美容のスペシャリストが教えるキレイ

バリア機能が低下する敏感肌、肌の乾燥や洗顔も原因になる?

本日のキレイの先生

大石 聖子 先生

バリア機能が低下する敏感肌、肌の乾燥や洗顔も原因になる?

乾燥肌、脂性(オイリー)肌、混合肌など、私たちのお肌は、いくつかの肌質に分けることができます。その中で、「敏感肌」の方は、それほど多くはないのかもしれません。ただ、「私は敏感肌じゃないから関係ないや」と思っていても、日常の何気ないことで、敏感肌になってしまうかもしれません。

敏感肌とは

私たちの皮膚には、「ふた」があります。

「皮脂膜」や「角質層」といったものが、これに当たります。

※編集部の補足(1):皮脂膜について
私たちのお肌は、毛穴から「皮脂」という油分が分泌されています。
それが汗などの水分と混じり、膜となってお肌を覆っているのが、「皮脂膜」です。
(皮脂膜については、「【ミニコラム】「きれいな毛穴 = 美肌」となる理由」も合わせてご覧ください)

※編集部の補足(2):角質層について
人の皮膚は、「表皮」、「真皮」、「皮下組織」という階層組織になっています。
その中の表皮は、さらに「角質層」、「顆粒層」、「有棘層」、「基底層」と層が分かれています。
角質層は、お肌のもっとも表面の層です。

これらの「ふた」は、お肌のバリア機能を持っています。

ほこりや花粉、化粧品・シャンプーの残りかすがお肌に入らないよう、お肌を守っています。

そのバリア機能が低下してしまっている状態を、「敏感肌」といいます。

ニキビ、湿疹・アトピーが出やすい

敏感肌は、お肌のバリア機能が低下していますから、外部からの刺激を受けやすくなっています。

そのため、敏感肌の方は、
・ニキビ
・湿疹・アトピー
などの肌トラブルが出やすいといえます。

汗や花粉でお肌が赤くなる

汗や花粉でお肌が赤くなる

お肌のバリア機能で外部からの刺激に弱くなっているのが、敏感肌ですから、下記のような方は、敏感肌の傾向があります。

・化粧品でお肌が赤くなったり、かゆくなったりする

・花粉症の時期にお肌が赤くなりがち

・夏に汗をかくとお肌が赤くなりがち

・セーターを着るとお肌がかゆくなる

敏感肌は放置しておくと、外部からの刺激で「湿疹(アトピー)」にも発展しかねません。

これらの反応がある方は、注意してケアしてあげましょう。

敏感肌になってしまう原因

敏感肌は、生まれついての体質の方もいらっしゃいます。

ただ、生活習慣などによって、後天的に敏感肌になってしまう方もいます。

今回は、どんなことが、敏感肌になる原因になるのか、いくつかご紹介したいと思います。

お肌の乾燥

敏感肌と近しい関係にあるのが、「乾燥肌」です。

乾燥をきちんとケアしていないとバリア機能が下がって、敏感肌に傾いてしまいます。

これを「乾燥性敏感肌」といいます。

人は加齢とともに、ターンオーバー(お肌の生まれ変わり)の周期も遅くなり、セラミド(潤い成分)も減少します。

そのため、年を重ねるにあたって、お肌が乾燥するようになり、そこから敏感肌になってしまったという方もいらっしゃいます。

お肌に刺激が強い過度な洗顔

お肌に刺激が強い過度な洗顔

敏感肌は、バリア機能が低下している状態であることはご説明しました。

つまり、「バリア機能」=「お肌のふた(皮脂膜・角質層)」を損なうようなことは、敏感肌の原因になってしまいます。

例えば、お顔をごしごし洗ったり、熱いお湯で洗ったりするような洗顔は、お肌に刺激が強いです。

これは、洗顔にも、スキンケアにも当てはまることですが、過度な摩擦はNGです。

かえってお肌を傷つけてしまいます。

そして、それが敏感肌になるきっかけになるかもしれません。

妊娠・出産によるホルモンバランスの変化

妊娠・出産によって、身体のホルモンバランスは変化し、肌質も変わることがあります。

人によっては、妊娠・出産を経て、きれいなお肌になる方もいらっしゃいますが、敏感肌になってしまう方もいます。

花粉症で鼻のかみすぎでも敏感肌に

花粉症の方は、そのシーズンに、鼻をよくかむと思います。

花粉症で鼻のかみすぎでも敏感肌に

そのティッシュの摩擦で、本当は取ってはならないところ、つまり、お肌のバリア機能(ふた)まで取ってしまうことがあります。

バリア機能が低下すると、どうなってしまいますか?

そう、敏感肌の原因になってしまいます。

花粉症の時期に、鼻先が赤くなっているのは、その部分だけが「敏感肌」になっているともいえるのです。

そんな日常の何気ないことでも、敏感肌の原因になってしまうこと、頭の片隅に置いておいてください。

(取材:「キレイの先生」編集部 文:インテグレーションセラピー Jirri 大石 聖子 先生、「キレイの先生」編集部)

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