美容のスペシャリストが教えるキレイ

「毛穴の開き」の原因にも! 過度な皮脂分泌に気をつける

本日のキレイの先生

百川 紅実 先生

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毛穴が開いていると、表面がぼつぼつしたお肌になります。それだけではなく、ほこりや排気ガス、メイクなど、汚れが詰まりやすくなって(毛穴の汚れ)しまいます。そして、詰まりを放っておくと、汚れが酸化して、黒ずみにもつながります。このように、毛穴の開きが、別の肌トラブルを引き起こしてしまうこともあるのです。今回は、毛穴が開いてしまう理由を考えてみたいと思います。

「皮脂の過剰分泌」で毛穴が開く

まずは、そもそも毛穴にどのような役割があるのか、知っておく必要があります。

毛穴には、皮脂を分泌する皮脂腺があります。毛穴から出た皮脂(脂分)は、汗(水分)と混ざり合わさって、お肌の表面を覆う「皮脂膜」になります。

「脂」というと、お肌に良くないイメージがあるかもしれませんが、決して悪いものではありません。むしろ、ほこりや排気ガスからお肌を守ったり、お肌の水分保持に役立ったり、お肌には必要なものです。

つまり、毛穴は「皮脂の出口」になっているとお考えください。

そのため、皮脂が過剰に分泌されてしまうと、皮脂の出口でもある毛穴も、開いてしまいます。

皮脂の取りすぎ・保湿不足で過剰な皮脂分泌に

では、過剰な皮脂分泌には、どのような原因が考えられるのか、みていきましょう。

皮脂の取りすぎ

脂が気になるからと、皮脂を取りすぎてしまうと、「皮脂が足りない」と皮脂を余計に分泌してしまいます。

下記のような行いは、皮脂の取りすぎにつながってしまうので、注意してください。

・お顔の洗いすぎ

・洗浄力の強いクレンジング剤を使う

・あぶらとり紙の使い過ぎ

保湿不足

きれいなお肌を保つ上で大事なのは、「水分」と「脂分」のバランスがとれていることです。どちらが不足していても、お肌には良くありません。

例えば、お肌に水分が足りないと、皮脂の分泌量が増える場合があります。皮脂は「皮脂膜」となって、お肌の水分を保持するので、水分がこれ以上出ていかないよう、皮脂を増やすと考えられています。

お客様でも、お肌の脂っこさにお悩みでも、実は、お肌の中が乾燥していること(保湿不足)も少なくありません。

そのため、皮脂分泌が過剰になると、お肌が脂でべたついているように感じると思います。保湿するのも、べたついて気持ちが悪いかもしれませんが、原因はお肌の乾燥にあるかもしれません。そのときは、水分をしっかりと与えてあげて、お肌の水分と脂分のバランスをとってあげることが大切です。

「汚れの詰まり」で毛穴が開く

正しいクレンジング・洗顔を行わないと、お肌についたほこりや排気ガス、メイクを落としきることができません。また、本来は垢(あか)となって自然にはがれ落ちる古い角質(死んだ肌細胞)も、はがれ落ちない場合もあります。すると、それらの汚れが毛穴に詰まって(毛穴の汚れ)しまいます。

毛穴が開いてしまうと、「毛穴の汚れ」につながりやすくなることは、ご説明しました。そして同様に、毛穴に汚れが詰まると、毛穴を開かせますので、「毛穴の開き」につながってしまいます。

それだけではありません。その状態でお肌を保湿してあげても、毛穴に汚れが詰まっているため、水分をお肌の中までしっかりと入れてあげることは難しいです。つまり、お肌の中が乾燥しやすくなっているといえます。

皮脂が過剰に分泌されてしまう原因は、なんだったでしょうか? そう、「保湿不足」です。

毛穴に汚れが詰まると、ただ毛穴を開かせるだけではなく、お肌の水分不足による皮脂の過剰分泌で、毛穴がもっと広がってしまう、という悪循環につながる可能性もあるのです。

「たるみ」で毛穴が開く

お肌のたるみも、毛穴の開きにつながってしまいます。お肌に弾力がなくなって、重力の力で下の方向にたるんでいくお肌に、毛穴も引っ張られるイメージでしょうか。

下記のような「たるみ」が、毛穴の開きにつながることも、覚えておいてください。

・加齢によるもの

・お肌の弾力成分のコラーゲン、エラスチンの減少

・保湿不足

特に皮脂の分泌に注意する

私の経験上、毛穴の開きや汚れでお悩みのお客様には、過剰な皮脂分泌によるものが多い印象があります。

通常、皮脂が過剰に分泌されてしまうことはありません。その原因のほとんどが、日常の間違ったケアによるものです。皮脂を取りすぎないこと、お肌をしっかりと保湿してあげることを意識して、正しいスキンケアで予防してください。