「キレイの先生」編集部です。
「顔の皮がポロポロむけている! 本当にゆでたまごの殻をむいているみたい」
今回の、エステサロン 二十三夜 の川畑 貴子 先生は、「ゆでたまご肌(ゆで卵肌)ケア」のエステをされていらっしゃいます。
その写真を見させてもらったときの最初の感想です。表の皮がむけて、新しいお肌に生まれ変わる感じが伝わってきます。「ゆでたまご」というネーミングもぴったりです。
そのポイントは、ターンオーバーにあるそうです。
いくつになってもツルツルのお肌でいたいものですが、年をとるにつれ、お肌は衰えていくものです。
川畑 先生に、ツルツルのたまご肌を作るのに心がけたいことを教えていただきました。
目次
ゆでたまご肌ケアとは
たまご肌を作るために:食べ物
たまご肌を作るために:スキンケア
まとめ
お肌の衰えとターンオーバー
― 川畑 先生、本日はよろしくお願いします。後程しっかり話はお伺いしたいと思いますが、「ゆでたまご肌(ゆで卵肌)ケア」の写真には驚きました(上の写真をご覧ください)。ゆでたまごの殼をむくみたいに、肌がポロポロとむけてくるんですね。ゆで卵肌ケアをお受けになられるお客様には、どんな方が多いんですか?
30代のお客様もいらっしゃいますが、多いのは40代以降の方でしょうか。そのくらいの年になると、「それまでとはお肌が全然違う…」と感じられる方が増えてくる印象です。
乾燥やシミ、しわ、たるみ、大人ニキビでお悩みの方が多いですね。
― 他の先生に話をお聞きしても、特に40代はお肌の変化を感じられる方が多いそうです。それは、どうしてなのでしょうか?
ターンオーバー*1の影響が大きいと思います。お肌の新陳代謝ですね。
ターンオーバーの周期は、28日が理想といわれています。ただその周期も、加齢や環境によって遅くなります。
実際のターンオーバーの周期は、30歳を過ぎると「28日+年齢」といわれています。つまり50歳の方は、「28日+50歳=78日」ということになります。すると3ヶ月近く、お肌は新陳代謝されていないことになります。
― ターンオーバーの周期は、加齢によってそんなに遅くなるんですか…。
お肌が新陳代謝されないと、表面には機能しない肌が残ります。
例えばシミは、お肌の表面に垢が残っているから薄くなりません。たるみは、お肌の細胞が活性化していないということです。大人ニキビは、余分な皮脂*2が残っているのが原因です。
つまり、老廃物を排出するお肌の力が落ちているんですね。私はそれを「肌力がなくなってきている」と言っています。それによって、肌トラブルも増えてしまいます。
*1 編集部の補足:ターンオーバーとは
お肌は、内部で肌細胞が生まれて、それが少しずつ表面に上がって、最後に古くなったものが垢になって剥がれ落ちていきます。この働きを「ターンオーバー」といい、お肌は日々新しく生まれ変わっています。
*2 編集部の補足:皮脂とは
毛穴から分泌されている脂分のことをいいます。
ゆでたまご肌ケアとは
― ターンオーバーは、健康できれいなお肌を保つために欠かせない働きですよね。お肌が何十日間も新陳代謝されないと、トラブルも増えそうです。「ゆでたまご肌(ゆで卵肌)ケア」は、そこにアプローチする技術なんですか?
はい。ゆで卵肌ケアは、自分の肌力をつけるためのエステです。普通のエステとは、ちょっとイメージが違うかもしれません。
先程もお話したように、例えばシミが出来るのは、老廃物を排出するお肌の力が落ちて、垢が残っているためです。それは、お肌がなまけてしまっているんですね。
ゆで卵肌ケアでは、そのなまけたお肌に特殊なパウダーをぬります。例えると、お肌の中に異物を入れるんです。すると、お肌は「異物が入ってきて大変だ!」とびっくりします。そして、自分を守るために「何とかしなきゃ」と、「コラーゲンを作って、血流も良くして、古いお肌は捨てて…」と働き出すんです。
お肌がきれいというのは、中の細胞が元気になるということです。肌力がついて、新しいお肌が出来たから、古いお肌が剥がれ落ちるんです。それによって、老廃物を出すことができ、シミなども薄くなります。
パウダーの中には、サイタイエキスやヒアルロン酸も入っています。それが、そのお肌の働きを後押ししてくれます。
― 異物が入って「何とかしなきゃ」とお肌に働いてもらうんですね。面白いです。写真を見させてもらったとき、ゆでたまごの殻のようにむけた皮につい目が行きがちでしたが、そういった働きがあったんですね。
お肌がむけてくると、お客様は皆さま、お喜びになります。たしかに、お肌が生まれ変わる感じがしますよね。ただ、ゆで卵肌ケアはそこが目的ではありません。
お肌がむけるのは、お肌自身が働くようになった結果でしかないんです。中には、お肌がむけなくても、ツルツルのお肌になる方もいらっしゃいます。それよりも大切なのは、中の細胞が元気になって、肌力をつけることです。
ゆで卵肌ケアは、お肌を働かせられるようにするトレーニングです。その環境を作ってあげるエステなんです。
― たしかに肌力がつくことで、ターンオーバーも活性化されます。お肌の悩みを治すのは、お肌自身ということなんですね。
そうですね。肌力が上がれば、水分保持力も上がります。老廃物も排出できます。血流も良くなります。
あるお客様は夜、ゆで卵肌ケアをお受けになった後、お肌の手入れをしないまま寝てしまったそうですが、翌朝もお肌はしっとりしていたそうです。それは、肌力がアップしたのだと思います。
ゆで卵肌ケアは、乾燥にシミ、しわ、ほうれい線、たるみ、大人ニキビ、毛穴トラブルなどでお悩みの方にはおすすめです。
たまご肌を作るために:食べ物
― お肌の表面だけじゃなく、お肌自身が元気になるのはいいですね。ただ、ゆで卵肌ケアはご自宅でやるのは難しいかもしれませんね。「エステサロン 二十三夜」さんならではの技術です。たまご肌を作るために、ご自宅で出来ることはあるんでしょうか?
