「キレイの先生」編集部です。
最初に「拭き取り化粧水」という言葉を聞いたとき、頭の中が「?」でした。
化粧水は、お肌を保湿するためのもののはずです。
それなのに、どうして拭き取るのでしょうか?
今回のテーマは、そんな「拭き取り化粧水」についてです。
プライベートサロン アンラポール の鈴木 ひとみ 先生に取材させていただきました。
話をお聞きすると、拭き取り化粧水は、通常の化粧水とは少し違った目的があるようです。
拭き取り化粧水とは、何なのでしょうか? 通常の化粧水とは違うのでしょうか?
そして、どんな効果が期待できるのでしょうか?
鈴木 先生に教えていただきました。
目次
本日のキレイの先生
プライベートサロン アンラポール
鈴木 ひとみ 先生
「キレイの先生」編集部
拭き取り化粧水とは
鈴木 先生、よろしくお願いします。今回のテーマは、「拭き取り化粧水」です。
拭き取り化粧水は、いわゆる普通の化粧水とは違うのでしょうか?
はい、別物です。
化粧水には、いくつか種類があります。
ひとつ目が、「保湿」用の化粧水です。
私のイメージする「化粧水」は、それです。
ふたつ目が、「収れん」用の化粧水です。
収れん化粧水は、毛穴を引き締めるためのもので、皮脂(ひし)が多く、肌のべたつき、テカリが気になる人に向いています。
皮脂とは
皮脂は、毛穴から分泌されている油分で、皮膚の水分の蒸発を防ぐ役割がありますが、過剰に分泌されると、べたつきなどの原因になります。
そして三つ目が、「拭き取り」用の化粧水です。
他にも、美白やアンチエイジングなど目的別の化粧水などもありますが、大きくはこの3つに分けられると思います。
化粧水の目的は、お肌の水分を補うことだと思います。
拭き取り化粧水の目的も、同じなのですか?
拭き取り化粧水は、洗顔で落としきれなかった皮脂の汚れや、クレンジングの油分、ざらつきの原因となる余分な角質を取り除くものです。
保湿化粧水が「必要なものを補う」とすると、拭き取り化粧水は「不要なものを取り除く」と考えると良いと思います
「化粧水」と「拭き取り化粧水」
同じ化粧水でも、「(保湿)化粧水」と「拭き取り化粧水」では、目的が違うとのことでした。
■ (保湿)化粧水の目的
お肌に必要な水分や美容成分を補う
■ 拭き取り化粧水の目的
1. 余分な皮脂を取り除く
2. お肌に残ったクレンジングの油分を取り除く
3. 余分な角質を取り除く
(保湿)化粧水と拭き取り化粧水では、「与える」のと、「取り除く」ので、まったく逆の目的ですね。
正直、私の周りでは、拭き取り化粧水を使っているという話は、あまり聞きません。
先生の周りでは、いかがですか?
私の周りには、とても多いですよ。
そうなのですか!?
ちなみに、先生ご自身もお使いになっているのですか?
はい、20年は使っています。
「ないと、困ってしまうな…」というくらいです。
私の肌には、とても合っています。
サロンのお客様にもおすすめして、いちど効果を実感すると、「これなしでは…」という方も多く、人気があります。
皆さま、拭き取り化粧水のファンになられるのですね。
この後、拭き取り化粧水の効果をお聞きしますが、どんな効果が期待できるのか、楽しみです。
拭き取り化粧水の効果
先生は20年、拭き取り化粧水を愛用されていて、周りにもファンが多いといいます。
拭き取り化粧水は、どんな効果があるのでしょうか?
