美容のスペシャリストが教えるキレイ

勘違いに注意! 乾燥肌には保湿より「クリーム」!

本日のキレイの先生

和田 典子 先生

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乾燥肌とは、お肌の皮脂膜(お肌の表面のバリアー機能)がほとんどなくなって、お肌の水分が蒸発しやすくなっている状態です。乾燥肌には、皮脂膜がなくなっているということを念頭に、「予防(ケア)」してあげることが大切になります。

乾燥肌にクリームが大事な理由

乾燥肌と聞くと、お肌に十分な水分を与えてあげて、「保湿」を考えられる方が多いと思います。もちろん、保湿も大事です。

しかし、乾燥肌がどういった状態か思い出してみてください。乾燥肌は、お肌の皮脂膜がほとんどなくなっている状態です。その状態のお肌に水分を与えても、また蒸発してしまい、あまり効果的とはいえません。

また、お肌の潤いとは、化粧水などで外から与えられた水分ではなく、体内で作られた水分のことを表します。なによりも大事なのは、体内で作られた水分が外に出ていかない(蒸発しない)ように、「ふた」をすることです。

だからこそ、乾燥肌には、クリームをしっかりつけて、お肌に「ふた」をしてあげることが、とても大事になります。

乳液よりもクリームで「ふた」をする

みなさんの中にも、スキンケアの終わりは、乳液で仕上げる方も多いと思います。特に、日本の夏は湿度も高く、クリームよりも乳液の方が、さっぱりした質感で気持ちが良いかもしれません。しかし、乳液の方が、水分量が多いため、蒸発しやすい(つまり乾燥しやすい)といえます。

また、オイルもお肌の「ふた」として使用することもできますが、お肌に本当に良いオイルを選ぶのも難しいので、クリームの方が確実でしょう。

夏場などは、クリームがべたつき、重く感じるかもしれません。ただ、冷房などで、実はお肌が乾燥しやすい季節でもあります。

乳液やオイルではなく、クリームでしっかりとお肌に「ふた」をしてあげるようにしてください。特に夜のクリームケアが大切です。

朝はクレンジングをしない

また、乾燥肌は、お顔の洗いすぎで必要な皮脂まで落としてしまっていることも、原因として挙げられます。

そのため、朝はクレンジングをせず、ぬるま湯でお顔を洗って、汗を落とすだけでも問題ありません。夜につけたクリームが残っていて、べたつきが気になる方もいるかもしれませんが、それはまさに皮脂膜が作られようとしているところです。

クレンジングで必要な皮脂まで落としてしまうより、朝は洗顔でお顔をきれいにするだけでも良いでしょう。

良い油を摂る

日本では、「油」というと、健康や美容に悪いイメージが強いかもしれません。たしかに、体内に油が残ってしまうと、身体にもお肌にも良くありません。

しかし、良い油は分解、吸収され、体内に残りません。アメリカのドクターも、「日本人には良い油を摂るという意識がない」と発言をしています。

最近では、亜麻オイルやココナッツオイルなどが話題になりましたが、本当に良い油で、身体に必要な脂分を摂るのも良いと思います。個人的にはオメガ3がお薦めです。

乾燥肌からの病気を「予防」する

私は今回、乾燥肌の対処を、「ケア」ではなく、「予防」という表現を使いました。

乾燥肌は、アトピーの前段階で、バリアー機能が働いていないため、最悪の場合は皮膚がんにつながってしまう危険性もあります(詳細は「危険! 乾燥肌はお肌の悩みだけではなく病気の危険性も?」をご覧ください)。

そのため、乾燥肌が病気につながらないように「予防」する、という想いも込め、この表現を選びました。

繰り返しになりますが、乾燥肌の方は、皮脂膜がほとんどなく、バリアー機能があまり働いていない状態です。スキンケアだけではなく、日常生活でも以下のことに気をつけてみてください。

・防ダニの枕やシーツを使うようにする。

・シルクの洋服はできるだけ身につけないようにする(シルクは蚕から作られた動物性の繊維のため)。綿100%の記事がお薦めです。

・空気清浄機でお部屋のアレルゲンも少なくする。

乾燥肌の予防(ケア)にはクリーム

ここまでいくつか、乾燥肌の「予防(ケア)」方法をご紹介してきました。ただ、乾燥肌は皮脂膜がほとんどない状態なので、やはりいちばんは、クリームでお肌に「ふた」をしてあげることです。

お客様のお話をお聞きしていても、化粧水や美容液には、お金をかけて良いものをお使いになられています。

ただ、お肌の乾燥ということを考えると、お肌の「ふた」になるクリームは、とても大切です。クリームも、化粧水や美容液と同じくらいの意識を持って、良いものをお選びになってほしいと思います。

(取材・文:「キレイの先生」編集部)