「キレイの先生」編集部です。
「お肌のキメが整っていますね」「本当ですか!?ありがとうございます!」
残念ながら、自分自身にあったことではありません。百貨店の化粧品カウンターから聞こえてきた会話です。
「お肌のキメが整っている」というのは、褒め言葉ですよね。そう言われて怒る人はいないと思います。「きれいなお肌なんだな」というのも分かります。
でも、それってどんなお肌なんでしょう? そもそも、お肌のキメって何なのでしょうか? よくよく考えてみると、分かっているようで分かっていませんでした。
普段はエステサロンの先生方に取材して話を聞いていますが、いつも先生に頼りっぱなしでは良くありません。そこで今回は、私自身でお肌のキメについて調べてみました。
調べていく内に分かったのが、保湿の大切さ。保湿は、本当にスキンケアの基本ですね。お肌のキメを整えるヒントにしていただければ幸いです。
目次
肌のキメとは
・キメの整った肌 = 透明感
・キメの整った肌 = 潤おった肌
肌のキメの乱れ
・キメが乱れる原因:乾燥
・キメが乱れる原因:ターンオーバーの乱れ
肌のキメを整えるには
・保湿
・お肌に負担の少ないクレンジング
・紫外線対策
・お風呂
・運動
肌のキメとは
手の甲をよく見てみてください。皮膚に細かい凸凹がありませんか?
私たちの皮膚は、真っ平らではないんです。
皮膚には、細かくて薄い溝がたくさん走っています。それを「皮溝(ひこう)」といいます。
その皮溝で区切られた三角形(や多角形)の形をしているところが、「皮丘(ひきゅう)」です。皮丘は「丘」というように、ふっくらと盛り上がっています。
そして、皮溝が重なり合ったところに、「毛穴」があります。
「お肌のキメ」とは、この皮膚の細かな凸凹のことをいいます。
キメの整った肌 = 透明感
お肌のキメが整っているというのは、この皮膚の凸凹が規則正しく並んでいる状態です。
すると、お肌はどんなふうに見えるのでしょうか?
皮膚の凸凹が整っていれば、お肌に光が当たったとき均一に反射されやすいです。
それが、お肌の透明感につながります。
また、キメが整っていると、化粧ノリも良くなります。
キメの整った肌 = 潤おった肌
皮膚に凸凹があって、皮丘がふっくらと盛り上がっているのは、その中に水分がしっかりとあるからです。
下の画像は、リンパ&腸セラピーエイジングケアサロン Lepasi の森 弓子 先生の記事でご紹介したものです。お肌の断面図のイメージです。
肌の状態をチェックする肌カルテから学ぶ!キメ・角質とは?
リンパ&腸セラピーエイジングケアサロン Lepasi 森 弓子 先生
このように、お肌がきちんと水分を保持できていると、皮丘も盛り上がり、皮膚に凸凹が出来ます。
つまり、お肌のキメを整えるには、お肌の潤いが欠かせないのです。
肌のキメの乱れ
皮膚の凸凹が均一に並んでいるのが、キメの整った状態です。
それに対して、キメが乱れているというのは、皮膚の凸凹が均一に整っていなかったり、荒れていたりすることをいいます。
すると先程とは逆で、お肌が光を反射する方向もバラバラになってしまいます。
そのため、お肌も暗く見えがちで、毛穴も目立ちやすくなります。
また、キメが乱れて皮溝が深く太くなると、小じわの原因にもなります。そして、お肌に凹凸が少ない分、化粧ノリも悪くなってしまいます。
キメが乱れる原因:乾燥
先程見ていただいたように、お肌のキメが整うのは、お肌の中できちんと水分を保持できているからです。
お肌の水分量が不足すると、キメも乱れてしまいます。肌の乾燥は、キメの乱れにも大敵なんです。
キメの整ったお肌を作るためにも、スキンケアでの保湿不足や、クレンジングのしすぎ*には注意しましょう。
* スキンケアの中でもクレンジングは、お肌への負担が大きいです。そのため、長時間しすぎたり、力を入れすぎたりすると、お肌のバリア機能にダメージを与えて、それが肌の乾燥の原因にもなります。それは、「クレンジングの種類と選び方!合成界面活性剤には注意しよう」でもご紹介していますので、合わせてご覧になってみてください。
キメが乱れる原因:ターンオーバーの乱れ
お肌は、内側で新しい肌細胞が生まれて、それが表面に少しずつ上がってきて、最後古くなったもの(角質)は表面から剥がれ落ちていきます。このお肌の生まれ変わりを、「ターンオーバー」といいます。
ターンオーバーが乱れて(お肌の生まれ変わりの)周期が遅くなると、古い角質がお肌の表面にたまりやすくなってしまいます。
そしてそれは、お肌のキメの乱れにつながります。
ターンオーバーは、身体の代謝のひとつです。そのため、本当に基本的なことではありますが、下記のような生活習慣がターンオーバーを乱し、お肌のキメが乱れる原因になります。
・ストレスをためる
・睡眠不足
・偏った食事
・身体の冷え
・運動不足
など
肌のキメを整えるには
保湿
お肌に潤いがあると皮丘もふっくらと盛り上がりますから、お肌のキメを整えるには、まず保湿です。
「キレイの先生」ではこれまで、エステサロンの先生方に、おすすめの保湿方法(化粧水の使い方)を教えてもらってきました。