お肌のターンオーバーは、加齢とともに遅くなりがちで、角質がたまりやすくなります。
余分な角質が厚くなることで、くすみやごわつきの原因になります。
ターンオーバーとは
皮膚は、内側で新しい肌細胞が生まれて、それが少しずつ表面に上がって、最後は古くなったもの(角質)が垢になって剥がれ落ち、日々新しく生まれ変わっています。そのサイクルを「ターンオーバー」といいます。
ターンオーバーの周期は、28日が理想といわれていますが、年をとるにつれて遅くなっていきます。すると、古い角質がなかなか剥がれ落ちずに、皮膚の表面にたまっていって厚くなります。それが、お肌のくすみやごわつきにつながるのです。
ターンオーバーについては、下の記事でもご紹介しています。
拭き取り化粧水で、余分な角質を取り除くことで、お肌はなめらかになり、くすみも抜けます。
また、無駄なものがなくなりますから、その後の化粧水や美容液の浸透が良くなり、スキンケアの効果も上がりやすいです。
化粧品の効果が発揮できるようになると、お肌にツヤが出てふっくらしたりして、透明感のある印象に変わります。
私自身も、拭き取り化粧水を使わないと、余分な角質が溜まりやすく、(スキンケア)化粧品の浸透が悪くなるように感じます。
お肌の透明感も落ちて、くすんだ印象になってしまいます。
拭き取り化粧水は、どんな人におすすめですか?
お肌のざらつきやごわつきが気になる人におすすめです。
お肌がごわついているのは、角質がたまって厚くなっていることが考えられるからですね。
また、乾燥が気になる人にも良いですね。
それは、どうしてですか? 乾燥も、角質と関係しているのですか?
お肌の角質層の保湿成分は、ターンオーバーの過程で生まれます。
無駄なもの(余分な角質)を取り除くことで、ターンオーバーを促すことにもつながります。
ターンオーバーがしっかり働くことで、うるおいのあるお肌を作ることができるのですね。
角質層とは
皮膚は、「表皮(ひょうひ)」・「真皮(しんぴ)」・「皮下組織(ひかそしき)」の3層構造になっています。そして表皮は、下の図のように、さらにいくつかの層に分かれていて、角質層はそのもっとも表面の層になります。
他には、炎症のない白っぽくて固い大人ニキビが出来やすい人にも、拭き取り化粧水は良いです。
余分な角質や過剰な皮脂が毛穴をふさぐと、アクネ菌が増えて炎症を起こしやすくなります。
拭き取り化粧水で、余分な角質や過剰な皮脂を取り除くことで、お肌を清潔に保つことができます。
拭き取り化粧水の効果
拭き取り化粧水は、下のような人におすすめとのことです。
・お肌がゴワゴワして固い
・乾燥が気になる
・(白っぽくて固い)大人ニキビが出来やすい
拭き取り化粧水は、余分な角質を取り除くことで、ツヤがあって透明感のあるお肌に整えてくれます。落としきれなかったクレンジングの油分も取り除くといいますから、肌トラブルの予防にも良さそうです。
拭き取り化粧水の成分
(保湿)化粧水には、保湿成分や美容成分が入っています。
拭き取り化粧水には、どんな成分が入っているのですか?
余分な角質をおだやかに取り除くための成分です。
角質をおだやかにするというのは、どんな成分なのですか?
例えば、「AHA」といったフルーツ酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸などの成分です。
角質を取り除くという意味では、「ピーリング」もそうだと思います。
拭き取り化粧水は、ピーリングと同じようなイメージなのでしょうか?
たしかに、固くなった余分な角質を取り除くという意味では、ピーリングと同じようなイメージですね。
ただ、拭き取り化粧水の方が、効果がおだやかで、優しいイメージでしょうか。
まとめ
一般的な「化粧水」は、保湿の化粧水のことをいうと思います。目的は、お肌に水分を与えてあげることです。
ただ、「拭き取り化粧水」は、保湿以外の目的があります。
余分な角質を取り除く効果があり、お肌をやわらかくして、透明感が出ます。
鈴木 先生は、拭き取り化粧水を20年間お使いになっているとのことでした(先生のお肌は本当にきれいです)。
鈴木 先生には、拭き取り化粧水の使い方についても教えていただいています。
私も驚いたのですが、拭き取り化粧水は、専用のものではなく、保湿の化粧水を使っても良いそうです。
それは、後編の記事でまとめていますので、是非こちらと一緒にご覧ください。
鈴木 先生の「拭き取り化粧水の使い方」の記事