「キレイの先生」編集部です。
顔のテカリが気になっている方、もしかしたらそれ、お肌の乾燥が原因かもしれません。
一見すると、テカリと乾燥は、かけ離れている印象がありますよね。でも、そこには深いつながりがありました。
お肌が乾燥しているけど脂っぽい状態を、「乾燥性脂性肌」といいます。
では、どうしてお肌の乾燥が、顔のテカリの原因になるのでしょうか?
今回は、プライベートサロン サロンドエミ の小原 聖子 先生にそれを教えていただこうと思います。
乾燥性脂性肌でお悩みの方は、スキンケアのアドバイスもいただきましたので、そちらも参考にしてみてください。
目次
顔のテカリの原因
・皮脂について
・脂性肌
乾燥性脂性肌
・乾燥性脂性肌とは
・乾燥性脂性肌の原因
・脂性肌と乾燥性脂性肌の見分け方
乾燥性脂性肌を改善するには
・血行促進
・フェイスマッサージ
乾燥性脂性肌のスキンケア
・ローションパック
・ビタミンC誘導体
・乳液・クリーム
・サロンのケア
顔のテカリの原因
皮脂について
顔のテカリの正体は、「皮脂」という油分です。まずは、皮脂がどんなものなのか、みていきたいと思います。
皮脂は、毛穴の中にある皮脂腺から分泌されています。
テカリの正体というと悪者のようなイメージがあるかもしれませんが、実はお肌にとってとても大切な働きをしています。
毛穴から分泌された皮脂は、汗などの水分とまざりあって、「皮脂膜」を作ります。私たちのお肌は、その皮脂膜に覆われています。
そして、皮脂膜には下記のような働きがあります。
・お肌の中の水分が蒸発しないようにカバーし、潤いを保つ
・紫外線や雑菌などの外的な刺激から、お肌を守る
・お肌を弱酸性に維持する*
このように、皮脂はきれいなお肌を作る上で大切な働きをしていて、決して悪者というわけではありません。
また、皮脂は毛のメカニズムとも深く関係しています。
皮脂は毛の栄養にもなっています。そのため、皮脂があるところの毛穴の方が、しっかり毛が生えます。
男性の胸毛などもそうですが、背中や胸などの毛が濃くなりがちなのは、皮脂腺の多い毛穴が、身体の真ん中あたりに多いからです。
その他にも、皮脂が多くて毛穴がつまると酸化して(腐るのと同じようなことです)、その影響で髪の毛が生えなくなる原因になったりもします。
* 編集部の補足:
細菌やカビは酸に弱いため、弱酸性のお肌ではそれらが増えづらくなります。
脂性肌
その皮脂が過剰に分泌されてテカリが目立ってしまうのが、「脂性肌」です。
脂性肌になってしまうのは、下記のような原因が挙げられます。
■ 遺伝的なもの
両親が脂性肌ですと、遺伝で引き継いでいる場合があります。
■ 油っこい食べ物
油っこい食べ物を食べ過ぎると、脂性肌の原因になります。
特に、肉の脂は飽和脂肪酸が多く含まれていて、摂り過ぎてしまうと皮脂の分泌量の増加につながります(飽和脂肪酸はその他にも、中性脂肪やコレステロールなどが増える原因にもなります)。食べ物の脂は肉よりも、魚の方がおすすめです。
■ ホルモンバランスの乱れ
男性ホルモンが過剰に働くなど、ホルモンバランスが乱れると、やはり皮脂の過剰分泌の原因になります。
そのため、基本的な生活習慣として、ストレスをためない、適度な運動をする、バランスの良い食事をする、といったことは、脂性肌の予防の上でも大切なことです。
乾燥性脂性肌
乾燥性脂性肌とは
一般的に、皮脂は30代あたりから年をとると共に分泌量が減ってきます。
ですが、30代以降でも、顔のテカリでお悩みの方もいらっしゃると思います。
そのテカリは実は、お肌の内部の乾燥が原因になっているかもしれません。
先程、皮脂にはお肌の潤いを保つ働きがあるとお話しました。
お肌が乾燥していると、お肌の中の水分がこれ以上蒸発しないように、皮脂は分泌量が増えます。それは、お肌の防御作用といえます。
その結果、お肌の内部は乾燥しているけど、表面は油っぽい状態になります。
