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アーユルヴェーダの体質で選ぶ美容オイル!貴方に合うのは?

本日のキレイの先生

朝倉 智美 先生

アーユルヴェーダの体質で選ぶ美容オイル!貴方に合うのは?

Amila Tennakoon(flickr)

「キレイの先生」編集部です。

美容オイルと一言でいっても、色んな種類があります。

最近では、ココナッツオイルが注目を集めましたね。このサイトでも、オリーブオイルの話をご紹介したこともあります*1。あのごま油も美容オイルとして使えちゃったりします*2。

ひとつひとつのオイルには、それぞれ効果がありますし、「どれを選んだらいいか分からない!」なんてこともあるかもしれません。

そんなとき、アーユルヴェーダの考え方から美容オイルを選んでみてもいいかもしれません。

今回は、アーユルヴェーダサロン カナディール の朝倉 智美 先生に取材させていただきました。

どんな人・どの季節に、何の美容オイルがおすすめなのか、教えていただきました。ご紹介いただいたのは、アーユルヴェーダのトリートメント(施術)で使われる美容オイルです。

そのオイルの使い方もアドバイスしてもらいましたので、合わせてご参考にしてみてください。

*1 オリーブオイルについては、「美容プロのクレンジング!エクストラバージンオリーブオイル」も、合わせてご覧になってみてください。

*2 ごま油については、「太白ごま油のデトックス効能!うがいやスキンケア等の使い方」でも、その効果や使い方をご紹介しています。こちらも合わせてご覧になってみてください。

目次

アーユルヴェーダとは
・ドーシャについて

3つのドーシャの特徴
・ヴァータ
・ピッタ
・カパ

ドーシャの分類について
・環境による影響

ヴァータ型におすすめの美容オイル
・効果
・使い方(キュアリング)
・使い方

ピッタ型におすすめの美容オイル
・効果
・使い方(準備)
・使い方

カパ型におすすめの美容オイル
・使い方
・その他の方法

まとめ

アーユルヴェーダとは

アーユルヴェーダとは

アーユルヴェーダとは、サンスクリット語で「生命と科学」という意味があり、インド・スリランカの伝統医療です。

健康増進や若返り、長寿の秘訣などを説いています。人間の「取扱い説明書」のようなものという表現が、イメージが近いかもしれません。

その起源は、インドのケララ州という場所が発祥とされています。5,000年の歴史があり、「ユナニ医学」と「中医学」と共に世界3大医療のひとつで、世界最古の医療体系ともいわれています。

ドーシャについて

アーユルヴェーダでは、人間や自然界のすべてに、「空」・「風」・「水」・「土」・「火」の5つの元素(パンチャマハブータ)が備わっていると考えられています。

そして、それらから成り立つ3つの大きな相互エネルギーを、「ドーシャ」といいます。

■ 3つのエネルギー(ドーシャ)
・ヴァータ(空・風)
・ピッタ(火・水)
・カパ(水・土)

人も皆、これらのエネルギーを持っています。

そのバランスはひとりひとり違っており、それぞれにちょうど良いバランスがあります(例えばヴァータが強い、など)。

それは、私たちが生まれる前、受精したときから決まっています。そして、一生を終えるまで、本来変わらないものとされています。

3つのドーシャの特徴

では、それぞれのエネルギー(ドーシャ)の特徴をみていきたいと思います。

皆さまも、ご自分はどのエネルギーが強いのか、考えてみてください。

ヴァータ

ヴァータの特徴

ヴァータは、「空」と「風」の元素から成り立つエネルギーです。

特徴は、下記のようなものがあります。「風」の方の特徴がより表れているイメージです。

■ 性質
冷たい、乾燥、軽い、動的、分散的、微細、など

■ 身体
・細身で、身長は高いか低い
・やせていて太りにくい
・お肌や髪の毛が乾燥しやすい
・くせ毛
・目は小さく輝きがない
・鼻は細く、唇は薄い
・汗をかきにくい
・眠りが浅い、不規則な生活でも平気
など

■ 性格
・活動的で多趣味(例えば、旅行が好き)
・フットワークが軽い
・不安感が強い
・動き回るが疲労しやすい
など

■ 季節
秋(晩秋)~初冬

* 編集部:ヴァータのエネルギーが強い方・季節におすすめの美容オイルはこちらからご覧ください。

ピッタ

ピッタの特徴

ピッタは、「火」と「水」の元素から成り立つエネルギーです。

特徴は、下記のようなものがあります。「火」の方の特徴がより表れているイメージです。

■ 性質
熱い、鋭い、明るい、液体、やや油性、刺激性、など

■ 身体
・日焼けしやすい
・そばかすやシミ、ほくろが多い
・湿疹やアトピーなど、お肌が荒れやすい
・若いうちから白髪や抜け毛が多い
・中肉中背
・瞳の色が薄く、まなざしが鋭い
・鼻やあごがとがっている
・汗を沢山かく
・激しい空腹を感じる
など

