「キレイの先生」編集部です。
今回は、和リラクゼーションサロン 和粋 の樋川さなえ 先生に、取材させていただきました。
取材前に、樋川先生とお電話で話しているときのことでした。
サロンでもお使いの米ぬか油(ライスオイル)の話題で、こんな話が出ました。
「お米のとぎ汁は洗顔にも使えるのですよ」
それは、これまで考えたこともなかった方法で、とても驚きました。
お米のとぎ汁には、米ぬかと同じような効果・効能が期待できるそうですから、とぎ汁で洗顔することは「米ぬか洗顔」といっても良いかもしれません。
樋川先生に、お米のとぎ汁で洗顔する方法について、お話しいただきました。
目次
米のとぎ汁で米ぬか洗顔?
・米のとぎ汁の活用方法
本日のキレイの先生
和リラクゼーションサロン 和粋
樋川さなえ 先生
「キレイの先生」編集部
米ぬかとは
樋川先生、よろしくお願いします。
先生のサロンでは、米ぬか油をお使いになっているとのことです。
米ぬか油は、「米ぬか」から取れるオイルだと思いますが、米ぬかとは何なのでしょうか?
お米は、外の殻をむいたものが「玄米」、玄米を精白したものが「白米」です。
玄米を精白したときに出る外側の皮が、「米ぬか」です。
例えると、残りカスのような感じですね。
玄米を精白すると、米ぬかが(総量に対して)10%くらい出ます。
ただ、栄養の量は、米ぬかに75%くらい含まれているといわれています。
え!? つまり、玄米を精白すると、米ぬかの方にほとんどの栄養があるということですか?
はい。
米ぬかを捨てるのは、栄養の75%を捨てていると、いえるかもしれませんね。
米ぬか油は、その米ぬかから抽出されるのですね。
サロンで使っている米ぬか油は、米ぬかを圧搾して(圧力をかけて搾り取って)オイルを抽出しています。
ただ、流通しているものの中には、溶剤を使っているものもあるようです。
もし、お肌に米ぬか油を使うときは、圧搾して抽出されたものをお選びになることをおすすめします。
米ぬか油をお肌に使う?
下の記事でも紹介していますが、米ぬか油(ライスオイル)は、スキンケアや、マッサージオイルなどに使うことができます。お米のオイルで、日本人のお肌に合いやすいといいます。
米ぬかの効果
米ぬかには、玄米の栄養の75%が含まれているとおっしゃっていました。
具体的には、どのような栄養が含まれているのですか?
主に、「ビタミンB」、「ビタミンE」、鉄分・マグネシウム・リンなどの「ミネラル」、そして米ぬか特有の成分として、「ガンマオリザノール」や「フェルラ酸」などです。
それぞれ、どのような効果・効能が期待できるのでしょうか?
米ぬかに含まれているビタミンBには、「ビタミンB1」と「ビタミンB6」などがあります。
ビタミンB1は、ストレスや疲労の緩和、肌トラブルの防止などに良いです。
ビタミンB6は、脂肪燃焼を助ける作用があります。
ビタミンEは、抗酸化作用があるため老化防止になり、アンチエイジングにつながります。
ミネラルは、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や貧血などの予防・回復に良いです。
オリザノールは、紫外線をふせぐことによる美白効果が期待できます。
また、自律神経を調整したり、血中のコレストロールを低下させたりする作用もあるといわれています。
フェルラ酸は、メラニンの生成を抑制することによる美白効果が期待できます。
また、脳の機能を改善する作用もあるといわれ、認知症の予防などにも良いです。
米ぬかは、美容効果の高い成分がたくさん含まれているのですね。
先生のサロンでも、米ぬか油をお使いになっていますが、先生ご自身は、どんなところがお好きなのですか?
美白・美肌効果が期待でき、アンチエイジングにもなるところでしょうか。
肌荒れのときにも使えますし、肌荒れもしづらくなります。
米ぬかは美白効果が高い?
米ぬかに含まれている主な成分と、その効果をまとめてみます。
・ビタミンB1
ストレスや疲労の緩和、肌トラブルの防止、など。
・ビタミンB6
脂肪燃焼を助ける、など。
・ビタミンE
抗酸化作用、老化防止、アンチエイジング、など。
・ミネラル
骨粗鬆症や貧血の予防、など。
・オリザノール
紫外線をふせぐ、自律神経の調整、血中のコレストロールの低下、など。
・フェルラ酸
メラニンの生成の抑制、脳の機能の改善、など。
こうして並べてみると、美肌・美白効果の高い成分が多いことがよく分かります。
米のとぎ汁で米ぬか洗顔?
お電話では、お米のとぎ汁で洗顔することができ、米ぬか油と同じような効果を得られるとお話しされていました。
とぎ汁で洗顔する方法を教えてください。
お米は、無洗米ではないものを使います。
普通の白米で良いのですか?
はい、大丈夫です。
「米ぬか」は、玄米を精白したときに出るものなのですよね。
玄米ではなく、白米を使って良いのですか?
