私たちは、食べたものが血となり肉となり、身体が作られています。当然、お肌も同じです。お肌のアンチエイジングも、化粧品などによる外面からのケアだけでは限界があります。それだけではなく、口から入れるものを見直して、内面からも働きかけることが大事になります。食事とお肌は切っても切り離せない関係にあります。
食事で代謝が上がりターンオーバーを活性化
食事で、食べたものがお肌になり、お肌に必要な栄養を摂ることもできます。しかし、食事がお肌にとって大事なのは、それだけではありません。
食事を食べると、体温が上がります。体温が上がると、体の代謝が上がります。(代謝とは、体内の老廃物を汗や尿、便などで、外に排出する働きをいいます。詳細は、「【ミニコラム】ダイエットだけでなく美容にも大切な「代謝」」をご覧ください)
食事を食べて、汗をかいたことはありませんか? それは代謝が上がっている証拠です。代謝が上がれば、ターンオーバー(お肌の生まれ変わり)も活性化されますから、新鮮できれいなお肌に後押ししてくれます。
食事は、代謝・ターンオーバーの活性化という点からも、お肌に大事なのです。
無理なダイエットは禁物
そのため、無理なダイエットで食事を食べないことは、お肌に良くありません。
それだけではなく、代謝の悪化につながり、かえって痩せにくい体になってしまう場合もあります。ダイエットにも逆効果ですから、注意してください。
腹8分目でエネルギーの使用を抑える
当たり前ですが、食事がお肌に大事だからといって、お腹いっぱいまで食べることはやめましょう。お肌にも、あまり良いとはいえません。よくいわれているように、腹8分目で抑えるようにしてください。
身体は、食事を吸収するのに、エネルギーを使用します。
満腹では、食事の吸収にエネルギーの使用が集中してしまい、ほかの場所に回せるエネルギーが少なくなってしまいます。代謝にもエネルギーが必要ですから、代謝が悪化してしまうことも考えられます。食事で代謝も上がりますが、食べ過ぎては代謝を下げてしまうこともあるのです。なにごともバランスが大事ということです。
特に、寝ている間にお肌は作られますから、夜は消化の良いものを食べ、食事の消化にエネルギーを使い過ぎないようにしましょう。
余談ですが、食事にエネルギーを使用することを考えると、試験前の勉強には、夜食は控えた方が効率的だと思います。多少空腹の方が、頭にエネルギーを集中できるため、勉強がはかどります。
メディアの情報をうのみにしない
テレビで「お肌にこれが良い」と放映されると、スーパーからその食材が一斉になくなることがありますよね。また、好きなモデルさんや女優さんが「お肌のためにこんなことしていると」と聞いて、真似してみたことはありませんか?
ただ、私はみなさんに、メディアの情報に振り回され過ぎないでほしいと思っています。
メディアの情報が間違っている、というわけではありません。
芸能人のみなさんは、美容のことを本当によく勉強されています。その上で、美容法を選択しています。みなさんが正しい知識を持たず、形だけ真似しても、かえって逆効果になることも往々にしてあります。
その事例を二つご紹介させていただきます。
1) 玄米は健康に良い?
玄米は健康食としてテレビでも紹介されるなど、人気が上がっています。
しかし、通常のお米と比べると、とても固いです。24時間、水につけてから、炊くのでも良いくらいです。玄米を食べるなら、柔らかくなるまで咀嚼するか、柔らかく炊くか、をする必要があります。
いつものお米と同じように食べては、胃に負担がかかってしまい、体に良くありません。
2) 水をたくさん飲むのは良い?
数年前に大人気を博した韓流スターが「1日に8リットルの水を飲む」と話題になり、真似をされる女性が増えました。私のお客様でも、お水をたくさん飲むようになった方がいらっしゃったのですが、むくみなどの肌トラブルに悩まされるようになってしまいました。
考えてみると、当然です。その俳優さんは日頃からトレーニングに励み、筋肉量がありました。その分、燃焼も高いですから、水を飲んでも、汗で流れていきます。
トレーニングもせず筋肉量の少ない女性が同じように、水をたくさん飲んでも、あまり意味がないことは、わかると思います。
正しい知識を理解する
メディアの情報を否定するつもりはありません。しかし、「なぜそれが良いのか」を理解していなければ、かえってお肌や身体に不具合があることもあります。メディアで紹介された食材ばかりを食べても、バランスが悪いです。
正しい知識を持って、それを取り入れるのかどうか、自分で判断できるようになってほしいと思います。
食事は身体だけではなく心も作る
最後に、お肌とは関係ありませんが、食事が人間にとってどれだけ大事なのかが分かる面白い話がありますので、それをご紹介したいと思います。
アメリカの重犯罪者を集めた刑務所では、食事をオーガニックの食材のものにすべて切り替えたところ、囚人の性格が劇的に変化したそうです。釈放後も、再犯率が非常に低かったという発表されています。
食事は身体だけではなく、心も作るのかもしれませんね。まさに人間は食べたもので作られているといえます。みなさんも食事を大事にしてください。
(取材・文:「キレイの先生」編集部)