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生理前の肌荒れはどうして?対策は月経の捉え方を変えること

本日のキレイの先生

千葉 敬子 先生

生理前の肌荒れはどうして?対策は月経の捉え方を変えること

「キレイの先生」編集部です。

「生理前になると、どうしても肌荒れが…」

そういった方も少なくないのではないかと思います。

女性の身体は、月経の周期と切っても切れない関係にあります。お肌の調子もそうですし、身体や心のバランスもそうですね。

今回は、「Hello-g project !!」の千葉 敬子 先生に、話をお聞きしました。

千葉 先生は、「月経を明るく楽しく笑顔で迎えられるように」というテーマで活動されていて、サニタリー用品やブレンドティーなどを販売していらっしゃいます。

千葉 先生の話をお聞きして、月経周期のイメージが変わりました。もし、月経に「嫌だな…」というイメージをお持ちでしたら、お読みになっていただきたい内容です。

月経周期のことをとても分かりやすくご説明いただいています。

目次

月経周期について
・月経周期
・月経周期の捉え方

生理前に肌荒れしやすい理由

対策1. 月経周期を知る
・基礎体温の測り方

対策2. 食べ物
・赤色の食べ物

対策3. スキンケア(洗顔)
・水の温度
・泡
・すすぎ
・顔の拭き方

対策4. 生理前・中の過ごし方

まとめ

月経周期について

月経周期について

Hello-g project !! の「g」は、「月経」の「g」です。このプロジェクトには、「月経を明るく迎えよう」というコンセプトがあります。

ほとんどの方は、月経(生理)が「面倒だな」、「嫌だな」とマイナスに捉えていると思います。ただ、そうしてマイナスに捉えることも、お肌や脳に良い影響は与えません。

出来れば、月経をプラスに考えられるようになると良いですよね。

それには、月経の捉え方を変えてみてはどうでしょうか?

月経周期

月経周期は、下記のようなサイクルで回っています。

1) 月経期
2) 卵胞期
(排卵日)
3) 黄体期
4) 月経期

サイクルは、「1) 月経期」と「2) 卵胞期」が約14日間、「3) 黄体期」が約14日間で、約28日間で回っています。

(月経期が、約3~7日間です)

この周期の中で、もっとも美容的に良いのが「2) 卵胞期」です。私は「女性のゴールデンウィーク」といっています。

お肌の調子も良く、化粧品を変えてもダイエットをしても、何事もうまくいきやすい時期です。

それに対して、お肌の調子が崩れやすかったり、ダイエットの効果も出づらかったりするのが、「3) 黄体期」です。

黄体期は、排卵後、そして生理前に当たります。

この時期は肌荒れしやすい他、下記のような症状が出やすいです。PMS(月経前症候群)ですね。

・身体がむくみやすい
・苛々しがち
・落ち着かない
など

月経周期の捉え方

月経周期の捉え方

こうして、生理前の黄体期を「PMS」と捉えると、どうしてもマイナスのイメージになってしまいます。

そこで月経(生理)の周期を、下記のように捉えてみてはいかがでしょうか?

■ 卵胞期
卵胞期は、排卵を迎える準備期間といえます。
排卵のときに受精し子孫を残せるよう、その間は、雄を引き付けるために輝く期間と考えられないでしょうか?

■ 黄体期
排卵した後の「黄体期」は、受精をしたときに備えて、その卵を育てるために栄養が必要な期間です。
そのため黄体期は、身体に栄養分をため込む時期と考えられます。
生理前に身体がむくみやすかったり、ダイエットも効果が出にくかったりするのは、そんな理由もあるのではないでしょうか。
このように私は、黄体期を「栄養をため込む充電期間」と捉えています。そうすると、生理前のマイナスのイメージが大分変わりませんか?
「嫌だな…」と思われがちな生理前のこの時期にも、意味があるのです。

■ 月経(生理)
そして黄体期に妊娠をしていないと、月経(月経)を迎えます。
これは、体内でいらなくなったものを排出するデトックスです。
現代女性の一生の月経期間を合わせると、約7年間になるといわれています(昔の女性は多産でしたから、もう少し短くなります)。
ちなみに、どこの国でも女性の方が長寿ですが、日本では男女の平均寿命の差がそのくらいです。これは、少し面白い符合ではありませんか?
この「月経」というデトックスの期間があるのも、女性の特徴だと思います。

このように、月経周期には意味があるのです。

そのことを、皆さまにも知ってほしいと思います。

生理前に肌荒れしやすい理由

生理前に肌荒れしやすい理由

月経周期の捉え方を変えてみると、生理前に肌荒れしやすい理由もみえてきます。

生理前にもっとも出やすい肌荒れは、ニキビだと思います。「普段はお肌の調子が良いのに…」という方もいらっしゃるでしょう。

ニキビが出来るのは、毛穴に皮脂が詰まっているからです。そしてそれは、皮脂の分泌量が増えてしまうことが原因です。

では、なぜ生理前に皮脂の分泌量が増えるのでしょうか?

