意識されている方は少ないと思いますが、日常の行動で、骨が歪んでしまうことは多々あります。そして、骨の歪みは、健康だけではなく、お肌やお顔にも悪い影響を与えます。もしかしたら、お悩みの肌トラブルも、根本的な原因は、骨の歪みにあるかもしれません。では、どんなことが骨の歪みにつながるのか、みていきたいと思います。
骨はどこかが歪むと全身の歪みに
骨は、体の土台です。そのため、頭蓋骨が歪むと、たるみや二重あごが出てしまったりするなど、お肌やお顔にも悪いです。(詳細は「知っていますか? 骨の歪みがお肌にも悪いこと」をご参照ください)
では、きれいなお顔のためには、頭蓋骨の歪みだけを治してあげれば良いのでしょうか?
残念ながら、それは違います。人間の体は、全身の骨が組み合わさって、形を成しています。どこか一ヶ所の骨が歪むと、他もバランスを補って歪むため、全身に連鎖していくとお考えください。
頭蓋骨の歪みだけを治しても、ほかの骨が歪んでいると、そこに引っ張られるため、また頭蓋骨が歪んでしまい、根本的な改善にはなりません。きれいなお顔でいるためには、全身の骨を矯正してあげる必要があります。
足の骨が歪むとお顔の歪みにも
特に、足の骨は、人間の体の「土台の土台」です。足の骨が歪むと、「足首 → 膝関節 → 股関節 → 骨盤 → 仙骨 → 頭蓋骨」というように歪みが連鎖し、最終的にお顔の歪みにつながりまってしまいます。
中でも、アキレス腱の緊張は、お顔の「蝶形骨」という骨にも影響を与えるため、足の歪みと頭蓋骨の歪みはとても深い関係があります(蝶形骨とは、頭蓋骨の中でツッパリ棒の様に存在している骨で、蝶形骨が歪むと、左右の目のバランスを崩れてしまいます)。
このように、足の骨が歪むことで、お肌やお顔のお悩みにつながることもあるのです。
そのため、私はお顔の矯正でも、必ず足の矯正から行います。足の骨の歪みを治さないと、根本改善にはならないからです。
お客様の中には、足の骨を矯正するだけで、「フェイスラインが上がった」とおっしゃられる方が、たくさんいらっしゃいます。
日常生活の癖が骨の歪みに
では、骨が歪んでしまう原因は、どこにあるのでしょうか?
それは、なにも特別なことではありません。日常生活の些細な癖が、骨の歪みにつながっています。どんな癖が、骨の歪みの原因になるのか、いくつかみていきたいと思います。
歩き出すときの最初の一歩はどちらか?
みなさん、信号待ちをしていて、歩き出すときのことを考えてみてください。おそらく、左右どちらの足から踏み出すかは、無意識の内に、決まっているのではないかと思います。
階段を上るときの最初の一歩もそうですね。左右の足で受ける圧に、ほんの少しだけ差がありますから、その積み重ねが骨の歪みにつながってしまいます。
実際、足を怪我したとき、病院で「普段とは逆の足から踏み出して歩くようにしてください」とアドバイスされることがあります。それだけでリハビリになるのです。
歩くときの癖が、骨の歪みの原因になることが、なんとなくイメージできると思います。
固い食材を噛むのはどちらの歯か?
また、食事にも、「噛み癖」というものがあります。
例えば、固い食材を食べたとき、どちらの歯で噛むか、決まっていませんか? 私も自分に噛み癖はないと思っていたのですが、食べているところを鏡に映して驚きました。私の場合、固い食材を食べると、右の歯で噛んで、柔らかくしてから左の歯で噛んでいたのです。
「噛む」という行為は、とても強い力が働きます。左右どちらかに、その力が偏れば、骨の歪みが増長される原因となります。
スポーツも骨の歪みの原因に
生活の癖ではありませんが、スポーツも骨の歪みにつながりやすいといえます。
例えば、ゴルフやテニスを想像してみてください。右利きか、左利きかによって、体の左右にかかる負担は変わってきます。また、ぐっと力を入れるときは、歯を食いしばりますよね。それは、お顔にとても強い力がかかっており、やはり骨の歪みの原因になります。
骨の歪みは生きた「証」
美容のためには、日常生活の癖を意識して治すべきなのでしょうか? スポーツもしない方が良いのでしょうか?
私はそうは思いません。どちらの足から踏み出すかを意識して生活するのも窮屈ですし、どちらの歯で噛むかを考えながら食事しても、おいしくありませんよね。スポーツで体を動かすこともできなくなります。
骨の歪みは、生きた「証」なのです。
骨がまったく歪んでいないひとは、どこにもいません。ただ、骨が歪んだままでは、お肌やお顔、健康に影響が出てしまいます。健康で快適な生活を送れるよう、日常的に、骨の歪みをこまめに整えてほしいと思います。