前回の記事で、月経周期について、簡単にご説明させていただきました。(詳細は「生理のこと理解できている?月経周期の基本を簡潔に解説する」をご覧ください)今回は、月経周期の中で、「卵胞期」について、お肌や身体にどんな影響が表れやすいのか、みていきたいと思います。
卵胞期のお肌について
卵胞期は、月経を終えた後に訪れる周期です。
この時期の過ごし方によって、良い排卵を迎えられるか、次の月経(生理)が決まる大切な期間です。
新しいことを始めるには最適
お肌も身体も、気持ちも、この卵胞期がもっとも元気で、いちばん良い時期です。そのため、下記のような新しいことを始めるのは、卵胞期が良いでしょう。
・新しいお化粧品のチャレンジ
・ダイエット
美のホルモン「エストロゲン」
卵胞期について考えるとき、女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」との関係性が欠かせません。
女性ホルモンには、「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンがあり、月経周期によって、それぞれ分泌量が増加したり、減少したりします。
(編集部:エストロゲンとプロゲステロンについては、「女性ホルモンの基本のき【女性ホルモンを学ぶ 前編】」もご覧ください)
エストロゲンは、子宮内膜を厚くして受精卵の着床を助けるだけでなく、「美のホルモン」といわれ、女性らしさを作ることで知られています。
卵胞期にはエストロゲンの分泌量が増える
そのエストロゲンは、上記のグラフのように、月経が始まってから約3日目位から、分泌量が増え始めます。卵胞期はエストロゲンの分泌量が多い時期です。
つまり、卵胞期は、美容にとても良い時期といえます。
卵胞期のお肌は「元気肌」
では、エストロゲンの分泌量が増える卵胞期は、お肌や身体、気持ちはどんな状態なのでしょうか?
お肌は新陳代謝が活発
お肌は、水分・油分ともにバランスが良い時期です。新陳代謝が活発になります。エストロゲンの影響で、ハリ・弾力が戻り、潤い成分のセラミドが増えます。つまり、卵胞期のお肌は、とても調子が良いとお考えください。
ストレスと睡眠不足に注意
そして、とても良い時期だからこそ、気をつけたいこともあります。
まずは、「ストレス」です。感情に作用する脳の部分が、女性ホルモンの分泌にも深く関係するため、ストレスの影響によって月経周期が乱れてしまう原因にもなります。
美のホルモン「エストロゲン」の分泌量が減ってしまえば、その恩恵も受けられません。
また同様に、「睡眠不足」も女性ホルモンのバランスを乱してしまいます。しっかりと質の良い睡眠とるようにしましょう。
卵胞期という良い時期を、お肌も身体も、最良の形で過ごせるよう、生活習慣にも注意をしてみてください。
卵胞期のお肌のケアと食事
卵胞期が、お肌と身体に良い時期だからといって、なにもしなくても良いというわけではありません。
むしろ、良い時期だからこそ、行いたいこともあります。
新陳代謝をさらにアップさせる
ご説明したように、卵胞期は、お肌の新陳代謝が活発な時期です。
水分・油分ともにバランスが良く、血流も良いため、肌質を整えて、さらに新陳代謝がアップするように、角質ケア(ピーリング※)なども良いでしょう。
※ピーリングとは、お肌の表面の角質(古い肌細胞)をはがし落としてあげることをいいます。薬剤で溶かしたり、物理的にはがし落としたりする方法があります。
ビタミンEをとって血行促進
食事面では、いつも心がけていただく栄養として「タンパク質」「鉄分」「カリウム」をしっかり摂るようにしましょう。元気な子宮・卵巣を作るベースとなります。
さらに卵胞期には、「ビタミンE」を豊富に含んでいる食材を食べていただきたいです。
ビタミンEは、血行を促進し、抗酸化作用があり、女性ホルモンの分泌を助けてくれます。
女性ホルモンの「プロゲステロン」は、コレステロールとタンパク質、そしてビタミンEから作られます(尚、「エストロゲン」はコレステロールとタンパク質から作られます)。
プロゲステロンも、子宮内膜を厚くしてくれる、月経周期には欠かせないホルモンですから、身体作りのためにも、ビタミンEは良いでしょう。
ビタミンEを多く含んでいる食材としては、ひまわり油、魚卵(タラコやイクラなど)、アーモンドなどがあります。
また、「亜鉛」もこの時期に摂りたい栄養素です。これは、卵胞期に働かせるというよりも、排卵期に向けた身体作りの一環です。
亜鉛は子宮粘膜の材料になります。貝類やナッツ類、女性がお好きなチョコレートなどに豊富に含まれています。
まとめ
卵胞期は、エストロゲンの影響で、お肌も身体も、気持ちも、月経周期の中でもっとも充実して良い時期です。
お肌でいえば、新陳代謝が活発な時期ですので、積極的にケアをして、美肌を保ったり、肌質を整えたりしてあげることが良いと思います。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:猫のおなか 橋本 かな 先生、「キレイの先生」編集部)