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湿度と肌の関係から考える!加湿器が乾燥肌の対策にいいワケ

本日のキレイの先生

湿度と肌の関係から考える!加湿器が乾燥肌の対策にいいワケ

「キレイの先生」編集部です。

5月の雨の中、「もうすぐ梅雨だなあ」と、雨空を見上げながらぼんやり考えていました。

「空気が乾き切っていた冬に比べると、最近は湿度も上がってきたな。お肌の乾燥も、ちょっとは良くなった気がするし。でも、もう少し暑くなってきたら、冷房の乾燥に気を付けるようにしなきゃな…」

と、そこで急に疑問がわいたんです。

空気が乾いていると、お肌も乾燥しやすくなります。当たり前ですよね。

だから特に冬場は、加湿器が乾燥肌対策にもなります。

そう、湿度とお肌は関係があるんです。それは、経験則からも分かります。

でも、どうして空気が乾燥していると、お肌も乾燥しやすいんでしょうか? 「そういうもんだよね」とは言えるのですが、その理由をパッと答えることはできませんでした。

それをテーマに、エステサロンの先生に取材してみようかと思ったんですが、乾燥シーズン(執筆している現在は5月)からはもう外れているので、私の方で調べてみることにしました。

湿度とお肌は、どんな関係があるのでしょうか? そこから、加湿器が乾燥肌の対策になる理由も見えてきました。

目次

湿度と肌の関係
・肌のバリア機能について
・肌が乾燥しやすい湿度

肌の乾燥対策に加湿器
・加湿器の使い方
・冷房との併用について
・アロマディフューザーとアロマ加湿器の違い

その他の加湿方法
・洗濯物の部屋干し
・浴槽にお湯を張る、など
・消臭スプレー

まとめ

湿度と肌の関係

湿度と肌の関係

肌のバリア機能について

コップに水を入れて置いておくと、時間が経てば蒸発していきます。

お肌の水分も、それと同じです。お肌から蒸発していっているんです。

ただ、お肌にはバリア機能があり、水分が蒸発しないように防いでくれています。その働きがあるのが、「角質層」と「皮脂膜」です。

角質層については、「もち肌」をテーマにした記事*1でも、簡単にお話しさせていただきました。

皮膚は、(表面から)「表皮」・「真皮」・「皮下組織」の層になっています。その中の表皮は、さらにいくつかの層で分かれていて、そのいちばん表面の層を「角質層」といいます。

角質層は、わずか約0.02mm しか厚さがないのですが、お肌の中の水分が蒸発しないように防いだり、外部の刺激からお肌を守ったりしています。

そして「皮脂膜」は、毛穴から分泌した皮脂(油分)と汗(水分)が混ざり合って作られた膜です。プライベートサロン サロンドエミ の小原 聖子 先生 にもお話しいただきました*2が、これも角質層と同じように、お肌の水分の蒸発を防いだり、外部の刺激からお肌を守ったりする役割があります。

*1 詳細は、「触ってモチモチのもち肌になるには?作り方の2つのポイント」をご覧ください。

*2 小原 先生の記事は、「顔のテカリの原因は肌の乾燥でも?乾燥性脂性肌のスキンケア」をご覧ください。

肌が乾燥しやすい湿度

肌が乾燥しやすい湿度

このようにお肌にはバリア機能があり、中の水分が蒸発しないように防いでいます。

しかしそれでも、外の空気が乾燥していると、お肌の水分も蒸発しやすくなります。それによって、お肌の水分量が減少して乾燥してしまうんです。

ここで疑問を感じると思います。では、どのくらいの湿度で、お肌は乾燥しやすくなってしまうのでしょうか?