■ 性格
・集中して熱中しやすい
・理路整然としている
・情熱的で、リーダーシップがある
・イライラしやすい
・批判や攻撃的になる
など

■ 季節
夏~初秋

* 編集部:ピッタのエネルギーが強い方・季節におすすめの美容オイルはこちらからご覧ください。

カパ

カパの特徴

カパは、「水」と「土」の元素から成り立つエネルギーです。

特徴は、下記のようなものがあります。「水」の方の特徴がより表れているイメージです。

■ 性質
重い、遅い、冷たい、大きい、油性、柔らかい、など

■ 身体
・太りやすく、やせにくい
・体格が良い
・お肌は血色が悪く、脂性肌
・髪の毛は太い
・骨格が頑丈
・目、鼻、口が大きい
・眠りが深く、睡眠時間が長い
・刺激があるとわずかに発汗
など

■ 性格
・穏やかで愛情が豊か
・怠惰になりやすい
・動くのが苦手
・眠気がなかなか取れない
など

■ 季節
晩冬~春

* 編集部:カパのエネルギーが強い方・季節におすすめの美容オイルはこちらからご覧ください。

ドーシャの分類について

ドーシャの分類について

このようにアーユルヴェーダには、3種類のエネルギー(ドーシャ)があります。

ただ人の体質は、この3つだけで分類できるわけではありません。それは、これらの内の2つが強かったりする場合があるためです。

人の体質は基本的に、下記のように10種類で分類することができます。

■ 1つのドーシャが優勢なタイプ
ヴァータ優勢型、ピッタ優勢型、カパ優勢型

■ 2つのドーシャが優勢なタイプ
ヴァータ・ピッタ優勢型、ピッタ・カパ優勢型、ヴァータ・カパ優勢型
ピッタ・ヴァータ優勢型、カパ・ピッタ優勢型、カパ・ヴァータ優勢型

■ 3つのドーシャを同じくらい持つタイプ
ヴァータ・ピッタ・カパ型
(これは珍しいタイプで、体調を崩しにくいです。ただ、ひとたびバランスを崩すと、維持するのに苦労するという特徴があります)

環境による影響

先程お話ししたように、人のエネルギー(ドーシャ)のバランスは、生まれる前(受精したとき)から決まっているとされています。

ただエネルギーは、季節や時間、食べ物、生活習慣などに影響されます。

季節にも、エネルギーがあります。例えば、夏は「ピッタ」の季節です。そのため人の身体も、ピッタが強くなりやすいです。

このように環境の影響で、自分の元々持っていたエネルギーが増えすぎてしまうと、バランスを崩す原因になります。

そこでアーユルヴェーダには、増えすぎたエネルギーを、反対の質(グナ)を補うことで鎮静させ、バランスを取るという考え方があります。

今回の美容オイルの選び方も、その考え方がポイントになります。

ヴァータ体質におすすめの美容オイル

ヴァータ体質におすすめの美容オイル

ヴァータ体質の人や、それが強い季節(秋~初冬)におすすめの美容オイルは、「セサミオイル(太白ごま油*)」です。

効果

太白ごま油は、温める作用が強いオイルです。

上でもご紹介したように、ヴァータは「風」の元素の特徴が強く、「冷たい」・「乾燥」といった性質を持っています。

そのため、温める作用のあるセサミオイルは、乾燥しやすく冷えやすいヴァータ体質に最適です。

使い方(キュアリング)

太白ごま油はそのままでもお使い頂けますが、加熱処理(キュアリング)をする事で成分を安定させますので、加熱処理をしてから使いましょう。

太白ごま油を鍋に入れて、90度まで熱してください。その後、鍋を火から下ろすと、自然と100度になります(そのとき、110度にならないよう気をつけます)。

キュアリングした太白ごま油は、その都度、湯煎(ゆせん)で温めて使います。キュアリングしてから1ヶ月くらいで、使い切るようにしましょう。

使い方

ヴァータ体質の人は、オイルケアがもっとも必要なタイプで、オイルは多めにお使いいただくのがおすすめです。

太白ごま油は、顔・身体にも全身にお使いいただけます。

顔には、フェイスマッサージのオイルや美容オイルとしてお使いいただけます。そのときは、化粧水の後につけると良いでしょう。使う量は、まずは10円玉大くらいで試して、個人のお好みで調整してみてください。

