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女性ホルモンの働きとは?ホルモンバランスが乱れる原因9つ

本日のキレイの先生

井 玲子 先生

女性ホルモンの働きとは?ホルモンバランスが乱れる原因9つ

「キレイの先生」編集部です。

エステサロンの先生方に取材するようになって、いま、じぶんの身体に何が起こっているのか、考える機会が増えました。

体調不良は、何が原因なのか?

夜寝付けないときは、何が原因なのか?

お肌の調子がいまいちのときは、何が原因なのか?

女性の身体の状態に深く関係しているのが、「女性ホルモン」です。

女性ホルモンのバランスが乱れると、心身の不調や、肌荒れにつながります。

今回のテーマは、そんな「ホルモンバランス」についてです。

アロマサロン&スクール アロマキュート の井 玲子 先生に、話をお聞きしました。

女性ホルモンは、どんな働きがあるのでしょうか?

そして、ホルモンバランスは、どんなことが原因で乱れてしまうのでしょうか?

井 先生に教えていただきました。

目次

女性ホルモンとは
・エストロゲンとは
・プロゲステロンとは

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスが乱れる原因

まとめ

本日のキレイの先生

アロマサロン&スクール アロマキュート

井 玲子 先生

「キレイの先生」編集部

女性ホルモンとは

女性ホルモンとは

井 先生、よろしくお願いします。

今回のテーマは、「ホルモンバランス」です。

ここでいうホルモンバランスの「ホルモン」は、「女性ホルモン」のことで良いのですよね?

はい、そうですね。

ホルモンは、身体の細胞の働きを調節する物質で、身体・お肌・心などに色々な影響を与えます。

現在では、100種類以上のホルモンが確認されています。

その中で、女性ホルモンは、女性の身体に深く関係しているものです。

女性ホルモンには、「エストロゲン」と「プロゲステロン」があります。

ここでいう「ホルモンバランス」は、このふたつのバランスのことです。

エストロゲンとプロゲステロンは、どんなホルモンなのでしょうか?

エストロゲンとは

エストロゲンは、「卵胞(らんぽう)ホルモン」とも呼ばれています。

自律神経の安定に関係していたり、血管を強くしたり、骨量(こつりょう)を調整したりする働きがあります。

他にも、古くなったものを新しく生まれ変わらせる「新陳代謝」を促す作用があります。

妊娠と関係しているところでは、子宮内膜を厚くします。

そして、エストロゲンは、女性らしい身体を作る働きがあります。

コラーゲンの産生を促したりする作用があって、お肌をツヤツヤにしたり、皮下脂肪を蓄えて弾力のあるお肌を作ったり、髪の毛のツヤを出したりします。

また、コレステロールの増加を抑える働きもあります。

ご年配の方が太りやすいのは、エストロゲンの分泌量が減少することも、関係しています。

プロゲステロンとは

プロゲステロンは、妊娠の成立に関わる女性ホルモンで、女性の身体が妊娠しやすいように、子宮内の環境を整えます。

基礎体温を上げたり、身体に水分をためこんだりする働きがあります。

そのため、プロゲステロンが優位に立つ生理前などの時期は、身体はむくみやすくなります。

また、乳腺を発達させる働きなどもあります。

ホルモンバランスの乱れ

女性ホルモンの話をお聞きすると、美容に良いエストロゲンに、つい目が行きがちです。

「だったら、エストロゲンを増やして、プロゲステロンを減らせばいいじゃん」とも思ったりします。

ただ、プロゲステロンも、身体の働きに欠かせない女性ホルモンなのですよね。

はい、そのとおりです。

女性ホルモンには、エストロゲンの分泌が優位な時期と、プロゲステロンの分泌な優位な時期があります。

月経周期によって、ふたつの女性ホルモンの分泌が増えたり減ったりして、バランスが変化しています。

編集部のコメント

井 先生がおっしゃったように、女性ホルモンの分泌量は、月経周期とリンクしています。

下のグラフは、過去の記事で、ご紹介したものです。

月経周期と合わせて、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量の増減を表しています。

月経周期のイメージ

これは、とても簡単に表したもので、実際はもう少し複雑になるのですが、女性ホルモンのバランスがイメージだけもつかめるのではないかと思います。

女性ホルモンは、一生でティースプーン1杯分しか分泌されない物質です。

それが、少しずつ少しずつ、絶妙な匙(さじ)加減で分泌されていて、些細なことでもそのバランスが乱れてしまいます。

女性ホルモンは、脳の「視床下部(ししょうかぶ)」から「下垂体(かすいたい)」へと指令が出され、その分泌が調整されています。

ホルモンバランスの乱れは、指示を出す「脳」と、指示を受け取る「細胞」の連携が、うまく取れていない状態といえると思います。

ホルモンバランスが乱れると、身体にはどんな影響がありますか?

