お肌の中で活性酸素が増えると、メラニン色素が生成され、シミにつながってしまいます。この「活性酸素」と「メラニン色素」という観点から、どうすればシミを予防することができるのか、考えてみたいと思います。
活性酸素・メラニン色素は悪者ではない
ご存知の方も多いと思いますが、「活性酸素」や「メラニン色素」というものが、シミの原因となります。(詳細は、「シミの原因を知る! 紫外線から日常のスキンケアも」をご覧ください)
しかし本来は、どちらとも身体を守る働きがあるもので、有害なばかりではありません。しかし、身体を守ろうとして、結果的にシミにつながっているのです。
シミを予防する上でもっとも大切なことは、活性酸素やメラニン色素が頑張らなくても良い、つまり、身体やお肌に悪いことをしないことです。
紫外線対策をしっかりとする
シミのいちばんの原因は、紫外線です。日焼け止めをしっかりと塗り、紫外線をブロックしましょう。
ただし、日焼け止めを塗るのにも、いくつか注意点があります。下記の3点に注意してください。
1. 日焼け止めはSPFが高ければ良いわけではない
SPFは、日焼け止めの持続時間を表します。SPFが高ければ高いほど、紫外線をブロックできる時間は長くなります。個人差はありますが、「15~20分 × SPF」の数値が持続時間になります。
それならば、SPFが高い日焼け止めの方が良いと思われる方も多いと思いますが、注意が必要です。
たしかに、SPFが高いほど紫外線を長時間防ぐことはできますが、その一方でお肌への負担も大きくなります。お肌に負担がかかると、炎症を起こしやすくなります。炎症が起きると、肌細胞を守るためにメラニン色素が生成され、それがシミとなってしまいます。
つまり、シミを予防するために日焼け止めを塗っていても、かえってシミの原因になってしまうこともあるのです。
2. 日常での日焼け止めはSPF15~20で
レジャーは別ですが、日常生活であれば、日焼け止めはSPF15~20で良いでしょう。その上で、日中にこまめに日焼け止めをつけるようにして、カバーするようにしてください。
SPFが30以上になると、お肌に穏やかなものではなくなってしまいます。
そのため、お肌の負担にならないよう、SPFが低い日焼け止めをこまめに塗るようにしましょう。
3. ボディ用の日焼け止めをお顔には使わない
当然ですが、ボディ用の日焼け止めをお顔には使わないようにしてください。ボディ用は、お顔用よりもやや刺激が強くなります。
逆に、顔用の日焼け止めは、ボディに使用しても問題ありません。
日常のスキンケアで気をつけること
ニキビや傷のところに紫外線を当てない
お肌が炎症を起こしているところ(ニキビや、傷があるところ)は、お肌の細胞を守ろうとして、メラニン色素が生成されやすくなっています。
その部分には紫外線が当たらないように、日焼け止めをしっかりと塗るなど、重点的にケアをしてあげてください。
傷には、傷口がふさがって日に当たるようになったら日焼け止めを塗りましょう。
火照ったお肌はクールダウン
強い日差しで紫外線を浴び、お肌の皮膚温度が高い(火照っている)と、やはりお肌を守ろうとするためメラニン色素が生成されやすくなります。
そういうときは、できるだけ早くお肌をクールダウンさせてください。
冷たいタオルを当ててあげるのも、ひとつの方法です。もし、オフィスなどでしたら、少し離したところから、お水や化粧水をミストでふきかけてあげると、気化熱で皮膚の温度を下げることができます。
ほお骨のスキンケア・お化粧は優しく
お肌のためのスキンケアも、一歩間違えてしまうと、シミの原因になってしまいます。
ごしごしと強くお顔を洗ったり、ファンデーションをこするように塗ったりすると、お肌の角質が傷ついてしまい、メラニン色素が生成されてしまいます。
特に、目元やその下に位置するほお骨の部分は、皮膚がとても薄く傷つきやすいところです。
このほお骨の部分は、洗顔では優しく洗ってあげ、拭くときも優しく押さえるように拭いてあげてください。
また、ファンデーションもこすらず優しくのせてあげましょう。スポンジだとこすってしまいがちな方は、ブラシを使うのもお勧めです。
食生活からシミを予防する
シミの予防には、紫外線など、身体の外側からお肌をケアすることも大切ですが、食べるもので体の内側からケアすることもできます。
お顔だけではなく、全身のシミの防止にもなりますので、とても有効です。
抗酸化作用のあるビタミンC・ポリフェノール
シミの予防には、抗酸化作用のある成分が有効です。抗酸化成分は、シミの原因の活性酸素から身体を守る働きがあります。
代表的な抗酸化成分が「ビタミンC」と「ポリフェノール」です。両方とも、野菜や果物に多く含まれています。
・ビタミンC : 野菜・果物全般
・ポリフェノール : ブドウ、ザクロ、アサイー(ワイン色の野菜果物に多く含まれている)
ビタミンCは生の野菜や果物から摂る
ビタミンCは熱に弱い成分です。野菜や果物を加熱すると、ビタミンCの一部は壊れてしまいます。
ビタミンCを摂るには、野菜であれば生のままサラダで、果物も生のまま食べるようにしましょう。
ビタミンCは三食それぞれで摂る
一食でビタミンCをまとめて摂れば良い、と考えていらっしゃる方も多いかと思いますが、できるだけ三食それぞれでビタミンCを摂るようにしましょう。
ビタミンCは水溶性です。身体の中から流れ落ちやすい成分です。
そのため、三食の食事それぞれで、サラダで生野菜を食べたり、果物を食べたりして、こまめにビタミンCを補給することが大切です。
まとめ
シミの原因となる「活性酸素」や「メラニン色素」は、身体の悪者ではありません。本来は、私たちの身体を守るためのものです。
活性酸素やメラニン色素が働かなくても良いような生活を送って、シミを予防しましょう。