顔にはその他、クレンジングオイルとしてもお使いいただけます。

太白ごま油は、身体のマッサージオイルにもなります。温める作用があるため、冷えやすい手足やお腹にお使いになるのも良いですね。

* 編集部:太白ごま油の使い方については、「太白ごま油のデトックス効能!うがいやスキンケア等の使い方」でもご紹介しています。こちらも合わせてご覧になってみてください。

ピッタ体質におすすめの美容オイル

ピッタ体質におすすめの美容オイル

ピッタ体質の人や、それが強い季節(夏~初秋)におすすめの美容オイルは、「ココナッツオイル」です。おすすめなのは、天然100%のものです。

その他には、「オリーブオイル」も良いです。美容オイルとしてのオリーブオイルは、天然100%のエキストラバージンオイルがおすすめです。

効果

ピッタは、「火」の元素の特徴が強く、「熱い」といった性質を持っています。

ココナッツオイル(やオリーブオイル)には冷やす作用があり、ピッタ体質の人や夏場などにおすすめのオイルです。

使い方(準備)

ココナッツオイルは、25度以下で固まります。使うときに固まっていたら、必要な量を湯煎してからお使いください。

消費(賞味)期限に合わせて、開封してから1年くらいで使い切るようにしましょう。

* ココナッツオイルには、身体を冷やす作用があります。そのため、オイルが固まりやすい寒い時期(秋~冬)に、冷え性の方が毎日塗ったり、食事で摂るのはおすすめしません。

使い方

デスクワークの方は、パソコン作業でヒートアップしたとき、頭がのぼせてピッタ(火のエネルギー)が上がりやすいです。本来、人は頭がクールダウンしていて、下半身が温まっているのが、理想の状態です(現在は逆転している方が非常に多いです)。

そのため、ココナッツオイル(やオリーブオイル)を使ったヘッドマッサージもおすすめです。

シャンプーをする前に、頭皮マッサージでオイルを頭皮につけて、そのまま5分間はなじませてください。その後、オイルを洗い流します。

これらのオイルは、顔・身体にも使うことができます。使い方は基本的に、先程のセサミオイルと同じです。

カパ体質におすすめの美容オイル

カパ体質におすすめの美容オイル

カパ体質の人や、それが強い季節(晩冬~春)におすすめの美容オイルは、「セサミオイル」です。

その他、現地インドでは「マスタードオイル」も、食用やマッサージで使われています。これも、カパ体質にはおすすめのオイルですが、日本ではあまり流通されていません。

使い方

セサミオイルの使い方は、先程ご紹介した内容と同じです。

ただ、カパ体質の方は元から「油性」といった性質があり、オイルをつけても浸透しづらいです。

そのため、オイルをお使いになるときは、少量で大丈夫です。

また、もしマスタードオイルをお使いになる*ときも、天然100%のものをお選びください。

消費(賞味)期限に合わせて、開封してから1年くらいで使い切るようにしましょう。

* 使用上の注意:マスタードオイルは香りが強いので、美容用としては使いにくいかも知れません。

その他の方法

カパ体質の人は、オイルを使わず、身体に適度な刺激を与えることも効果的です。

例えば、絹の手袋で身体をマッサージする「ガルシャナ」という方法もあります。摩擦で身体が温まり、全身の冷え・部分的な冷えの改善にもおすすめです。

ご自宅では、絹のタオルなどでも代用可能です。お肌を逆なでするようにドライマッサージしてあげましょう。

おすすめなのは、朝のカパの時間(06:00~10:00)にすることです。ガルシャナすることで、快活に活動することができます。

ちなみに、乾いたタオルでお肌をこする乾布摩擦は、このガルシャナが源流とされています。

その他、ハーブパウダーをお肌にまぶしてすり込ませる「ウドワルタナ」といった技術も、カパ体質の人にはおすすめです。

まとめ

「キレイの先生」編集部です。

ご自分の体質に合わせて、化粧品を選ぶことも大切です。

アーユルヴェーダのトリートメントでは、オイルを使います。その考え方に基づいて、美容オイルを選ぶのもひとつの方法ですね。

朝倉 先生には、3つのエネルギー(ドーシャ)の特徴をかなり詳しく教えていただきました。「自分はこれに当たるかな」というものがあれば、どんなオイルと相性が良いのか、ご参考にしてみてはいかがでしょうか?

エネルギーのバランスは、季節や生活環境によっても変化します。そのバランスがいまどうなっているか知りたい方は、アーユルヴェーダのサロンに足を運んでみると良いと思います。

(取材:「キレイの先生」編集部 文:アーユルヴェーダサロン カナディール 朝倉 智美 先生、「キレイの先生」編集部)

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