリンパ節を通ります。まずはそこに向けて、両手を使って片側ずつ流します。

ほうれい線解消におすすめのリンパマッサージ7

上の写真は、c. のおでこ(の高さの部分)を流したときのものです。

これを、b. 頬(の高さの部分)、a. 顎(の高さの部分)でも、同じことをします。

2)
そして、耳の下から鎖骨に向けて、両手で片側ずつ流して終了です。

ほうれい線解消におすすめのリンパマッサージ8

これのイメージは、ここまで集めたリンパ液を、きれいに流す感じです。

まとめ

「キレイの先生」編集部です。

リンパドレナージュ(リンパマッサージ)のポイントは、リンパの出口に近いところから、マッサージしていくことなんですね。

つまり、こういうことです。

■ リンパマッサージの手順
鎖骨 → 首 → 耳 → 顔

矢澤 先生には丁寧に手順を教えていただきましたが、このポイントさえ分かっていれば、覚えるのも楽ちんですね。

ほうれい線でお悩みの方は、今日の夜からお試しになってみてはいかがでしょうか?

(取材:「キレイの先生」編集部 文:リンパドレナージュ&腸セラピー サロン結香 矢澤 ともみ 先生、「キレイの先生」編集部)

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