お肌の上で、毛穴の皮脂腺から分泌された皮脂(油分)は、汗(水分)と混ざり合って「皮脂膜」を作ります。

これは表皮*の上にある天然のクリームです。皮膚の中の水分が蒸発しないように防いだり、紫外線から皮膚を守ったりするバリア機能の役割があります。

そして皮膚は、最大の臓器ともいわれています。それは皮膚には、外の刺激からのバリア機能や、免疫機能があるためです。

先程の黄体期の話を思い出してみましょう。(生理前の)黄体期は、栄養をため込んでいる期間でしたね。身体を守っている期間ともいえます。

その時期に皮脂の分泌が多くなるのは、身体が「お肌を守ろう」、「身体を守ろう」としているからなのです。

「ニキビが出来て嫌だな…」と思われるかもしれませんが、そのように捉えることもできると思います。

* 編集部:皮膚は、「表皮」・「真皮」・「皮下組織」の3層構造です。表皮とは、目に見える表面の層のことをいいます。

対策1. 月経周期を知る

生理前の肌荒れ対策1. 月経周期を知る

生理前にニキビが出来たりして肌荒れしやすいのは、お肌や身体を守ろうとしているから、とお話しました。

とはいえ生理前でも、皮脂が毛穴に詰まらないのがベストですよね。

それには、生理前の時期だけを対策しても、根本的な改善にはありません。

(生理前の)黄体期をどう迎えるかは、その前の卵胞期をどう過ごすかで決まります。

それは、月経期にも当てはまることです。月経(生理)を迎えるまでの過ごし方で、月経痛なども変わってきます。

そのため、生理前の肌荒れを対策するのにも、月経周期トータルで考えることが大切です。

今回ご紹介する対策も、生理前の時期にすることではなく、日頃から心がけたい内容になります。

ただその前にまずは、ご自分の月経周期を知ることをおすすめします。

それが分かると、「もうちょっとしたら肌の調子が崩れやすくなるな」、「苛々しやすくなるな」といったように、自分の身体のことをいま以上に理解できるようになると思います。

基礎体温の測り方

女性の身体は、月経の周期で基礎体温が変化しています。

月経期と卵胞期は「低温期」といわれ、基礎体温が低い時期です。それが排卵日を迎えると、基礎体温は急激に上がります。黄体期は、その高温が続く「高温期」です。

■ 基礎体温の変化
・月経期:低温
・卵胞期:低温
・排卵日:少し下がり、その後に急激に上がる
・黄体期:高温

月経周期における基礎体温の変化

基礎体温を測るには、「婦人体温計」を使います。

朝に目を覚ました直後、起き上がる前に体温を測るようにしましょう。それは、起き上がってしまうと、体温が変わってしまうためです。

寝るときに体温計をすぐそばに置いておき、朝に目が覚めたらそのまま体温を測る、といったように習慣化すると良いですね。

そして理想は、毎日同じ時間帯で測ることです。

現在はアプリで、体温を測ったら自動的に保存され、毎日の基礎体温の変化がグラフ化されるものもあります。そういったものを使って、うまく楽しみながら、基礎体温の記録をつけることもできます。

対策2. 食べ物

生理前の肌荒れ対策2. 食べ物

月経痛やイライラなどの月経トラブルは、日々の食事やライフスタイルなどから来ている場合が多いです。

そのため、月経トラブルで悩んでいる女性の70%は、これらの生活習慣を変えることで改善されるとされています(ただ、中にはあまりひどい月経痛が続くようであれば、婦人科疾患が隠れている場合もあるので、その際には迷わず病院に行くことをお勧めします)。

そのため、生理前の肌荒れを改善するのにも、当たり前のことですが、食事・睡眠・生活スタイルを見直すことが大切です。

今回は、その中の「食事」について、もう少し掘り下げてみたいと思います。

皆さまもお分かりになっていらっしゃると思いますが、食事はバランスよく食べるのが基本です。

そして、旬の食べ物を食べるようにしましょう。

旬の食べ物には、3つの優れた点があります。

1) 栄養価が高い
2) おいしい
3) 安い

そして、身体のそのときの状態に合った性質を持っています*。

* 編集部:例えば、夏が旬の食べ物(キュウリなど)には、身体を冷やす作用があります。

赤色の食べ物

月経(生理)期間は血液が身体から出ていきますから、血液を補ったり増やしたりするような食べ物を摂ることも効果的です。

ちなみにそれは、東洋医学的にもいえることです。

東洋医学では、女性は「陰」とされています(それに対して、男性が「陽」です)。そして、血液や体液も「陰」に当たり、女性が必要とするものです。

血を補ったり作ったりする食べ物は、「赤色」をしているとお考えください。食べ物の色と役割は、関係しているのです。

例えば、レバーやカツオは赤色ですね。これらは、血液を補う食べ物としてよく知られていると思います。果物では、プルーンや棗(なつめ)などがおすすめです。

その他では、イソフラボンを多く含んでいる大豆製品もおすすめです。イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをするといわれています。

