「キレイの先生」編集部です。
今回は、自然療法サロン Salon de eau の須田 玲子 先生に、妊娠中のお肌について取材させていただきました。
こちらは、その後編で、妊娠中のスキンケアなどについて取り上げます。
前編では、妊娠中にお肌が乾燥したり、肌荒れやむくみが出たりする理由をまとめました。
妊娠中の乾燥や肌荒れは、体内で赤ちゃんを育てるための影響といえます。
もし、まだ前編をご覧になっていなければ、是非そちらをご覧になった上で、この後編をお読みいただきたいです。
人間の身体のすごさを感じていただけると思います。
須田 先生の前編の記事
目次
本日のキレイの先生
自然療法サロン Salon de eau
須田 玲子 先生
「キレイの先生」編集部
妊娠中のスキンケア
先生の話をお聞きして、人間の身体のすごさを改めて実感しています。
妊娠中は、何らかの肌トラブルの出る方が多いとのことでしたが、スキンケアでは、どんなことを心がけると良いでしょうか?
メインは、保湿です。
これは、顔に限ったことではなく、全身ですね。
妊娠すると、肌が乾燥しやすくなるとのことでしたね。
産婦人科でも、乾燥などから蕁麻疹(じんましん)が出た妊婦さんにはワセリンが処方され、しっかり保湿するように指導されたりもします。
妊娠中は、とにかく保湿が必要になる時期です。
しっかり保湿するには?
スキンケアでしっかり保湿するのに、ローションパックはおすすめです。
例えば、下の記事では、乾燥しやすい目元が三重になるようにするローションパックの方法を紹介しています。
また、化粧水を重ね付けすることも良いです。化粧水を付けて、「全部入ったな」と感じたら、もういちど化粧水を重ね付けします。それを、「(化粧水が)もう入らないな」と感じるまで続けます。
その方法は、下の記事で紹介しました。
そして、スキンケアの最後は、乳液・クリームを付けて、水分が逃げないようにきちんとふたをすることも大切です。
妊娠中は、紫外線の影響を受けやすいです。
そのため、季節は関係なく通年、日焼け止めをして、美白成分の入っている(スキンケア)化粧品を使うことも良いです。
特に、メラニンの多い人は、紫外線に気を付けてほしいです。
メラニンの多い人とは、どんな人のことをいうのですか?
日焼けをしたときに、すぐ黒く吸収してしまう人と、赤みが出る人がいます。
すぐ吸収してしまう人は、メラニンが多いことが考えられます。
また、妊娠すると、いままで使っていた化粧品が、お肌に合わなくなる可能性もあります。
例えば、刺激の強い成分の入っているものなどですね。
化粧品は、お肌に低刺激のものの方が、反応が出づらいです。
サロンのフェイストリートメント(マッサージ・手技)でも、オリーブオイルの後に、ローズウォーターを使ったりしています
先生のサロンでは、オーガニックのオリーブオイルをお使いとのことでしたね。
お肌に優しそうです。
オリーブオイルについて
下の記事で過去に取材させていただきましたが、須田 先生のサロンでは、オーガニックのエキストラヴァージンオイルをレバノンから空輸してお使いになっているといいます。
化粧品には、「親水性」と「親油性」のものがありますが、親油性のものの方がお肌に残りやすいため、妊娠中は特に注意してほしいと思います。
手作り化粧品などを作るときも、精油を高濃度で加えるのは避けた方が良いでしょう。
精油は刺激がある?
精油は刺激があるため、基本的にお肌に直接付けることはしません。お肌に付けるときは、精油をキャリアオイル(植物油)などに希釈して(濃度を薄めて)使います。
精油で化粧品を手作りすることもできますが、精油の量が多いと、刺激が強くなってしまうということですね。
妊娠中のフェイスマッサージ
顔のケアでいうと、スキンケア以外にも、フェイスマッサージなども出来ます。
妊娠中も、フェイスマッサージして大丈夫なのでしょうか?
フェイスマッサージは、むくみにも良いので、やった方が良いと思います。
ただ、そのときは、首とデコルテも大切になってきます。
妊娠してお腹が出てくると、自然と背中が反ってくるようになって、顔を前に突き出す姿勢になるので、「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」が固くなりやすいです。
たしか、胸鎖乳突筋は、首の横あたりにある筋肉でしたね?