お客様には、食事面をお話しすることが多いかもしれません。
食事では、たんぱく質をしっかり摂って、炭水化物を控えるのがおすすめです。
― たんぱく質? お肉やお魚をきちんと摂るということですか?
はい。人の身体はたんぱく質で出来ています。お肌やホルモンの元もそうです。たんぱく質を摂ることで、お肌の潤いや透明感にもつながります。
野菜や玄米などのヘルシーな食事もいいですが、たんぱく質が不足していると、お肌は乾燥しやすくなります。ですから私は、お肉やお魚を食べることも大切だと思っています。
― なるほど。炭水化物を控えた方がいいのは、どうしてでしょうか?
これは、糖質が関係しています。
ご飯やパンなど食べ過ぎた身体は、糖質が過剰になります。身体は、まず糖から代謝*する仕組みになっています。すると脂質の代謝が後回しになり、使いきれなかった脂質がニキビの原因となります。さらに糖は、肌くすみの原因です。
* 編集部の補足:代謝とは
体内で栄養をエネルギーに変換することをいいます。
たまご肌を作るために:スキンケア
― 食事面以外でも気をつけられることはありますか? 例えば、スキンケアで何かアドバイスはありますか?
個人的には、美容オイル、特に粗悪なオイルのものをお使いになるのはおすすめしません。
オイルをつけると、お肌の乾燥はあまり感じないと思います。それは、お肌に膜を作るからです。ただそれによって、外から入れたいものが入りづらくなり、中から排出したいものも排出されづらくなります。
ですので、粗悪なオイルをお肌にぬるのは、あまり賛成しません。
あとは、ご自分のお肌に合わない化粧品を使わないことです。
「お肌のきれいな人がこれを使っているから」と、同じものをお使いになっても、お肌に合っていないと、お肌の状態を悪化させてしまいます。場合によっては、ターンオーバーの働きを悪くさせることもあります。
一ヶ月を目安に、その化粧品が「ちょっと違うな…」と感じたら、ご自分の肌質に合っているかを疑ってみると良いと思います。
― 自分に合う化粧品を使うのは、たしかに基本ですね。目安の一ヶ月という期間には、意味があるんですか?
ターンオーバーの周期です。28日間が理想の周期というのは、お話しましたね。つまり、いまのお肌は、最短でも約一ヶ月前に生まれたものなんです。それが、一ヶ月間という期間の理由です。
ですから、もし「お肌の調子がいいな」というときがあれば、一ヶ月前にどんなケアをしていたか、思い出してみるといいですよ。そのときに生まれているお肌ですから。
― ここでも、ターンオーバーが関係しているんですね。先生の話をお聞きして、肌力をつけてお肌の働きを良くすることの大切さが、よく分かりました。川畑 先生、今日はありがとうございました。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
ゆでたまご肌(ゆで卵肌)ケアのお話で、「異物が入ってきた! 何とかしなきゃ!」とお肌を働かせるというのは面白かったです。
それで思い出したのが、身体の治癒力のことです。例えば転んで足を怪我したとき、身体はそこの傷に血液を流して、白血球を送ります。身体には、自分で異常を治す自己治癒力があります。
ゆで卵肌ケアも、そのような身体の反応を活かした方法なんですね。
ご自宅でゆで卵肌ケアをするのは難しいですが、食事やスキンケアのアドバイスは、ご参考になるかと思います。私もお米が大好きなのですが、食べ過ぎないように気をつけます。
皆さまの美肌作りのヒントになれば幸いです。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:エステサロン 二十三夜 川畑 貴子 先生、「キレイの先生」編集部)
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