美容のスペシャリストが教えるキレイ

毛穴の汚れ・詰まり・開きは8種の毛穴トラブルに分類できる

本日のキレイの先生

大橋 千鶴子 先生

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前回の記事でご紹介しましたが、毛穴から分泌されている皮脂は、皮脂膜となってお肌のカバーとなるため、潤いのあるきれいなお肌には欠かせないものです(詳細は「【ミニコラム】「きれいな毛穴 = 美肌」となる理由」をご覧ください)。ただ、その一方で、皮脂の分泌量が過剰になったり、減少したりしてしまうと、毛穴のトラブルの原因になってしまいます。今回は、毛穴トラブルにどんなものがあるのか、ご紹介させていただきます。

「皮脂の過剰分泌」が原因の毛穴トラブル

毛穴トラブルでまず挙げられるのが、皮脂分泌の過剰分泌によって引き起こされるものです。

これらは主に、Tゾーンに表れやすいトラブルです。

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では早速、それぞれの毛穴トラブルの状態をみていきましょう。

1) 脂性毛穴

皮脂が過剰に分泌された状態の毛穴です。毛穴が皮脂で覆われて、べたつきが気になるようになります。

2) 詰まり毛穴

「1)脂性毛穴」のトラブルが進行したものともいえますが、毛穴の中に汚れ(メイクやほこりなど)が入り、皮脂や不要な老化角質と混ざり合って、詰まってしまいます。

毛穴が白く点々と目立って気になるときは、この詰まり毛穴といえます。

小鼻の溝やあご先など詰まりやすい部位に表れやすいトラブルです。

3) 黒角栓毛穴

そして、「2)詰まり毛穴」の詰まりが、上へ上へと押し上げられて皮膚表面に出ると、空気や紫外線などによって酸化して黒ずみます。

毛穴が黒く点々としている鼻は「イチゴ鼻」ともいわれますが、鼻は紫外線を浴びやすい部位で、この黒角栓毛穴は鼻の頭に表れやすいトラブルです。

4) すり鉢毛穴

多くなった皮脂の成分によって、不全角化が起こり、未熟な細胞が押し上がって毛穴の周りにたまった状態のことをいいます。毛穴の周りが盛り上がって、クレーターのようになります。

5) メラニン毛穴

「3)黒角栓毛穴」と一緒に表れやすいトラブルです。毛穴の周りも酸化して毛穴を縁取るようにドーナツ状に黒ずみます。

皮脂の過剰分泌の原因

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上記のように、毛穴トラブルの多くの原因は、皮脂の過剰分泌によるものです。

では、皮脂分泌が過剰に増えてしまう原因がどこにあるのか、みていきましょう。

年齢

皮脂の分泌量は、年齢によって変動します。分泌量がもっとも多いのは思春期で、この時期にニキビでお悩みになる方も多いのではないかと思います。

季節

季節の中でも気温、湿度ともに上昇する夏は、皮脂の分泌量も増加します。

また、年齢や季節以外でも、性別や睡眠不足、ストレスなどによっても、分泌量は変動します。

糖質の摂り過ぎ・ビタミンB不足

また、偏った食事も良くありません。油っぽい食事や刺激物の他にも、糖質の摂り過ぎには注意が必要です。

糖質を代謝するためにはビタミンB群を必要としますが、このビタミンB群というのは、皮脂量をコントロールしてくれる働きがあるものです。

糖質を代謝することにビタミンB群が使われてしまうと、皮脂を抑制することができなくなってしまいます。

糖質を摂り過ぎてしまったと感じたときは、ビタミンBを多く含む食材を食べるように心がけてみてください。

皮脂の取り過ぎ

これも日頃のスキンケアで気をつけたいことですが、ベタツキが気になるからといって、皮脂を極端に取りすぎてしまわないことです。

皮脂はお肌に悪いものではなく、むしろ、お肌を守る働きをしているものです。

そのため、皮脂が取られ過ぎてしまうと、「お肌を守らなければ」と、皮脂が一気に分泌されてしまいます。

「皮脂の分泌減少」が原因の毛穴トラブル

皮脂の過剰分泌は毛穴トラブルを引き起こしますが、逆に分泌量が少なくても毛穴トラブルの原因となります。

それが、「乾燥毛穴」です。

6) 乾燥毛穴

皮脂の分泌量が少なければ、皮脂膜も十分に作られません。すると、お肌を覆う膜がないために、お肌の水分が蒸発し、お肌は乾燥してしまいます。

土を想像してみてください。湿った土はふっくらとしていますが、乾燥している土は、ひび割れなど、土壌の形がくっきりと表れると思います。

肌も同じように、乾燥していると、毛穴が浮き上がって見え、目立ってしまいます。この状態でファンデーションを乗せると、毛穴にファンデーションが落ちて、塗れば塗るほど毛穴が目立つようになります。

「お肌の老化」が原因の毛穴トラブル

最後が、お肌の老化によって引き起こされる毛穴トラブルです。

ただ、それをご紹介する前に、その原因をよりご理解いただけるように、簡単にお肌の構造からご紹介します。

お肌は、表面から「表皮」、「真皮」、「皮下組織」という層に分かれています。

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表皮の奥にある「真皮」という部分が、お肌の弾力やハリなどを司っているのですが、この真皮の弾力やハリが失われると、毛穴にもトラブルが起こります。

弾力やハリの低下は加齢や紫外線、乾燥などさまざまな原因で起こります。 

このタイプの毛穴トラブルは、皮脂分泌が原因のものと比べると、お肌の奥(真皮)でトラブルが進行するため、早期発見されづらく、またケアに時間がかかります。

これらの毛穴トラブルは、頬などに多く表れます。

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では、どんな毛穴トラブルが起こるのか、詳しくみていきましょう。

7) たるみ毛穴

真皮の弾力が低下することで、毛を包んでいる毛包を支えることができなくなり、下の方へ垂れ下がります。毛穴の周りの皮膚が毛穴に落ち込んで、「毛穴が大きく見える」毛穴トラブルです。

8) ライン毛穴

「7) たるみ毛穴」が進行して、ハリも低下すると毛穴と毛穴の間が縮んで、帯状に繋がったようになり、深いしわのように見えて老けた印象が強くなります。

まとめ

このように、毛穴トラブルといっても、様々な種類があります。

そして、お顔にどれかひとつの毛穴トラブルが表れるというよりも、同時にいくつかのトラブルが引き起こされます。別々の毛穴トラブルが頬や鼻に表れることはもちろんですが、ひとつつの毛穴にトラブルが重なって表れることがあります。

例えば、「3) 黒角栓毛穴」と「5) メラニン毛穴」などは、同じ毛穴に同時に表れることが多いです。また、「2) 詰まり毛穴」と「7) たるみ毛穴」が同時に表れることもあります。

毛穴トラブルのケアの方法については、次回の記事でご紹介しますが、まずはご自分の毛穴の状態を知って、それに合わせたケアを行うことが重要です。

毛穴でお悩みの方は、ご自分がどの毛穴トラブルに該当するのか、参考にしてみてください。

(取材:「キレイの先生」編集部 文:ポアレスラボ 表参道店 大橋 千鶴子 先生、「キレイの先生」編集部)