近ごろでは、夏でも冬でも空調が効いていて、お肌は常に乾燥しやすい状態にあります。
「サロンドエミ」のお客様でも、顔のテカリの原因がお肌の乾燥から来ている方は少なくありません。
30代以降で顔のテカリにお悩みの方は、お肌の乾燥が原因になっていることを疑ってみても良いかもしれません。
乾燥性脂性肌の原因
顔のテカリが気になると、ついつい脂を取ることばかりに気が向きがちです。
しかし本来、皮脂はお肌の潤いを保つ働きもあります。そのため、何度も洗顔したりして、必要な皮脂まで取りすぎてしまうと、かえって余計に皮脂を出してしまう原因になります。
また、洗顔をしすぎると、お肌の角質*を取りすぎて、角質層*が本来の厚さを失ってしまいます。
角質層にはお肌を守るバリア機能の役割もありますから、それが薄くなるとやはり皮脂の過剰分泌につながります。
その他にも、アルコール入りの化粧品はお肌につけるとスーッとして清涼感がありますが、これもお肌の内部が乾燥する原因になりますから、気をつけましょう。
* 編集部の補足:角質・角質層について
お肌は内部で新しい細胞が生まれて、それが表面の方に上がっていき、古い細胞が表面から剥がれ落ちることで、新しいお肌に日々生まれ変わっています(この働きを「ターンオーバー」といいます)。
そのもっともお肌の表面にある古い肌細胞を「角質」といい、その層を「角質層」といいます。
脂性肌と乾燥性脂性肌の見分け方
顔のテカリの原因が脂性肌なのか、それともお肌の乾燥から来ているのか、その見分け方は難しいです。
ただ、先程お話しましたように、一般的に皮脂は30代あたりから分泌量が減ってきます。30代以降で顔のテカリでお悩みの方は、お肌の乾燥が原因になっている疑いがあります。
また、それが遺伝的なものなのかは、ご両親のお肌を見てみるのもひとつの方法です。
テカリの原因を知り、ケアの方向性を決めるには、プロの方にきちんとみていただくことをおすすめします。
乾燥性脂性肌を改善するには
血行促進
お肌が乾燥しているということは、潤い成分を作る力が足りていないということです。
お肌の細胞は、基底層*で生まれています。そして、その代謝に必要な酸素や栄養は、血液から届けられています。
そのため血行が悪いと、生まれてくる肌細胞も、虚弱な赤ちゃん細胞になってしまいます。
虚弱な肌細胞では水分保持力も弱く、お肌も乾燥しやすくなります。弾力のあるお肌も作れません。
そのため、顔のテカリがお肌の乾燥から来ている場合も、まずは血行を改善して、元気な肌細胞を作り出せるようにすることが大切です。
* 編集部の補足:基底層について
お肌は、表面から「表皮」、「真皮」、「皮下組織」の3つの層で出来ていて、ターンオーバー(お肌の生まれ変わり)はその中の表皮で働いています。
表皮はさらにいくつかの層に分かれていて、そのもっとも内側にあるのが「基底層」です。
肌細胞はこの基底層で生まれて、表面に上がっていき、古い肌細胞(角質)を剥がし落とすことで、新しいお肌に生まれ変わっています。
フェイスマッサージ
血行の改善に効果的なのは、フェイスマッサージです。
マッサージで血行が良くなれば、元気な赤ちゃん細胞を作ることができ、お肌の潤いにもつながります。
また、マッサージで皮膚温が上がりますから、毛穴の中で皮脂が固まっていても、温かくなってそれが柔らかくなり、外に染み出てきます。毛穴がきれいになるので、フェイスマッサージは毛穴を目立たなくするのにも効果的です。
その他、リンパの流れも良くなりますから、老廃物が流れて小顔効果もあります。
* 編集部の補足:フェイスマッサージは、色々な方法があります。「キレイの先生」でもこれまで、いくつかご紹介をさせていただきました。「顔にも使える!簡単手作りマッサージオイルの作り方・使い方」も合わせてご覧になってみてください。
乾燥性脂性肌のスキンケア
ローションパック
顔のテカリが、お肌の乾燥が原因の場合は、お肌に水分を補うことも大切です。