まずは、ローションパック*1です。手で化粧水をつけるよりも、たっぷりと量を使うことができ、パックが「ふた」になって化粧水を閉じ込める効果もあります。パックの上から、ラップをかける方法もありますね。
その他にも、化粧水と美容オイルを重ね付けする方法もあります。これは、メディカルアロマサロン Angelease の針谷 幸亜 先生に教えていただいた内容です*2。針谷 先生は、これを「ミルフィーユ大作戦」と素敵なネーミングされていらっしゃいました。重ね付けすることで、化粧水をたっぷりと使って保湿することができます。
そして、スキンケアの最後にはクリームをして、お肌に与えた水分が外に逃げてしまわないように「ふた」をしてあげましょう。保湿には大切な仕上げです。
*1 ローションパックについては、「化粧水は手よりもローションパック!5段階レベルアップ術」や「乾燥肌の保湿におすすめシートパックの使い方!簡単な工夫も」も合わせてご覧になってみてください。
*2 針谷 先生の記事は、「乾燥肌の改善!夜の入浴からスキンケアでどんな方法がある?」からご覧ください。
お肌に負担の少ないクレンジング
先程もお話したように、クレンジングはお肌に負担が大きいため、やり方を間違えると、かえって肌の乾燥につながってしまう場合があります。
クレンジングのポイントはいくつかあります。
まずは長時間やりすぎないこと、そしてこすらずに優しく行いましょう。
また、クレンジングはぬるま湯で行ってください。Natural Forest organic beauty salon の山村 真紀 先生は、30度前後のお湯をおすすめされていました*1。
高い温度のお湯でクレンジングすると、お肌に本来必要な油分(皮脂*2)まで取りすぎてしまう原因になります。お肌の温度も上がる分、中の水分も蒸発しやいです。
*1 山村 先生の記事は、「クレンジングの種類と選び方!合成界面活性剤には注意しよう」からご覧ください。
*2 皮脂は、毛穴から分泌されている油分です。汗などの水分と混ざり合って「皮脂膜」を作り、お肌を覆います。皮脂膜には、お肌の水分が蒸発するのを防いだり、外部の刺激からお肌を守ったりするバリア機能の役割があります。
紫外線対策
これもスキンケアの基本ですが、紫外線対策はお肌のキメを整えるのにも大切です。
紫外線を浴びるとお肌も乾燥しやすいですし、酸化の原因になるため、お肌の老化が早まってしまいます。
外出するときは、紫外線の強い時期に限らず、出来るだけいつも日焼け止めを塗るようにしましょう。
お風呂
皆さまの中にも、忙しいときはシャワーで済ませてしまう方はいらっしゃると思います。
ただ、エステサロンの先生方に取材して感じるのは、お風呂に入ることの大切さです。
お風呂に入ると身体が温まって、代謝が上がります。それは、ターンオーバーの活性化にもつながります。
そして、副交感神経*が優位になる効果があり、リラックスもできます。心と身体はつながっていますから、心の落ち着きもお肌には大切なことです。
* 私たちの身体と心をコントロールしているのが、「自律神経」です。自律神経は、「交感神経(緊張の神経、昼に働く)」と「副交感神経(リラックスの神経、夜に働く)」があり、この2つが交互に入れ替わっています。
運動
代謝を上げてターンオーバーを活性化させるには、運動もおすすめです。
ただ、「忙しくてなかなか運動する暇がない」という方もいらっしゃるかもしれません。
「キレイの先生」ではこれまで、ボディワークのインストラクターの先生方に、ご自宅でも簡単に出来る運動をご紹介いただきました。
例えば、ピラティス。インストラクターの林 優希 先生にご紹介いただきました。
これは、取材中に私も体験したのですが、激しい動きをしなくても、筋肉が使われていることがしっかり感じられるんですね。ダイエットや姿勢矯正にもおすすめだそうです。
ピラティスの呼吸法!胸式呼吸の方法とマーメイドストレッチ
林 優希 先生
「もうちょっと動きがあって楽しいのがいい!」という方には、エステ&アーユルヴェーダサロン ROSA の鈴木 まり 先生が開発されたボディワーク「ジョホレッチ」もおすすめです。
これは、音楽に合わせて身体を動かすボディワークで、記事では動画付きでご紹介しています。女性ホルモンのアップにもなるそうですから、それも美肌には良いですね。
女性ホルモンUPの新スローストレッチ♪音楽で簡単楽しい!
エステ&アーユルヴェーダサロン ROSA 鈴木 まり 先生
まとめ
これまで鏡を見ていて、お肌が実は凸凹していたなんて、考えたことがありませんでした。じっくり見ると、たしかに凸凹しているような…(はっきりと分からないのは、お肌のキメがもう乱れているということなんでしょうか…)。
この凸凹が、お肌のキメの正体だったんですね。
お肌のキメを整える方法をまとめてみると、基本的なことが並びます。
・きちんと保湿する
・正しいクレンジングをする
・生活習慣を見直す
これらは、お肌のどんなお悩みにも共通して言えることかもしれません。当たり前のことを当たり前にする、それがスキンケアの基本なのかもしれませんね。