はい、顎の後ろの付け根あたりから、鎖骨と胸骨まで伸びている筋肉です。
首は、身体の中でもリンパのいちばん多い場所です。
胸鎖乳突筋が固くなると、首のリンパの流れも悪くなります。
そのため、フェイスマッサージと一緒に、首も流してあげることが大切です。
首の筋肉をほぐしてやわらかくすると、顔のリンパも流れやすくなります。
フェイスマッサージをするときは、お肌に刺激がないように、クリームなどを付けて行うことをおすすめします。
リンパについて
首をほぐすことが顔のむくみにも良いのは、リンパが関係しています。
リンパは、老廃物を回収して排出する役割があります。そのため、リンパの流れが悪くなると、老廃物がたまって、むくみなどの原因になります。
顔のリンパは、耳の下あたり(耳下腺・じかせん)を通って、鎖骨の下の静脈に流れていきます。そのため、首のリンパが滞ると、顔のリンパの流れも悪くなってしまうのです。
ちなみに、首の筋肉をほぐすには、下の記事で紹介していますが、首をストレッチするだけでも効果があります。
また、須田 先生は「(顔のマッサージだけではなく)デコルテも大切」とおっしゃっていましたが、それは、鎖骨(デコルテ)が全身のリンパの出口になっているからです。顔のリンパも、首を通って、最終的には鎖骨へと流れていきます。
鎖骨のリンパを流すには、下の記事で紹介していますが、鎖骨を優しく触るだけでも効果があります。
妊娠中の食べ物
妊娠中は、食事はバランスよくきちんと栄養を摂ることが基本だと思いますが、特に心がけたいことはありますか?
妊娠すると、血液の血漿(けっしょう・血液中の血球以外の成分のこと)成分が増えて、ヘモグロビンの濃度が下がり、鉄分が不足しがちです。
ほうれん草などは鉄分を多く含んでいますが、現代は土が痩せていて、昔と比べると栄養も少ないといわれています。
そのため、産婦人科などで、重度の貧血がある妊婦さんには「鉄剤(てつざい)」が出されることもあります。
ただ、鉄剤は便秘を起こしやすい側面もあります。
鉄剤とは
鉄剤は、貧血の治療に用いられる薬剤のことをいいます。
そこで、鉄分を補うのに、便利なのが「鉄たまご」です。
昔の人は、鉄の鍋でお湯を沸かしたり、鉄のフライパンで料理したりして、鉄分を補うことができていました。
鉄たまごは、料理を作るときに入れておくだけで、溶け出した鉄分を摂ることができます。
鉄剤を飲むほどではないが、貧血を予防したい人におすすめです。
鉄たまごとは
鉄たまごは、南部鉄で出来ていて、卵のような形をしています。お湯を沸かすときや、料理をするときに、一緒に入れて使うそうです。
また、妊娠中は胃腸が荒れやすく、栄養が吸収しづらいときもありますから、野菜中心にしたりして、胃腸に優しいものを食べるのも良いです。
ただ、食べたいものを食べることも、大切だと思います。
赤ちゃんは、血中のホルモンを通じて、お母さんの感情が伝わるといいます。
お母さんが心地良いときは、赤ちゃんも心地良いのです。
そのため、いかにお母さん自身の良い状態を作っていくかが大切になります。
食べたいものを食べずにストレスになるよりも、食べたいものを食べていた方が、赤ちゃんにも良いでしょう。
他には、酵素を摂っていくことも大切です。
生野菜を食べたり、お米を白米から胚芽米(はいがまい)に変えてみたり、パン食の人は雑穀入りのパンに変えてみることで、ビタミン・ミネラルも補えますね。
どうして酵素を摂ると良い?
酵素について補足すると長くなってしまうので、下の記事などをご覧いただきたいのですが、簡単にいうと、酵素を摂ることで消化を助け、身体のすべてに良い効果が期待できます。
まとめ
今回は、人間の身体のすごさを改めて感じる取材でした。
妊娠中に乾燥したり、肌トラブルが出やすかったりするのは、仕方ないことなのかもしれません。
日々のスキンケアでも、保湿は大切です。妊娠中はさらに、保湿が大切になるといえそうです。
その上で、フェイスマッサージなどを行うのが良さそうですね。
今回の須田 先生のお話は、妊娠されている方だけではなく、そうでない方にもお読みいただきたい内容です。