それには、ローションパックがおすすめです。
パックで「ふた」をすることで、手で化粧水をつけるよりも、たぷたぷに保湿することができます。
* 編集部:ローションパックの付け方については、「化粧水は手よりもローションパック!5段階レベルアップ術」や「乾燥肌の保湿におすすめシートパックの使い方!簡単な工夫も」も合わせてご覧になってみてください。
ビタミンC誘導体
テカリにおすすめの美容成分は、ビタミンC誘導体です。
ビタミンCには、抗酸化作用と皮脂の分泌を抑える作用があるとされています。また、お肌の弾力の元になるコラーゲンの生成に必要な栄養素です。
ただ、ビタミンC誘導体がどれだけビタミンCとして働くかは、お肌の中がどれだけ元気かにかかわってきます。
ビタミンC誘導体は、ビタミンCがカプセルのようなものに包まれていて、お肌の中でそれがパカッと開くようなイメージをしてみてください。
そのカプセルを外すのには、酵素が必要です。体内に酵素が不足していれば、ビタミンC誘導体は十分に働きません。
そして、それには血行が良くて、お肌が元気であることが必要です。
先程お話した血行促進は、こんなところでも大切になるのです。
クレンジング・洗顔
メイクをしっかり落とすことは大切ですが、余計な皮脂まで落とし過ぎてしまうと、それがテカリの原因になります。
クレンジングは洗浄力の強すぎないもので、お肌になじませてメイクの汚れを拭き取るくらいで大丈夫です。
また、顔のテカリが気になるからといって、洗顔のしすぎにも気をつけましょう。
洗顔のついでにマッサージをして、長い洗顔になるのもおすすめしません。それも、お肌の角質層を薄くして、バリア機能を低下させます。すると、やはり皮脂の過剰分泌につながってしまいます。
乳液・クリーム
お肌が脂っぽいと、その上から乳液やクリームをつけるのは少し抵抗感があるかもしれません。
ただ、乳液・クリームは保湿した水分の「ふた」になる役割があります。
顔のテカリがお肌の乾燥から来ている場合は、潤いのあるお肌を作ることがその改善になります。
水分を抱え込む力の優れたヒアルロン酸も効果的でしょう。しっかりと潤わせた後、少量の乳液やクリームはつけることで、皮脂を鎮める効果も期待できます。
サロンのケア
「サロンドエミ」では、お客様の肌質に合わせて、アプローチを変えています。
乾燥から来る顔のテカリにおすすめなのは、「超音波スクライバー」です。
これは、とても細かい振動でお肌を揺さぶる技術です。
毛穴の中で固まっていた皮脂が溶け出してきます。それをガラス管で吸引して取って、毛穴をきれいにした後で、ビタミンC誘導体をイオン導入したり、パックで保湿したりします。
超音波スクライバーで、血行やリンパの流れも良くなるので、潤いのあるお肌作りにもつながります。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
顔のテカリとお肌の乾燥、一見するとまったくの無関係に思えるのに、実はつながりがあったんですね。
皮脂がお肌の潤いを保っていて、それが難しくなると分泌量が増える…。
私たちが「嫌だな…」と思うお肌の悩みも、それは身体がお肌を守ろうとしている反応でもあるんですよね。
いちばんの原因は、そんな状態を作ってしまっている私たちの生活習慣にあるのかもしれません。
年をとってからの顔のテカリは、お肌の乾燥が原因の「乾燥性脂性肌」の疑いが高いようです。
ここでも大切なのは血行促進、そして保湿です。
小原 先生に教えていただいたスキンケアのアドバイスも、ご参考にしてみてください。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:プライベートサロン サロンドエミ 小原 聖子 先生、「キレイの先生」 編集部)
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