早速、調べてみました。

諸説あったのですが、湿度が60%以下だと、お肌の中の水分が蒸発しやすくなるようです。

ただ、これだけでは、それがどのくらいの湿度か分かりませんよね。

そこで、2015年の東京の平均湿度をみてみましょう。下記では、月の平均湿度が60%を下回る月に、▲をつけています。

(気象庁より)
1月 52%(▲)
2月 59%(▲)
3月 57%(▲)
4月 71%
5月 62%
6月 75%
7月 80%
8月 78%
9月 79%
10月 66%
11月 74%
12月 57%(▲)

このデータからも、冬場はお肌が乾燥しやすいことが分かります。

ただ、これは東京の平均湿度で、場所によって変わります。

そして、「4月になると平均湿度が60%を超えているからもう安心」というわけでもありません。あくまで平均ですから、湿度が60%を下回る日もあるでしょうし、時間によっても湿度は変わります。一般的には、気温がもっとも上がる14:00~15:00が、もっとも湿度が低くなる時間帯のようです。

「空気が乾燥しているな」と感じるときは、お肌の水分が蒸発しやすくなっているとお考えください。

肌の乾燥対策に加湿器

肌の乾燥対策に加湿器

このように適度な湿度は、お肌の潤いを保つのにも大切なことです。

だから加湿器は、肌の乾燥対策にもいいんです。特に空気が乾いている冬場は、お肌のためにも手放せませんね。

加湿器の使い方

と、ここまで記事を終えてもいいんですが、加湿器の使い方もついでに調べてみました。

「加湿器の使い方って、お水を入れて、スイッチを押すだけでしょ。わざわざここで書く必要もないよね」と思っていたのですが、意外にも気をつけなければいけない点がいくつかあったので、ご紹介させていただきます。

  壁際には出来るだけ置かない
加湿器は出来るだけ、部屋の中心に置くのがいいそうです。
それは、加湿器を壁際に置くと、結露やカビの原因になってしまうためです。また、エアコンの近くに置いておくと、温風で湿度センサーが狂ってしまうこともあるようです。他にも、換気扇や出入り口の近くは、空気の入れ替えが多いため、部屋全体を加湿するには効率が悪いです。
おすすめなのは、部屋の真ん中あたりで、加湿された空気がエアコンの風で部屋全体に広がるような場所がいいでしょう。

 給水タンクは清潔に保つ
タンクに水を貯めておいたままにしておくと、雑菌が繁殖してしまいます。
そして、それをそのまま加湿器にかけると、蒸気と一緒に雑菌が散布され、肺炎などの原因にもなります。
加湿器のタンクはこまめに掃除して、水も毎日交換するようにしましょう。

冷房との併用について

冷房と加湿器の併用について

加湿器は、温かくなってくると片づけるのではないでしょうか?

ただ夏場も、冷房で屋内の空気は乾燥しがちです。

かといって、冷房をつけるときに、加湿器を一緒に使うかというと…。それは空気がじめじめして、せっかく冷房をかけているのに温かくなってしまいそうです。

ただ調べていくと、ちょっと面白いことが分かりました。

人の身体は、暑いと湿度を感じやすいそうですが、適温であればそれほどではないそうなんです。

夏場がじめじめしているのは、そもそも気温が高く、私たちの身体が湿度を感じやすいのもあったんですね。

たしかに、いまこの記事を書いているのは5月で、外は雨が降っています。ただ湿度が気になることはありません。むしろ、涼しさもあって気持ちがいいくらいです。

つまり、冷房をつけるとき、加湿器を一緒に使っても問題はありません。涼しければ、湿度もあまり不快には感じません。

そのときは、まずは冷房で部屋を涼しくしてから、加湿器をつけるのをおすすめします。

同時につけると、まだ部屋が暑い内から湿度が上がってしまい、じめじめした不快感があるかもしれません。

部屋が涼しくなってから加湿器をつければ、湿度もそれほど感じないはずです。

乾燥肌の方は、部屋の空気が乾燥しすぎないように、冷房と一緒に加湿器を使ってもいいのではないでしょうか?