はい、白米の周りにも残っているので、玄米ではなくても大丈夫です。
とぎ汁は、白米をただ研ぐだけで良いのですか?
白米の表面には、ゴミが付いている場合があります。
まずは、お米を水に付け、かき混ぜて洗い、水を切り、表面のゴミを取ります。
そしてもういちど、お米が浸って隠れるくらいの水を入れて、お米をシャカシャカと研ぎます。
とぎ汁が乳白色になってきたら、捨てずに器に移します。
洗顔に使うには、とぎ汁を濃い目にしておく感じでも良いと思います。
とぎ汁で洗顔するというのは、石鹸や洗顔フォームを一緒に使うのですか?
いいえ。
もし、メイクをしているときは、クレンジングでメイクを落として、石鹸などで洗顔をしてから、とぎ汁で洗顔します。
感覚としては、美容液を使うような感じで、お米のとぎ汁を付けてあげます。
米ぬか洗顔というより美容液?
私は、勘違いしていました。「お米のとぎ汁で洗顔する」というのは、顔の汚れなどを洗い落とす目的があると思っていました。
むしろ、とぎ汁に含まれている米ぬかの成分を、お肌に与えてあげるようなイメージだったのですね。樋川先生の「美容液のように付ける」という例えは、分かりやすいですね。
スキンケアの流れをまとめると、下のようになります。
1. クレンジング・洗顔
2. 【米のとぎ汁で米ぬか洗顔】
3. 化粧水(美容液)
4. 乳液・クレンジング
お米のとぎ汁は、1.5~2倍くらいのお湯に薄めて、洗顔に使います。
それは、刺激を薄めるということですか?
はい、そうです。
温かさは、人肌くらいのぬるま湯にすると、毛穴が閉じずに、米ぬかの成分がお肌の中に入っていきやすいです。
そして、とぎ汁を付けるときは、ゴシゴシとするのではなく、手に乗せてなでるようにして付けると良いです。
マッサージをするような感じです。
付け方からしても、「洗顔」というよりも、「美容液」を付けるような感じですね。
とぎ汁で洗顔した後は、お水で洗い流すのですか? それとも、そのままでも大丈夫なのでしょうか?
お肌が丈夫であれば、洗い流さなくても大丈夫かもしれませんが、基本的にはお湯で軽くすすぎます。
朝と夜のスキンケアでは、どちらで行うのが良いでしょうか?
どちらかといえば、夜がおすすめでしょうか。
もちろん、朝・晩に行っても大丈夫です。
ただ、お米を朝晩に炊くようなご家庭でないと難しいかもしれません…。
そうか! お米のとぎ汁が必要になりますものね。
とぎ汁は、水分が多いので長持ちしません。
お米を研いだ後は、とぎ汁をラップなどでふたをして冷蔵庫で保管しますが、長くても半日で使い切った方が良いでしょう。
新鮮な内に早く使うのがいちばんです。
朝晩使いたい場合は、冷蔵庫で保存する際に、二つの容器に分けておくと良いです。
私は、お米を週にいちど、まとめて炊くようにしています。
すると、とぎ汁で洗顔するのは、週にいちどのスペシャルケアになりそうです。
私も、お米を炊くのは、週に2~3度ですね(笑)。
他に、何か注意点などはありますか?
お肌が弱い人は、とぎ汁を薄めにしてスタートするのが良いと思います。
ちなみに、私も肌が弱いのですが、とぎ汁を2倍くらいに薄めて、洗顔に使っています。
米のとぎ汁の活用方法
お米のとぎ汁は、洗顔以外にも、何か使えることがあるのですか?
私は、パックに使ったり、入浴剤の代わりにしたりしました。
例えば、とぎ汁で洗顔して残ったものを、コットンパックにひたして、さらに残っているものをお風呂に入れたりしました。
素晴らしい、無駄がありませんね(笑)。
後は、とぎ汁をしばらく置いておくと、白いものが沈殿します。
それを、パックに使うこともできます。
人によっては、そのまま顔に乗せることもあるようですが、私はそのままではお肌がヒリヒリしてしまいました。
そこで、ヨーグルトやクレイに混ぜてパックにするのも、良いと思います。
クレイのパック?
クレイは、「粘土」のことをいい、パックに使うことができます(すべての粘土をパックに使えるわけではありません。専用のものがあります)。下の記事でも紹介していますが、クレイパックはデトックス作用に優れ、美容効果も高く、個人的にも好きな美容法です。
まとめ
米のとぎ汁で洗顔するというのは、「洗顔」というよりも、「美容液」を付けるようなイメージなのですね。
米ぬかには、美肌効果の高い成分が多く含まれていて、特に美白に良さそうです。
取材中にも話題が上がったのですが、お米の化粧品が多くあるのも納得です。日本酒を造る杜氏さんの手がきれいなことから、日本酒のメーカーが化粧品を出したりもしています。
とぎ汁で洗顔する「米ぬか洗顔」は、ちょっとした生活の知恵といえるのではないでしょうか。
私も、次にお米を炊くときには、とぎ汁を捨てずに、洗顔に使ってみようと思います。