対策3. スキンケア(洗顔)

生理前の肌荒れ対策3. スキンケア(洗顔)

私はエステティシャンの資格も持っているのですが、スキンケアで「これを変えるだけで、お肌が変わる」と言えるようなことがあります。

それは、「洗顔」です。

そのポイントをご紹介します。

水の温度

顔を洗う水の温度は、人肌よりも冷たければ毛穴が引き締まって、温かいと皮脂が出やすくなります。

先程、皮脂が天然クリームになることをお話ししました。それは、どんな高級クリームよりも自分の体で作りだしているものなので、自分の肌に一番合っているものです。

そのため、洗顔のときの水は、人肌よりも少し温かいぬるま湯を使うようにしましょう。温度は、38度前後でしょうか。

洗顔は、手で洗うのではありません。1cmくらいの泡を乗せて、泡で洗います。

その泡は、ホイップ状になるまで泡立てましょう。

それは、泡を毛穴の中を入れて、そこまできれいに洗いたいからです。そのためには、泡を毛穴よりも小さくしないといけません。

それが出来ていないと、泡はお肌の表面にしか乗らず、そこの余計な皮脂しか洗い落とすことができなくなります。

そして、泡は固めにします。手に泡を乗せて、そのまま手を垂直に立てたとき、泡がピッタリと手にくっついているくらいが、理想の固さです。

それが垂れてくるようでしたら、やわらかすぎます。

いまは泡立てネットもあるので、そういったものを使って、ホイップ状になるまで泡立てたものを使うようにしましょう。

すすぎ

生理前の肌荒れ対策3. 洗顔でのすすぎについて

大切な洗顔の中でも、さらに大切なのが、「すすぎ」です。

すすぎは、30回はしてください。ここでも手でゴシゴシこすらないように、手ですくった水に顔をひたすイメージですすいでください。

洗顔料をきれいに洗い落とすのもそうなのですが(お肌に洗顔料が残っていると、雑菌が繁殖する原因になります)、それと同時に、たっぷりの水ですすぐことによって、お肌に透明感とみずみずしさが出てきます。

顔の拭き方

そして最後に顔を拭くときは、タオルを顔に置いておくだけで、こすらないようにしましょう。

洗顔が終わったら、鏡を見てみてください。それだけでも、お肌のキメが整って、お肌に透明感があるのを感じられると思います。

洗顔は、土を耕すのと同じです。土をよく耕してやわらかくすれば、その後の水(化粧水など)の入りも良くなります。

洗顔は、「スキンケアは洗顔で始まって、洗顔で終わる」と言えるくらい大事なことです。

対策4. 生理前・中の過ごし方

生理前の肌荒れ対策4. 生理前・中の過ごし方

ここまで、月経周期の全体を通じて、日頃から心がけたいことをご紹介しました。

最後に、(生理前の)黄体期や月経期の過ごし方について、お話しししたいと思います。

先程、食べ物の話で「血液を補ったり増やしたりする食べ物がおすすめ」とお話しました。

黄体期・月経期には、それと合わせ、血液を消耗しないことも大切です。

例えば目を使い過ぎると、血液を消耗することになります。そのため、その時期は、パソコンやスマホの時間を区切るようにすると良いですね(ちなみに目の疲れには、クコの実などを摂るのもおすすめです)。

そして黄体期・月経期は、体が敏感になっているので、化粧品を変えたり、美容院でパーマをかけたり、髪を染めたりするなど、普段と違うことをするのはあまりおすすめしません。

まとめ

「キレイの先生」編集部です。

いかがでしたでしょうか? 千葉 先生の話をお聞きになって、月経のイメージが少し変わりませんでしたか?

生理前は肌荒れもしやすいですし、苛々しがちで、あまりいいイメージはないかと思います。どちらかというと、嬉しくない期間ですよね。

でもその時期には、「栄養を身体にため込む」という、きちんとした意味があったんです。

(個人的には、「卵胞期は排卵に向けて、雄を引き付けるために輝く」という考え方に、「なるほど」と膝を打ちました)

今回、千葉 先生には、生理前の肌荒れ対策をいくつか教えていただきました。

ただそれよりも、月経周期の捉え方を変えることが、何よりもの対策になるかもしれませんね。

(取材:「キレイの先生」編集部 文:Hello-g project !! 千葉 敬子 先生、「キレイの先生」編集部)

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