アロマディフューザーとアロマ加湿器の違い

このサイトでは、アロマサロンの先生方に取材する機会があります。

そのためこの記事でも、アロマディフューザーで加湿しつつ、どんなアロマがいいのかご紹介したいと思っていました。

ただ調べてみると、アロマディフューザーは加湿器ではないんですね。アロマ加湿器を家電量販店で見かけるので、似たようなものだと思い込んでいました(私もまだまだ勉強不足ですね)。

本題から少し話がそれてしまいますが、せっかくなので、アロマディフューザーとアロマ加湿器の違いについも、簡単にお話しさせていただきます。

アロマディフューザーは、アロマ(精油)を微粒子の霧にして、拡散・散布するためのものです。私は勘違いしていたのですが、基本的に加湿の機能は備えていないようです。

それに対してアロマ加湿器は、メインの機能が加湿です。アロマの機能はサブといえます。

つまり、アロマの効果を得たい場合はアロマディフューザーを、加湿を優先したいときはアロマ加湿器をお選びになるのがおすすめです。

今回の記事の「加湿」というテーマでいうと、アロマ加湿器の方ですね。

その他の加湿方法

その他の加湿方法

加湿器を使う以外にも、室内を加湿できる簡単な方法はあります。

中には、普段意識したことはなくても、「それはたしかに加湿になっている」というような内容もありました。

そのいくつかをご紹介させていただきます。

洗濯物の部屋干し

加湿という観点で考えたことはありませんでしたが、言われてみるとたしかに、室内で洗濯物を干すことも加湿になりますよね。

部屋干しの匂いが気になる方は、日の当たる場所に干しておくといいそうです。

私はお風呂場に洗濯物を干すことが多いんですが、今後は時々、部屋干しもしようと思います。

洗濯物は乾かし「ながら」、部屋の加湿にもなる。

私みたいな面倒くさがり屋には、この「ながら」はちょっと魅力的です。

浴槽にお湯を張る、など

ホテルや旅館で、空調が効きすぎていることはありませんか?

私はそういうとき、浴槽にお湯を張って、ドアを少し開けたままで休むようにしています。それだけでも翌朝の室内の乾燥は、まったく違うんですよね。

ワンルームにお住まいの方は、お部屋でも同じようにすると、室内の加湿になります。

または、洗面器にお湯をはって置いておくだけでもOKです。

他にも、床の水拭きやお鍋も、部屋の加湿になるそうです。どれも、「言われてみると…」というような内容ですよね。

消臭スプレー

その他の加湿方法(消臭スプレー)

これは「今日から始められる」といった内容ではないかもしれませんが、個人的におすすめなので、ご紹介させていただきます。

それは、消臭スプレーです。

スプレーを室内にシュッシュッとかけるだけでも、部屋の加湿になります。

消臭スプレーは市販のものでもいいですし、精製水とアロマ(精油)をブレンドして作ることができます。

このサイトでも、La Estrella の高橋 志保 先生に、「手作りアロマ消臭スプレーの作り方」のをご紹介いただきました*。

これが、もう本当にいいんですよ。高橋 先生に作り方を教えていただいて以降、家でも大活躍しています。

取材時には、靴の消臭スプレーで教えていただきましたが、用途は幅広くて、室内に吹きかけることができます。

作り方はとても簡単で、下記の分量の材料を混ぜ合わせるだけです。

・精製水 90mL

・無水エタノール(アルコール) 10mL

・精油 20~30滴

精油は、ご自分のお好きな香りのものをお選びいただければ大丈夫です。

ちなみに取材時には高橋 先生に、ティートゥリー・レモンでお作りいただきました。

どれも、殺菌作用が強いのが特徴だそうです。

これを室内にかけておけば、防臭と加湿に加え、殺菌作用もあります。

手作りのアロマ消臭スプレーは、こうしてアロマの成分を室内に散布できることも、魅力ですね。

* 高橋 先生の記事は、「靴の匂い!アロマで手作り消臭スプレー・重曹芳香剤の作り方」をご覧ください。

まとめ

これまでの先生方への取材で、加齢や生活習慣が、乾燥肌の原因になることはお聞きしていました。

ただ、こういった季節要因もありますよね…。

湿度でお肌の状態も変わる。

人の身体は本当に繊細なメカニズムだと改めて感じます。

加湿器はお肌の乾燥対策になりますから、乾燥肌でお悩みの方は、冬が終わっても片づけずに、空気が乾燥しているときに使うといいかもしれませんね。

もし加湿器を片づけていたときも、今回ご紹介した加湿方法をご参考にしてみてはいかがでしょうか?