PMS・月経過多・月経過少・生理痛などの月経トラブルにつながりやすいです。

用語解説

PMSは、「月経前症候群」のことをいいます。生理前に、精神的にイライラしたり、身体が不調になったり、肌荒れが出たりする症状のことです。

月経過多は生理の出血量が非常に多い状態、月経過少はその逆の状態のことをいいます。

ホルモンバランスが乱れると、気持ちの変動が大きくなって、イライラしたり、鬱々(うつうつ)したりすることにもつながります。

また、倦怠感も抱きやすいです。

お肌は敏感な状態になって、ちょっとのことでも刺激になる方も多く、肌荒れが出やすくなります。

また、皮脂(ひし)の分泌が過剰になる場合もあります。

用語解説

皮脂は、毛穴から分泌されている油分です。

お肌の潤いを保つ働きもありますが、皮脂が過剰に分泌されると、べたつきの原因になったり、ニキビが出来やすくなったりもします。

これらのことは、プロゲステロンの分泌が増える生理前に、起こりやすいです。

生理が始まる1~2週間前から、トラブルが表れる方もいらっしゃいます。

ホルモンバランスが乱れる原因

ホルモンバランスが乱れる原因

ホルモンバランスが乱れるのは、どんなことが原因になるのでしょうか?

いちばん大きいのは、ストレスです。

女性ホルモンの分泌は、脳の視床下部で指示を出しています。

視床下部は、小さなストレスでも影響を受けやすく、それが、女性ホルモンの乱れの原因にもなります。

また、ホルモンバランスが乱れて月経トラブルが出ている人は、自覚のあるなしに関わらず、大抵、身体の冷えがみられます。

それは、自律神経のバランスの乱れによる血行不良から来ます。

用語解説

自律神経は、人の心と身体をコントロールしている神経です。「交感神経(緊張の神経・昼に優位になる)」と「副交感神経(リラックスの神経・夜に優位になる)」が交互に入れ替わって、バランスを取っています。

これらの神経のバランスが乱れると、心身に様々な影響があります。

自律神経は、女性ホルモンとも関係していて、心身がリラックスできていないと、ホルモンバランスの乱れにもつながります。

また、生活習慣が乱れていると、視床下部の働きが弱くなり、ホルモンバランスが乱れる原因になります。

例えば、睡眠不足などもそうですし、食生活も大きいです。

現代は、多種多様な食べ物があります。

昔よりも、食品添加物の入った食べ物も増えました。

そのことも、ホルモンバランスに影響があるのではないかといわれています。

他には、スマホやPCなどの電気の光も、ホルモンバランスが乱れやすいです。

スマホやPCの光は、自律神経にも影響があると聞いたことがあります。

はい、それも関係しているのでしょうね。

そして、卵巣の病気や、加齢、疲労も、ホルモンバランスの乱れにつながります。

編集部のコメント

ここで、ホルモンバランスの乱れにつながる原因をまとめてみます。

1. ストレス

2. 体の冷え

3. 自律神経の乱れ

4. 睡眠不足

5. 食生活の乱れ

6. スマホやPCなどの光

7. 卵巣の病気

8. 加齢

9. 疲労

井 先生がおっしゃっていたことですが、これらは、ホルモンバランスを乱す原因の一部に過ぎません。

総じて、「身体に良くないこと」が、ホルモンバランスを乱しやすいといえそうです。

まとめ

ホルモンは、身体・心・お肌に色々な影響を与える。

まさに、その通りですね。

ホルモンバランスが乱れると、心身にたくさんの悪影響があります。

女性ホルモンは、一生でティースプーン1杯分しか分泌されません。

日々分泌されているのは、本当にごくわずかの量です。

その分泌がちょっとでも乱れると、心身に大きな影響があるわけですから、とても繊細なものであることが分かりますね。

そこで気になるのは、「どうすれば、ホルモンバランスを整えられるのか」ということでしょう。

そのことも、井 先生にきちんとお聞きしています。

それは、後編の記事でまとめますので、是非合わせてご覧ください。

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